卵が常設展示される『兵庫県立人と自然の博物館』 image by Hiro zip post(Wikipediaより)
ウズラの卵と同じくらいの恐竜の卵
筑波大学のプレスリリース「世界最小の恐竜卵化石を発見!~多様な小型恐竜の存在判明、兵庫県丹波市の卵殻化石群で~」より
恐竜に関するスポットは、旅の目的地にもなりますよね。例えば、福井県勝山市にある「福井県立恐竜博物館」は、県内外の人が集まる人気の観光スポットになっています。
そんな恐竜に関する世界一が今回の話題です。実は、「世界で最も小さい恐竜の卵」が、兵庫県にあるとご存じでしょうか? その大きさはウズラの卵と同じくらいで、だいたい4.5cm×2cmです。
そんな小さい恐竜(獣脚類恐竜)の卵が、恐竜化石の一大産地として知られる兵庫県丹波市で、2019年(平成31年)1~3月に行われた大規模発掘により見つかったのですね。
ギネス世界記録にも認定
筑波大学のプレスリリース「世界最小の恐竜卵化石を発見!~多様な小型恐竜の存在判明、兵庫県丹波市の卵殻化石群で~」より
この卵は、「ヒメウーリサス・ムラカミイ」と命名されました。
丹波市で見つかった竜脚類恐竜(丹波竜)の発見者(村上茂さん・足立洌さん)のうち村上茂さんにちなむ名前だそうで、2020年(令和2年)5月に学術誌の電子版に研究論文が掲載され、ギネス世界記録にも同月23日に認定されました。現在もその記録は破られていません。
上述した大規模な発掘では、約1,300点の卵と殻の化石が見つかりました。2足歩行する(主に肉食性の)恐竜グループ・獣脚類恐竜の卵もあって、その中に新種の卵ヒメウーリサス・ムラカミイが含まれていたのですね。
ちなみに、獣脚類の代表例は、ティラノサウルスやオビラプトルで、鳥類の祖先を含むと辞書に書かれています。
世界最小の卵化石ヒメウーリサス・ムラカミイは現在、『兵庫県立人と自然の博物館』3階の展示室「丹波の恐竜化石」に常設の展示品として加わっています。
兵庫県を訪れたら、ぜひ足を運びたいですね。
[参考]
※ Fossilized dinosaur egg found in Japan recognized as world’s smallest – The Japan Times
※ Smallest fossilized non-avian dinosaur egg – Guinness World Records
※ 恐竜卵の化石、推定10グラム 世界最小ギネス記録に – 朝日新聞
※ 世界最小の恐竜卵化石を発見! ~多様な小型恐竜の存在判明、兵庫県丹波市の卵殻化石群で~ – TSUKUBA JOURNAL
※ ひとはく・ちがくレター(令和2年11月15日号) – 兵庫県立 人と自然の博物館