白金青い池 ©️一般社団法人 美瑛町観光協会
湖は沼や池よりも大きい
琵琶湖 ©️(公社)びわこビジターズビューロー
「精選版 日本国語大辞典」の「湖」の項には、次のようにありました。
湖は沼や池よりも大きいということ、湖の水には淡水と塩水の2種類あることがわかります。
沼は深さ5m以内
五色沼 ©️福島県観光物産交流協会
沼は、「デジタル大辞泉」には次のように書かれていました。
ちなみに、環境省の『人工湖沼の湖沼類型指定について』という資料には、沼の定義について、このように書かれています。
なんと、湖と沼は大きさが違うということでしたが、厳密には区別されていないとのこと。
「湖」という名の池がある?
黒部湖 ©(公社)とやま観光推進機構
それでは、「池」は、湖や沼とどのように違うのでしょうか?
「精選版 日本国語大辞典」には、こう書かれています。
ところが、前出の『人工湖沼の湖沼類型指定について』には、下記のような記述があります。
先ほどの湖の定義によれば、池は湖より小さいはずでしたが、湖の中でも人工湖は池に分類されるとのこと。
たとえば、富山県の黒部ダムによって生まれた「黒部湖」は、総貯水量が約2億t。約186mの高さがあるえん堤(河川をせきとめるために築いた堤防)は日本一で、世界でも最高クラスの大きさだそうですが、それほど巨大で名前は「湖」なのに、分類としては「池」になるというのも面白いですね。
潟は湖の一種
佐潟 ©️公益社団法人 新潟県観光協会
それでは最後に「潟」について紹介します。
「デジタル大辞泉」によると、「砂州によって外海から分離されてできる海岸の湖」とのこと。つまり、潟は湖の一種なのですね。ここでも、また湖が出てきました。
新潟県新潟市の「佐潟」は、砂丘と砂丘の間のくぼ地に水がたまってできた国内最大の「砂丘湖」。多数の白鳥が訪れることで知られており、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約「ラムサール条約」に登録されています。
ちなみに、「潟」の多い新潟市が運営する「潟のデジタル博物館」というサイトでは、潟に関する知識のほか、関連スポットや潟に生息する生き物などが紹介されています。
湖、沼、池、潟の絶景もたくさんある
モネの池 ©️一般社団法人岐阜県観光連盟
こうしてみると、湖、沼、池、潟にそれぞれ定義はあるものの、その境界線は曖昧なようです。
国土交通省のサイトにも、「湖沼等の用語については,厳密に区分することは困難」と書かれています。また、「地図では,上記の区分と関係なく,その土地で実際に呼ばれている名称が記載されています」ともあり、地名と実際の区分は一致していないようです。
日本には、青色が神秘的な北海道・美瑛町の「白金青い池」や青森県・十二湖の「青池」、岐阜県関市の通称「モネの池」として有名な「名もなき池」、花火大会やアニメ映画のモデルでも知られる長野県の「諏訪湖」など、さまざまな絶景の名所があります。次の旅には、湖、沼、池、潟の絶景を訪れてみてはいかがでしょうか?
[参考]
環境省『人工湖沼の湖沼類型指定について』
2 国土の情報に関するQ&A | 国土地理院
潟のデジタル博物館
コトバンク