【世界の美しい駅5選】通り過ぎてはもったいない!美術館のような旅人の交差点

Posted by: 小梅

掲載日: May 4th, 2023

日本には、東京駅や京都駅、金沢駅など、機能的かつ美しい駅がたくさん存在していますが、世界には一体どんな駅があるのでしょうか? 旅人が起点や目的地として訪れたり、通過点とする一方、生活に密着した場所でもあり、その土地の歴史を感じられるであろう“駅”。「一度は行ってみたい!」そんな気持ちになるような、世界の美しい駅5選を紹介します。

台湾・高雄「美麗島駅」
©️MartinKSK_design / Shutterstock.com
 


 

アントワープ中央駅/アントワープ(ベルギー)

アントワープ中央駅
ベルギーの北部に位置し、ブリュッセルに次いでベルギー第2の都市である「アントワープ」。この地にある美しい駅とは「アントワープ中央駅」です。地下2階、地上2階の4フロアがあり、ベルギー国内だけでなく、オランダやフランス、そしてドイツもつなぐ国際的な面も持っています。

この「アントワープ中央駅」は、ベルギー鉄道建築の傑作と称されており、ドームのような屋根に石造りの駅舎、豪華な装飾に荘厳な雰囲気と、まるで教会のよう。そのため“鉄道の大聖堂”とも言われています。

正面口から入ると、目の前には待ち合わせにも使われる広場があり、毎日たくさんの人でにぎわっています。日本のCMにも登場したことがあるこの広場は、吹き抜けの天井から差し込む日差しですら計算されたように美しく、すべてがアートのよう。どの時間に訪れてもヨーロッパらしい雰囲気を楽しむことができるでしょう。

また、駅の中にある「Le Royal Café」も必ずや訪れたいスポットです。というのも、かつては王族が待合室として使用していたスペースがカフェとなっており、室内装飾がとても豪華で華やか。「アントワープ中央駅」の美しさをじっくりと楽しむために、ぜひとも時間の余裕をもって訪れたい駅です。

アントワープ中央駅/Station Antwerpen-Centraal
住所:Koningin Astridplein 27 2018 Antwerpen

チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅/ムンバイ(インド)

チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅
デリーと並ぶインド最大の都市である「ムンバイ」。商業、金融の中心地でもあり、テレビ局や出版社、映画会社が本社を置くなど、娯楽産業も盛んな街です。この地にある美しい駅とは「チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(旧ヴィクトリア・ターミナス駅)」。なんと現役でありながら、2004年に世界文化遺産にも登録されている駅です。

この「チャトラパティ・シヴァージ・ターミナス駅」は、イギリス植民地時代に建てられたもので、イギリスの建築家フレデリック・ウィリアム・スティーヴンスにより設計されています。そのため、駅舎のデザインはヴェネツィア・ゴシック様式とインド伝統の建築様式が融合しており、ヨーロッパのお城のようでありながら、インドらしいエキゾチックな雰囲気もムンムン。

夜にはライトアップされるので、日中とは全く異なった風景が広がります。訪れたのであれば、ぜひ両パターンの駅舎見学をおすすめします!

チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅/Chhatrapati Shivaji Terminus(formerly Victoria Terminus)
住所:City of Mumbai, Maharashtra State

美麗島駅(Formosa Boulevard)/高雄(台湾)

美麗島駅・台湾(高雄)
©️Sean Pavone / Shutterstock.com

日本からも近く、グルメに温泉ショッピングと、リピーターも多い台湾。そんな台湾の美しい駅とは、まさにリピーターに人気という「高雄市」内を走る地下鉄・高雄MRTにあります。

「高雄MRT」にはレッドライン(紅線)とオレンジライン(橘線)と呼ばれる2つの路線があり、全部で37駅。その中で2路線が乗り入れる唯一の駅「美麗島駅」が台湾の美しい駅です。

