ジャルパック「旅アカデミー」って何?どんなツアー?
旅アカデミーは、旅先でのさまざまな「学び」を目的にした旅のプラットフォーム。対面やオンラインでのセミナーと、現地でのフィールドワークを組み合わせたプログラムを通じて、健康や自然、日常を豊かにする学びから仕事に役立つスキルまで、多種多彩なテーマを学べる「旅するスクール」です。
今回の実証実験では、2024年1月~2月の2ヵ月間にわたって、沖縄県/宮古島・香川県/三豊市・鹿児島県/屋久島の計3ヵ所で開催。いずれも現地で暮らす人たちとの関係づくりや、自然との“つながり”を深く感じられる、観光ツアーとはまったく異なる内容になっていました。
[屋久島 山と海の流域を繋ぐリジェネラティブクラス]に参加
筆者が参加したのは、2泊3日の「 [自然を学ぶ] 屋久島 山と海の流域を繋ぐリジェネラティブクラス」。リジェネラティブ(サスティナブルをより進化させた考えとして)がコンセプトのプログラムで、“縄文杉を生み出している生態系”や“大地と海をつないでいる仕組み”などについて学ぶことができるツアーです。
ポイントは、机の上で学んだ教科書の中身を、島の森や川、海辺を歩き、フィールドワークとしてとして五感で知識を得たり深められたりすること。
余談ですが、屋久島への情熱はありつつも、上陸は今回が初めての筆者。どんな旅になるのか、旅への参加が決まった日からドキドキワクワクしていました。
鹿児島県の離島・屋久島はどんなところ?
1993年、日本初の世界自然遺産に登録された鹿児島県の離島・屋久島。大隈半島から約60km南に浮かび、巨大な花崗岩からなる島です。島の約90%はさまざまな動植物が生息する森林で覆われ、豊かな緑と透明度の高い美しい海が広がっています。有名なのは、樹齢7200年を越える縄文杉や苔むす岩、清流が流れる緑の深い森、ウミガメの産卵地「永田いなか浜」など。一度は訪れたいと思っている人も多いはず。
東京(羽田)から屋久島へのアクセスは?
東京(羽田)から屋久島へはいくつか行き方がありますが、今回は鹿児島空港を経由。おおよそ3時間で到着しました。
※ツアーへの申し込みが完了した時点で往復航空券の予約も完了しています。
「旅アカデミー」がおすすめな理由
現地(移住者)のリアルを聞ける
「屋久島 山と海の流域を繋ぐリジェネラティブクラス」では、ナビゲーターとして、「モスオーシャンハウス」のメンバーが参加。屋久島に魅せられ、この地に移り住んで20年以上の代表・今村さんを筆頭に、メンバーのほとんどが移住者だそう。
「モスオーシャンハウス」メンバーとの出会い
「モスオーシャンハウス」は、屋久島の土地で20年以上ネイチャープログラムを開催してきたツアーカンパニー。ただの観光ガイドではなく、山から海まで流域単位での地域循環により屋久島の自然が守られている理由から、自然と共生する建物をつくることなど、暮らしの提案までを教えてくれる「リジェネラティブプログラム」には、多くのリピーターが集まっています。
2泊3日ほぼほぼ行動を共にした「モスオーシャンハウス」のメンバーに、移住に至った理由や家探し、仕事探し、暮らし、子育て、今感じていることなどについて、生の声を自分の耳で聞くことができました。この機会は、将来屋久島への移住を考えている人にとって、ものすごく貴重なものでしょう。
自然についての理解が深まる
フィールドワークは、数千年の時を生きる屋久杉や美しい渓谷の広がる森「ヤクスギランド」や、島の南東部にある「モスオーシャンハウス」周辺の海岸や川で行われました。
「ヤクスギランド」では、雨が葉に落ち、川や植物の栄養となるリアルな瞬間をキャッチ。苔の強さや素晴らしさ、森にあるすべてにそれぞれの役割があることを教わりました。
フィールドワークで学んだ豊かな自然を育む(育まれる)キーワードは、水の循環。海から空へ、空から地上へ、川から海へ、そしてまた海へ……。
「ヤクスギランド」でやがて海となる水の源流域を見た後、大きな川や今にも途切れそうな土の上の小さな水の流れを見て、そして海岸へ。そうすることで水が循環している様子をよりリアルに捉えることができました。
雨に打たれながら、童心にかえりながらのワークに、大人たちは大興奮!
