いつ世界遺産になるの?佐渡金山
世界文化遺産登録を目指して推薦されている、新潟県の佐渡金山遺跡。2010年にはユネスコ世界遺産暫定リストに記載され、2023年の本登録を目指していましたが、書類の不備があり来年の登録は難しい状況のようです。
一帯には、発電所やシックナーなど鉱山の近代化に貢献した施設群(国の史跡)が密集しています。その1つがここ、「北沢浮遊選鉱場(きたざわふゆうせんこうば)」。何だか不思議な名前ですよね。
一体何が浮遊するの? 名前からしてラピュタを彷彿とさせます!
北沢浮遊選鉱場とは?
もともとは銅の製造過程で行われていた技術であった「浮遊選鉱法」。それを金銀の採取に応用し、日本で初めて実用化に成功したのが北沢浮遊選鉱場です。
「浮遊選鉱法」とは、採掘した鉱物を細かくすり潰し、油や化学物質と混ぜた水に入れて、浮上するものと沈むものに分けることで鉱石を抽出する方法。
北沢浮遊選鉱場は、1カ月で5万t以上の鉱石を処理できることから「東洋一」とうたわれました。
廃墟感が半端なくラピュタっぽい
そんな、当時は最先端であった技術を誇った北沢浮遊選鉱場ですが、現在は廃墟感たっぷりのミステリアスなスポット。佐渡金山の近くにあり、いつでも気軽に無料で立ち寄れるので、佐渡島観光の必須観光スポットともいえます。
人気の秘密は、何といってもこの緑で覆われたラピュタっぽい廃墟感。ジブリ映画『天空の城ラピュタ』の世界観を彷彿とさせる、とSNSでも話題です。
建物の前は広い広場のようになっているのですが、これだけ広くても、カメラで建物全貌を写すのは難しい。肉眼で見る圧倒的なスケール感を、スマホカメラに収めることができずにヤキモキします。
ちなみに、建物の中には入れません。当然かもしれませんが、立ち入り禁止です。
川を隔てたあちら側からの方が全景をとらえやすいかも!? と思い、移動することに。ちなみに、あちら側の黒い屋根の建物はカフェです。パラソル付きのテラス席もあり、カフェメニューを楽しみながら、ゆったりと選鉱場を眺めることもできます。
北沢Terrace
新潟県佐渡市 相川北沢町 2
0259-58-7085
11:30~15:00(LO14:30)、18:00~21:00(LO20:30)
火・水定休
https://www.visitsado.com/spot/detail0936/
のどかに流れる川を橋で渡ります。
撮影するなら川をはさんだ反対側からがおすすめ
川向こうに到着。観光客と対比して建物全体の大きさがわかりやすくなりました。こちら側にきて正解!
先ほどよりは全体の雰囲気をとらえやすくなりましたが、やはり実際に見て感じたこの感動を写真におさめるのは至難の技です。自分の技術のなさがもどかしい……。ぜひ現地で実際に見て感じてもらいたい、と切に感じました。
直径50mの北沢のシックナー。選鉱を経て金銀の含有量が少なくなった「泥鉱」を、鉱物と水とに分離・濃縮する施設で、国内でも最大規模。昭和の大量生産を支えていました。かつては大小さまざまなシックナーが存在していたそう。
ここで不純物は捨てられ、水は選鉱場で再利用されました。
夜のライトアップがまた幻想的!
そして見逃せないのが、LED照明を使った色彩豊かなライトアップ。筆者は佐渡島滞在中、昼と夜2回こちらを訪れました。夕暮れどき、ライトアップが始まるのを待っていると、昼と夜のはざまのマジックアワーの北沢浮遊選鉱場がこれまた幻想的でした。
ライトアップは数時間開催されていて、入場無料なのでいつ訪れても自由なのですが、個人的にはぜひ夕暮れどきに合わせて観光することをおすすめしたい!
今後は、季節の変化に合わせたプログラム変更も予定しているそうです。
新潟県佐渡市相川北沢町3−2
両津港から車で約50分
駐車場 乗用車30台
https://niigata-kankou.or.jp/spot/42550
ライトアップ
◆実施期間◆
令和4年4月22日(金曜日)~令和5年2月28日(火曜日)
午後7時から午後10時まで(4月~9月)
午後5時から午後10時まで(10月~2月)
◆実施場所◆ 北沢浮遊選鉱場
◆入場料◆ 無料
https://www.city.sado.niigata.jp/soshiki/2019/26111.html
※時期により内容が変わる可能性がありますので、ご注意ください。
[All Photos by Aya Yamaguchi]