フランス国鉄(SNCF)はパリの18区にある旧車両基地で今年もイベントを開催。Grand Train/グラントラン(大きな列車)と呼ばれるこのイベントでは、レストラン、バー、農園、マルシェ、映画の上映、フットボール観戦、フランスの球技ペタンクなど、魅力的な催しが行われています。
昨年計20万人が訪れたこの夏のイベント、Grand Trainを現地からリポートします。
旧車両基地がイベント広場に変身
1845年に建設された、パリ北駅の車両基地は2013年に廃業され、廃墟となりました。時代に置いてきぼりにされた寂しい場所。しかし、昨年開催されたこのイベントで、この車両基地が再利用されることとなったのです。
廃墟でやるからこそ、冒険できる自由な空気感。Grand Trainはこの古寂びた場所に息吹を吹き込み、今までのパリにないような画期的なイベントとなったのです。
路線上にはアウトドアチェアが並べられ、ちょっとしたバカンスのような開放的な雰囲気。すぐ隣りには小さな農園もあります。倉庫はカフェやバーになっていて、列車やレトロな家具たちに彩られています。
鉄道好きにはたまらない列車の展示
このGrand Trainの目玉のひとつは25の機関車の展示です。ここは列車の博物館ではないかと思えるほど、フランスの鉄道の歴史を彩ったレトロな機関車を一斉に見ることができます。SNCFの列車をテーマにした雑貨を取り扱うお店もあります。
充実したレストランやバー
6つのバーと8つのレストランがGrand Trainにはあります。ピザや韓国料理のレストラン、グルテンフリーのパティスリー、ホットドックのレストランなどがあります。6月からは予約のもと有名なシェフのお惣菜が車両のレストランで食べることもできるそうですよ。
バーは飲み物も比較的リーズナブル。これから夏に向けて、毎日がお祭りのようになるのだとか。お酒を片手に外で過ごすのは気持ちのいいひとときです。
魅力的なイベント
土日には生産者によるマルシェがこのGrand Train内に開催されます。新鮮で美味しい野菜なんかを購入することができるのだとか。また水曜の夜は旅行や列車をテーマにした映画上映もおこなわれています。子どものアトリエやDJによるダンスナイトなど、とにかくイベントが盛りだくさん。
Grand Trainは5月4日から10月16日まで開催されています。残念ながらこの旧車両基地は取り壊しが決まっていて、一部分だけが保存されるそうです。このイベントも今年が最後になるのかもしれないとのこと。この夏、パリを訪れることがあれば、このイベントで新しいパリの風を感じてみて下さいね。
[All photos by Nanako Kitagawa]
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