屋久島の素材を贅沢にいただける
島民が振舞ってくれるパーフェクトな手料理
旅の楽しみはいろいろあれど、絶対に欠かせないのが食事ですよね。「旅アカデミー」のツアーでは、現地の食材をふんだんに使用した、栄養も彩りも愛情も満点の料理をいただくことができました。
主に夕食を作ってくれたのは、「モスオーシャンハウス」のメンバー。普段は「モスオーシャンハウス」主催のツアー以外では振舞っていないらしく、屋久島に住む人が屋久島の食材で作った素晴らしい手料理をいただける貴重な機会です。
味、香り、バランス、彩りetc. 何をとってもお店レベルのパーフェクトな料理を通して、体に栄養が染みわたります。
満月の日の海水で作られた塩
筆者が一番印象に残っている食材は、まさかの塩。今回の料理に使用された塩は、2023年12月の満月の日にとった海水をろ過して作られたもの。「満月の日の塩」ってそれだけでもう神秘的ですよね。
ちなみに一年の中で最もおいしい塩のシーズンは春。3月4月は山の上の雪が溶け、森や川を通して海に流れ出る時期。そんな時期の満月の日にとった海水から作った塩は、他の時期の塩と旨味がまったく異なるそうです。
シェアリングを通して自分を見つめられる
ツアー中は、毎日最後にシェアリングの時間が設けられています。「旅アカデミー」でのシェアリングは、フィールドワークなどを通して自分が感じたことなどをざっくばらんに伝える場です。
自分の感じたことを言葉にする時間は、日常生活の中ではあるようでないもの。はじめは照れ臭いものの、声に出しポツポツと語り出してみると、伝えたいことや言いたいことが溢れて止まりませんでした。また、同じ時間を共有した他の参加者の思いも聞くことで、自分になかった考えや価値観に触れ、新たな発見も。シェアリングを通して自分を見つめ直せる素敵な時間でした。
JALのツアーだから何かと安心
実は最終日は東京に雪が積もった日。本来のフライトでは帰れないかもしれないと思った時には、JAL側で航空券の変更がなされ、それに伴うもろもろの変更もされていました。今回ジャルパックの方が添乗員としてツアーに同行していたこともあり、何かトラブルが起きる前に的確に対処されていたのが印象に残りました。
旅にハプニングはつきものですが、「JALだから、ジャルパックだから」と安心できるのは精神衛生上とてもよいことですよね。
結論:移住したい人や、深い部分からその土地のことを知りたい人におすすめ
屋久島での「旅アカデミー」に参加してみた感想は、観光ではきっと知り得ない、屋久島の環境や生活など深い部分、リアルな部分からその土地のことを知れたということ。まるで大人の社会科見学でした! 将来屋久島に移住をしたい人、美しい景色をただ見るだけでなく、その景色がどんな人々や環境によって守られているのかを知りたい人などにおすすめのツアーです。
[屋久島 山と海の流域を繋ぐリジェネラティブクラス]を通して学んだことは、日常生活に通することがたくさん。自宅に帰ってからも思うことがいろいろあった、学びのある2泊3日でした。
2024年度の「旅アカデミー」に注目を!
2023年度コースの申込受付はすでに終了していますが、2024年度は本格始動としてこれからコースが発表される予定。興味を持った人はぜひ「旅アカデミー」に参加して、学びある旅を堪能してはいかがでしょうか。
JAL「旅アカデミー」詳細:https://www.jal.co.jp/jp/ja/tour/jal-academy/