(C)運河の宿 おたる ふる川
小樽運河のかたわらに建つ温泉宿 ふる川
小樽駅から北東の海岸へゆるやかに下る道を10分ほど歩くと小樽の観光名所・小樽運河があります。その運河のかたわらに建つのが「おたる ふる川」。なんとこの宿には天然の温泉があるのです。ここは温泉自慢の宿、そして料理自慢の宿でもあります。
(C)運河の宿 おたる ふる川
おもむきのある浴室は1階の「壱の湯」、2階の「弐の湯」のふたつに分かれ、朝晩で男女入替となっています。上の写真は1階にある壱の湯。内風呂は小樽軟石を使用していて、まるで「蔵」の中にいるような雰囲気です。
ガラス窓の向こうには季節の移ろいを感じる小さな庭もあります。この浴室には半露天風呂やよもぎの蒸し風呂もありました。
(C)運河の宿 おたる ふる川
ちなみに泉質はナトリウム塩化物冷鉱泉。メタケイ酸も61mgで、よく温まる美肌の湯。凍える冬場にもピッタリです。
(C)運河の宿 おたる ふる川
2階にある「弐の湯」は木のぬくもりを感じさせてくれる浴室。内風呂にはドーム状の「祠の湯」が併設されています。ドーム状の内部もお風呂。薄暗い雰囲気が落ち着きました。
(C)運河の宿 おたる ふる川
また8階には貸し切り風呂もあるそうで、1回50分、料金は2,300円とのこと。予約制になっています。
クラシックでロマンチックな「おたる ふる川」
(C)Masato Abe
上の写真は「おたる ふる川」のラウンジ。「光ラウンジ」と名付けられているそうで、ランプの灯りとステンドグラスが美しいこのラウンジでは、英国製のタンノイスピーカーからクラシック音楽が流れます。またライブラリーには約1,000冊以上も蔵書があるといいます。
室内はクラシックでもありロマンチックで、恋人たちも喜びそうな雰囲気でした。
(C)Masato Abe
上の写真は玄関フロント。古い宿屋か商家の帳場を思わせます。実際には明治時代の商家の帳場を再現したんだとか。どこかなつかしい趣を積極的に取り入れているのですね。
(C)Masato Abe
そして、上の2枚の写真は2階にある湯上り処。本やゲームなども常備されていて、自由に楽しむことができます。
小樽ならではの冬のイベント
さて、この小樽で毎年2月に行われるのが、雪とろうそくの祭典「小樽雪あかりの路」。冬の北海道を代表するイベントで、宿の目の前にある小樽運河をはじめ市内の各会場に分かれて、2023年2月11日(土)から18日(土)まで開かれます。
期間中にはさまざまなイベントやフォトコンテストも行われますので、ぜひチェックしてみてください。
(C)Masato Abe
小樽運河の夜は凍てつく寒さですが、美しくライトアップされた運河が冴え冴えと輝きます。冬場は日没後から深夜24時まで。また「小樽雪あかりの路」では夕方5時からろうそくが点灯されます。
宿の外は当然氷点下であまりの寒さに凍えてしまいそうですが、宿からですと、道を横切って徒歩1分なのです。
(C)Masato Abe
ちなみに小樽運河が造られたのは大正12年(1923年)だそうです。海岸を埋め立てて造られたので、直線ではなくゆるやかに湾曲しているのが特徴。その後、一部を埋め立てて半分が道路となり、散策路が整備され昭和61年(1986年)に現在の姿となったそうです。それがいい味わいなのですね。
(C)Masato Abe
また手作り硝子の製造、販売を行っている有名な「北一硝子」も、この小樽が発祥。観光客は誰もが必ず訪れるお店で、小樽を代表するガラスブランドであり、小樽の歴史とともに成長してきました。
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小樽雪あかりの路のメイン会場のひとつである小樽運河には、古い漁具をモチーフにした浮き玉キャンドルが輝くほか、散策路がスノーキャンドルやオブジェなどで飾られ、運河やその周辺一帯がやさしいイルミネーションに包まれるとのこと。マフラーや手袋など暖かい格好でお出かけください。
小樽の海の幸山の幸をいただきました
夕食は2階にある食事処でいただきました。今夜のテーマは「冬枯れの ブラタナス揺れる ウォール街~季節の美味会席」と題した料理の数々。
(C)Masato Abe
まず先付は、北海道産の寒ちぢみホウレン草にスモークサーモンや焼椎茸、ささげ、ラデッシュなどを使ったテリーヌ。地元北海道の食材が生かされています。
(C)Masato Abe
お造りは、日高産のサメガレイに、恵庭産の虹鱒、小樽産の帆立と牡丹海老。まさに北海道ならではの味。さらに焼き物として、パン粉や粉チーズを使った日高産真鱈のトマト味噌焼、口代りとして、伊達産地鶏のつみれなどを加えた十勝産牛蒡のすり流し、そして煮物として、帯広産「夢の大地 豚」の角煮。
(C)Masato Abe
締めのご飯は、鳥にむにひじき、大豆、ニンジン、刻み生姜を加えた五目御飯に、秋刀魚のつみれ汁。ごはんが止まりません。ごちそうさまでした。
(C)Masato Abe
戸外は厳寒ですが朝風呂で体をしっかりと温めた後に朝食。北海道産の新鮮な食材を使った料理で大満足でした。もう少し小樽の冬を楽しんでから帰りましょう。
Masato Abe 還暦特派員
大学を卒業後、およそ30年間テレビ番組を作ってきました。57歳の時に、主夫となり、かつ自由人として旅に生きることを決意して早期定年退職。登山を始め、東京の街歩きガイドや温泉めぐり、豆大福探訪などなど60歳の還暦を迎えて好奇心が高まっています。
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