【海外の反応】ジブリ作品「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」日本語オリジナル版との違いは?

Posted by: 梅山富美子

掲載日: Feb 5th, 2024

日本が誇るスタジオジブリのアニメーション映画「天空の城ラピュタ」(1986)、「となりのトトロ」(1988)が、2024年1月にオーストラリア・メルボルンの映画館で上映されました。観客の反応はいかに……? 現地で鑑賞した様子を紹介します。

シータ 飛行石 © 1986 Studio Ghibli

夏休みの子ども向けに上映

 ネコバスも人気でした © 1988 Studio Ghibli

上映されたのは、メルボルンの「ACMI(オーストラリア映像博物館)」内にあるシアター。1月はオーストラリアの夏休みにあたり、子ども向けのプログラムとして「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」などが3日ずつ上映されました。

平日13時30分からの上映にもかかわらず、168席あるシアターは「天空の城ラピュタ」が7〜8割、「となりのトトロ」が8〜9割の座席が埋まる人気ぶり。実は、オーストラリアではNetflixでスタジオジブリ作品が視聴できます。それでも、大きなスクリーンで鑑賞する価値のある作品だと多くの人が足を運んだのです。

スクリーン内は、子ども連れの親子などで大賑わい。子どもたちはNetflixでスタジオジブリ作品に触れたことがあるのか、「天空の城ラピュタ」の上映回では、キツネリスのシーン(「風の谷のナウシカ」にも登場)に子どもたちが「I Know!(知ってる!)」と反応していました。

笑いに満ちた劇場 涙する人も

このシーンで大きな笑いが起こりました © 1986 Studio Ghibli
ドーラ一家 © 1986 Studio Ghibli

「天空の城ラピュタ」では、パズーがシータのまねをして飛行に挑戦するも失敗するシーンや、ドーラ一家の長男と親方の筋肉対決、ドーラ一家のやり取りなどコミカルな場面で観客は大笑い。

バルス © 1986 Studio Ghibli

後半は、シリアスな展開と「バルス」からのラピュタの崩壊に、声にならない声を漏らす人も。ラストシーンでは、前の席の10〜20代と思われる二人組が涙を拭う姿を目撃しちゃいました。

メイ トトロに出会うシーン © 1988 Studio Ghibli

「となりのトトロ」の上映回では、以前に観たことがあるのか、メイがトトロと初めて出会うシーンの前から「トトロ」「トトロ」と子どもたちは大興奮。表情豊かなサツキやメイ、まっくろくろすけ、トトロ、ネコバスに声を上げて喜び、シアター内は終始あたたかい雰囲気に包まれてほっこりしました。

「となりのトトロ」の舞台は昭和30年代の日本ですが、日本から遠く離れたオーストラリアの地でもメイとサツキ、トトロの物語が多くの人の心に響いているようです。

 ネコバス © 1988 Studio Ghibli

日本語オリジナル版との違いは?

「天空の城ラピュタ」より © 1986 Studio Ghibli

2作品とも英語吹き替え版の上映だったのですが、日本語オリジナル版との違いも。「天空の城ラピュタ」でパズーの発音が「パーズゥー」と若干違ったのです。

トトロに子どもたちが大興奮! © 1988 Studio Ghibli

さらに、「となりのトトロ」では、メイがサツキを「おねーちゃん」と呼ぶ代わりに「サツキ」と名前を呼び捨て。何度も観たはずのジブリ作品が新鮮に感じました。

ちなみに、本編が終わりエンドロールが始まるとすぐにシアターの明かりが付き(海外の映画館あるある)、「君をのせて」「となりのトトロ」の曲を最後まで聞かずに劇場を去る人がほとんどという寂しい結果に(私は意地でも最後まで立ちませんでした)。

ムスカ © 1986 Studio Ghibli
なお、英語版のムスカ大佐の声優を務めたのは、「スター・ウォーズ」シリーズのルーク・スカイウォーカー役で知られるマーク・ハミルだったのですが、エンドロールで席を立たなかった人が、マーク・ハミルの名前に気づき、「Oh(オゥ)」と驚いていました。

チケットは良心的

ACMIの外観

なお、2作品のチケット代は9オーストラリア・ドル(約870円:2024年2月のレートで算出)。物価高騰が続くオーストラリアの映画の大人料金は一人約24ドル(2,320円)なので、特別プログラムとはいえ、かなり良心的なお値段でした。

 

ACMI(オーストラリア映像博物館)
住所:Federation Square, Flinders St, Melbourne VIC 3000
営業時間:10:00〜17:00(映画館のみオープン時間以外も空いている可能性あり)

 


 

PROFILE

梅山富美子

Fumiko Umeyama ライター

ライター。1992年生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業後、映像制作会社(プロダクション・マネージャー)を経験。映画情報サイト「シネマトゥデイ」元編集部。映画、海外ドラマ、洋楽(特に80年代)をこよなく愛し、韓ドラは2020年以降どハマり。

ライター。1992年生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業後、映像制作会社(プロダクション・マネージャー)を経験。映画情報サイト「シネマトゥデイ」元編集部。映画、海外ドラマ、洋楽(特に80年代)をこよなく愛し、韓ドラは2020年以降どハマり。

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