最大の見どころは、駅構内の天井に広がる幻想的なステンドグラスアート「光の穹頂(The Dome of Light)」。イタリアの有名な芸術家ナルシサス・クアグリアータの作品で、完成にはなんと4年半もの歳月を費やしたのだとか。直径30m、総面積は660平方メートル。使用されたステンドグラスは4,500枚と、世界最大級のガラスアートとしても知られています。

作品は「宇宙の誕生」「成長」「栄光と破滅」を表現しており、作品の持つ力と、ステンドグラスの幻想的重な輝きにきっと圧倒されるはず。1日に3~5回「光のショー」も行われているため、乗り換えだけで通りすぎてはもったいない駅といえるでしょう。

美麗島駅/Formosa Boulevard
住所:高雄市新興区中山一路115号

サン・べント駅/ポルト(ポルトガル)

サン・べント駅
ポルトガルの北部に位置し、首都リスボンに次いで第2の湾岸都市「ポルト」。1日で全体を巡ることができるという非常にコンパクトな町ですが、まるでジブリの世界に迷い込んだかのようなカラフルな家々や、世界遺産にも認定された「ポルト歴史地区」など、観光名所があちこちに点在しています。

いわば見どころだらけの町の中で、観光スポットとしても大人気だという美しい駅とは、街の中心部に位置する「サン・べント駅」。駅を利用しない観光客までも見学のために訪れるのだとか。その人気の理由は、駅構内の壁を覆いつくすほどの「アズレージョ」。

この「アズレージョ」とは、ポルトガルの伝統的なタイルのことで、「サン・ベント駅」の壁は、約2万枚のアズレージョで彩られています。1930年にポルトガルを代表する作家ジョルジュ・コラソによって制作され、ジョアン1世のポルト入城や、セウタ攻略といったポルトガルの歴史が描かれています。白と青のシンプルな色合いでありながら作品の迫力も満点。ここが駅ということを忘れて、じっくりと見入ってしまいそうになります。

サン・べント駅/São Bento
住所:Praça Almeida Garrett 4000-069 Porto

ユニオン駅/ワシントンD.C.(アメリカ)

ワシントン・ユニオン駅
©️Andrea Izzotti / Shutterstock.com

アメリカの首都である「ワシントンD.C.」。その玄関口でもある「ユニオン駅」も美しい駅のひとつです。ちなみに、同じ名前の駅がいくつかあるため「ワシントン・ユニオン駅」とも呼ばれており、全米を走る旅客鉄道「アムトラック」や「ワシントンメトロ」といった数々の鉄道路線が乗り入れています。

「ワシントンD.C.」といえば、言わずと知れた国際都市ではありますが、巨大なターミナル駅はここだけ。東京であれば、新宿や渋谷と複数の駅があるため、なんだか意外な気がします。

駅舎は、有名な建築家ダニエル・バーナムにより設計されており、正面や外観には、ローマのコンスタンティヌスの凱旋門を思わせるような古典様式であったり、駅の中の主待合室は、ディオクレティアヌス浴場の影響を受けていたりと、外観から内装までさまざまなデザインが取り入れられています。

構内には、大手スーパーやアパレル店、フードコートに両替所や郵便局と、駅ナカの施設も充実しており、買い物やお土産探しにもぴったり。実は、さまざまな映画や小説などの舞台にもなっている有名な駅でもあり、訪れる前に一度作品をチェックしておけば、さらに楽しい旅になるでしょう。

ユニオン駅/Union Station
住所:50 Massachusetts Ave NE, Washington, DC 20002

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

小梅

小梅 ライター

芸能事務所で約15年若手芸人のマネージメントに携わり、どっぷりお笑いの世界に染まる。退職後ライターに転身。ある日ふいに見た1本の韓国映画に心奪われ、そこから韓国映画・ドラマのチェック追われる毎日を過ごす。コンビニの新商品や地方のおみやげが大好き。

芸能事務所で約15年若手芸人のマネージメントに携わり、どっぷりお笑いの世界に染まる。退職後ライターに転身。ある日ふいに見た1本の韓国映画に心奪われ、そこから韓国映画・ドラマのチェック追われる毎日を過ごす。コンビニの新商品や地方のおみやげが大好き。

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