「この通り」「あの通り」「その他の通り」
ハリファックスの街
最初は、カナダのハリファックスにあるユニークな名前の道路から。
ハリファックスは、カナダの東部、太平洋に突き出した半島にある街で、湾岸に面した住宅街には、日本語に直訳すると「この通り」「あの通り」「その他の通り」と命名された通りがあります。
水辺だからか、基礎の高い、平入りの平屋が建ち並ぶ住宅街があって、フェンスで仕切られたその敷地内を走る道路が「This St.(この通り)」「That St.(あの通り)」「The Other St.(その他の通り)」と呼ばれているのですね。
「退屈な通り」
©︎ Tada Images / Shutterstock.com
アメリカのオレゴン州には「退屈な通り(Boring Rd.)」もあります。「退屈な通り」は、運転手の眠気を誘って、自動車事故を引き起こしてしまいそうな通りという意味ではありません。
ボーリング(Boring)=退屈とは地名です。アメリカの西海岸にあるポートランド郊外に、ウィリアム・H・ボーリング(Boring)さんという人が1870年代に、コミュニティをつくりました。
その創設者の名前(Boring)が土地の名前になり、そのボーリングを通る道路に「Boring Rd.(ボーリング通り=退屈通り)」という名称があてられたのですね。
しかも、この「ボーリング(退屈)」というコミュニティは、スコットランドにある「Dull(退屈な、鈍い、だるい)」という小さな村と提携し、お互いのまちに共通のデザインで「退屈なまちへようこそ(Welcome to Boring)」「退屈なまちへようこそ(Welcome to Dull)」という標識を掲げています。
地名に似合わず、暮らす人たちのマインドは極めてユニークで面白いみたいですね。
「フライパン横町」
画像はflickr(John Wales)より
最後は、ロンドンにある「フライパン横町(Frying Pan Alley)を紹介します。
ロンドンを流れるテムズ川には、タワーブリッジと呼ばれる有名な橋があります。そのタワーブリッジを北に向かって渡り、スピタルフィールズマーケットの方へ向かうと、その途中に「フライパン横町(Frying Pan Alley)」という狭い路地があります。
一説によると、かつてこの路地に金物屋があり、その金物屋の看板が巨大な鉄製フライパンで、通行人の頭にぶつかったり、落下して通行人にけがを負わせたりしたため、人々が「Frying Pan Alley」と呼ぶようになり、定着してしまったとの話です。
ほかにも、世界には、ユニークな通りの名前がいっぱい。暇なときは、Google Mapsなどを見ながら、世界のユニークな道路名を探す遊びも楽しいかもしれませんね。
[参考]
※ Dull, Scotland, makes Boring, Oregon, more interesting – BBC
※ It’s official: Dull road sign marks Boring link – BBC
※ How London’s Alleyways Got Their Names – LONDONIST
[Photos by Shutterstock.com]