古来、男体山・女峰山を中心とする山岳信仰の聖地「日光の社寺」
日光東照宮
1999年に世界文化遺産に登録された 「日光の社寺」は、日光山内の二荒山神社、東照宮、輪王寺の103棟(国宝9棟、重要文化財94棟)と、これらの建造物を取り巻く遺構で構成されています。
中禅寺湖と華厳の滝
8世紀以来、日光は男体山・女峰山を中心とする山岳信仰の聖地です。山麓や中禅寺湖畔にははやくから社寺が営まれていました。
1616年に建てられた「日光東照宮」は、徳川初代将軍・徳川家康の霊廟です。1636年に大規模な造り替えが行われ、現在の規模と構造に。1653年には3代将軍・徳川家光の霊廟「大猷院」も造営されました。
二荒山神社 ©️cowardlion / Shutterstock.com
東照宮のある男体山の東麓には、山岳信仰の中心として古くから崇拝される「日光二荒山神社」、日光山の中心となる寺院として発展した「輪王寺」があります。
江戸幕府が造営したこれらの建造物は、人物・動物・植物といった彫刻が多用されているのが特徴で、漆塗や彩色、飾り金具などで飾られ、豪華絢爛です。
見どころは?
1200年以上前に、勝道上人が開いた「日光二荒山神社」は、日光山信仰の始まりとされる古社です。男体山を御神体とし、古くから信仰を集めてきました。
見どころは、「日光の社寺」の玄関口にあたる「神橋」。その美しさが絵になる木造朱塗りの橋で、1636年に現在の朱色になりました。その後、洪水により流されてしまいましたが、1904年に再建。四季折々の景観を楽しめる人気の観光スポットに。特に紅葉と神橋のコラボは最高です。
日光二荒山神社の本殿と拝殿もチェックを。日光山内で最古の建造物とされる本殿は、八棟造りで創建当時の様式を今に伝えます。鮮やかで優美な佇まいに圧倒されますよ。
「日光東照宮」はそのすべてが見どころといっても過言ではありません。境内に入ると、空気が一変。荘厳な雰囲気が漂っています。まずじっくりと鑑賞したいのが、1618年に造営された「石鳥居」。15個の石材で造られていて、笠木と島木の中を空洞とするなど地震対策も施されています。
東西廻廊 ©️Rick Siu / Shutterstock.com
「東西透塀」「東西廻廊」も目を引くポイント。東西透塀の中央には、特異な枠どりの中に花狭間格子が配され、欄間は鳥や花などの彫刻で彩られています。東西廻廊は、花鳥の大彫刻で飾られ、極彩色があしらわれていて見事です。
また、「陽明門」は日光で最も有名な建築。彫刻などの建築装飾が際立っているのです。細部に至るまで意匠に凝っていて、いつまでも眺めていたくなりますよ。
766年に勝道上人により開山された「輪王寺」。ぜひ見学したいのは、東日本で最も大きな木造の建造物である「本堂(三仏堂)」。全国でも珍しい天台密教形式のこのお堂の前には、推定樹齢500年といわれる「金剛桜」もあります。
徳川家光の霊廟である「大猷院」も煌びやか。細部まで構造、意匠、技巧に優れた技術が見られます。金と黒を基調とした重厚な佇まいで、315基の灯籠も印象的です。
日光二荒山神社・日光東照宮・輪王寺への行き方
今回、見どころとしてご紹介した3カ所への行き方は下記の通りです。
日光二荒山神社
JR・東武「日光駅」から東武バス日光「中禅寺温泉」または「湯元温泉」行き乗車約7分、「西参道」下車徒歩約7分
※土日祝は世界遺産めぐりバスのルートが変更になりますので、予めご確認ください。
住所:栃木県日光市山内2307
電話:0288-54-0535
拝観時間:8:00~17:00(4月~10月)、9:00~16:00(11月~3月) ※各期間とも受付は閉門30分前に終了
拝観料:300円(本社神苑入園料)
公式サイト:http://www.futarasan.jp/
日光東照宮
JR・東武「日光駅」から東武バス日光に乗車、「中禅寺温泉」または「湯元温泉」行きで約5分「神橋」下車徒歩約8分。またはバスで約8分「表参道」下車徒歩約2分
住所:栃木県日光市山内2301
電話:0288-54-0560
拝観時間:9:00~17:00(4月~10月)、9:00~16:00(11月~3月) ※各期間とも受付は閉門30分前に終了
拝観料:大人・高校生1,300円、小・中学生450円
公式サイト:https://www.toshogu.jp/
輪王寺
JR・東武「日光駅」から東武バス「中禅寺温泉」または「湯元温泉」行き乗車約7分、「勝道上人像前」下車すぐ
住所:栃木県日光市山内2300
電話:0288-54-0531
拝観時間:8:00~17:00(4月~10月)、8:00~16:00(11月~3月) ※各期間とも受付は閉門30分前に終了
拝観料:大人400円、小・中学生200円(三仏堂)、大人900円、小・中学生400円(三仏堂&大猷院)
公式サイト:https://www.rinnoji.or.jp/
鬼怒川渓谷沿いに旅館やホテルが立ち並ぶ、関東の奥座敷「鬼怒川温泉」
江戸時代に発見された当時は、日光詣の僧侶や大名のみが入浴することを許されたという由緒正しき「鬼怒川温泉」。明治以降は関東の奥座敷として多くの観光客が訪れています。鬼怒川渓谷沿いには、旅館やホテルが立ち並び、日帰り入浴も可能です。
泉質はアルカリ性単純温泉で、無味無臭で入浴しやすく、肌に優しいのが特徴。癒やしのひとときを過ごすことができますよ。
日光を訪れたら味わいたいのが、古来から親しまれている「ゆば(湯波)」です。豆乳を煮たときにできる薄い膜を引き上げたものがゆばで、日光ゆばは二枚仕上げで、間に豆乳が残されています。わさびや醤油、ポン酢をつけて味わう生ゆばや、ゆばをのせたそばなど、多彩なゆば料理を堪能できますよ。
住所:栃木県日光市鬼怒川温泉大原
電話:0288-22-1525(日光市観光協会)
交通アクセス:東武「鬼怒川温泉駅」下車
公式サイト:http://www.nikko-kankou.org/spot/51/
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