【小江戸の風情を楽しむ川越観光】浴衣でおしゃれして菓子屋横丁を食べ歩き

Posted by: 大林 等

掲載日: May 26th, 2024

小江戸の別称で呼ばれることもある、埼玉県川越市。市内には歴史的な建造物が数多く残され、豊かな表情を作り上げています。市街地中心のメインストリート沿いには、重厚な蔵づくりの建物が建ち並び、歴史を感じる観光が楽しめるでしょう。この通りから細い路地を入ると、そこは親しみやすい菓子屋が軒を連ねる「菓子屋横丁」です。レトロな雰囲気で包まれる横丁を浴衣姿で懐かしいお菓子の食べ歩きをすれば、童心に帰ることができることでしょう。うなぎランチのおすすめ店も紹介します。

菓子屋横丁

江戸っ子好みの気取らない駄菓子を作る職人が集う「菓子屋横丁」

菓子屋横丁

「菓子屋横丁」の歴史は江戸時代にまで遡ることができるようです。養寿院の門前町に数人の菓子職人が集まり、江戸っ子好みの気取らない駄菓子を製造販売したことが起源と伝わっています。1923年の関東大震災後には壊滅的な被害を受けた東京に代わり、「菓子屋横丁」が全国各地に駄菓子を送り届ける拠点となったようです。昭和時代の初期に最盛期を迎え、約70軒の店舗が横丁にひしめきあっていました。現在では30前後の菓子屋が軒を連ね、ノスタルジックな街並みを作り上げています。

「菓子屋横丁」の玄関の役割を果たす「江戸屋」

「江戸屋」の店先

「菓子屋横丁」の北の入口に店舗を構えるのは「江戸屋」です。高澤通りに向かって掲示される「ここより菓子屋横丁」が横丁の玄関の役割を担っています。

「江戸屋」の店先に掲示される「菓子屋横丁」のマップ

店先のマップは、格好の「菓子屋横丁」散策の道しるべとなることでしょう。

「江戸屋」の店内

「菓子屋横丁」の玄関の役割を果たす「江戸屋」の店内には、昔懐かしい駄菓子をはじめ、ベーゴマなどのおもちゃ、雑貨がぎっしり並んでいます。

【江戸屋】
住所:埼玉県川越市元町2-7-1
営業時間:9:30~18:00
電話番号:049-223-0602

ガラス超しに飴作り職人の匠の技が観察できる「玉力製菓」

玉力製菓

「菓子屋横丁」の中央エリアには約100mの石畳の道が整備されています。この通り沿いに老舗の菓子屋が、隙間を空けることなく隣り合わせで建ち並びます。「玉力製菓」は1914年創業の飴店で、4代にわたって手作り飴の伝統を守り続けているのです。

玉力製菓

店先には鮮やかな彩りで季節の花をあしらった組飴をはじめとして、ニッキ、ゴマ飴などバラエティ豊富な飴を販売しています。種類ごとにざるに分けて並べられる絵柄には、懐かしさが感じられることでしょう。

玉力製菓

奥のガラス越しには飴作りの作業場が見え、世代を超えて受け継がれた匠の技を観察することができます。

【玉力製菓】
住所:埼玉県川越市元町2-7-7
営業時間:10:00~17:00
電話番号:049-222-1386

川越市景観百選の一つに数えられる「菓匠かとう」の切妻造りの店構え

菓匠かとう

「玉力製菓」のほぼ正面に店舗を構える「菓匠かとう」も、大正時代の初期から営業を続けています。切妻造りの建物は、川越市景観百選に選定されています。

菓匠かとう

開店当初から羊かんの手作りをはじめ、アンコ玉、すあま餅、団子、饅頭などの和菓子の種類を充実させました。川越市民からは、長年にわたって「あんこのかとう」の愛称で親しまれているようです。

【菓匠かとう】
住所:埼玉県川越市元町2-11-3
営業時間:10:00~17:00
電話番号:049-222-0920

川越土産の定番は「松陸製菓」の「日本一なが~い黒糖ふ菓子」

松陸製菓

「菓子屋横丁」の長い歴史を色濃くにじませるのは「松陸製菓」です。江戸時代の寛政年間1795年の創業に驚かされることでしょう。横丁のほぼ中央で、風格に満ちた看板を掲げています。

「松陸製菓」の「日本一なが~い黒糖ふ菓子」

「松陸製菓」では、職人が手作りした生いちご飴、生ぶどう飴が根強い人気菓子となっています。それにも増して好評なのですが、「元祖 日本一なが~い黒糖ふ菓子」です。今や川越土産の定番として定着しています。市内のいたるところで、長い箱や袋を抱えて歩く観光客の姿をよく見かけるようです。長さは80cmと95cmの2サイズで、95cmの方には沖縄産の糖蜜黒糖が使われ、濃厚な味わいをもっています。2024年5月の価格は各々500円、650円です。

【松陸製菓】
住所:埼玉県川越市元町2-11−6
営業時間:9:00~19:00
電話番号:049-222-1577

人気を二分する「小江戸茶屋」の長いふ菓子の「大黒棒」

小江戸茶屋

川越市では長い和菓子を土産としたくなるのでしょうか。「小江戸茶屋」の「大黒棒」は、「松陸製菓」の「元祖 日本一なが~い黒糖ふ菓子」と人気を二分しているようです。「小江戸茶屋」の歴史は、明治時代の1885年まで遡ります。「森徳」の屋号で営業を開始しました。現在は「松陸製菓」の正面に店舗を構えています。

「小江戸茶屋」の「大黒棒」

「小江戸茶屋」は、創業当初から種類豊富な菓子を手作りし、打ち物の他、おこし、飴、焼き物、流しものなどのバラエティをそろえています。その中でも「大黒棒」は85cmのふ菓子で、長さの点では日本一の座を逃してはいますが、人気の面では双璧の存在となっているのです。2024年5月は、袋入り300円、箱入り400円で販売しています。

【小江戸茶屋】
住所:埼玉県川越市元町2-7-6
営業時間:10:30~16:30
電話番号:049-222-0172

駄菓子のデパートのような「稲葉屋本舗」

稲葉屋本舗

「小江戸茶屋」の北の「稲葉屋本舗」は、まるで駄菓子のデパートのようです。1938年に創業はじまり、いもどうなつ、ようかん、まんじゅう、くずゆなど10種類近くの菓子を手作りしています。

稲葉屋本舗

「稲葉屋本舗」の店内には、ありとあらゆる種類の駄菓子が、縦長の棚にずらりと並んでいます。あまりにも種類が豊富なので、何度も棚の前を往復してしまいそうです。

【稲葉屋本舗】
住所:埼玉県川越市元町2-7-6
営業時間:9:00~19:00
電話番号:049-222-2513

「うなっ子」の「いも重」は、うなぎとさつまいもがコラボ

うなっ子

「菓子屋横丁」の最大の楽しみは、買ったお菓子を食べながら歩くことですが、菓子店に混じって数軒の飲食店も。川越市内には、数多くのうなぎ店が味を競っています。「菓子屋横丁」の南の「うなっ子」は、市内でも屈指の名店です。

「うなっ子」の「いも重」

「うなっ子」の看板メニューは「いも重」です。一般的な「うな重」はご飯の上に、うなぎがのっかっているのですが、「いも重」のうなぎの下には、いもご飯が盛りつけられています。さつまいもの甘味がほどよく、うなぎの味を引き立ててくれるようです。

【うなっ子】
住所:埼玉県川越市元町2-10-6
営業時間:11:00~売り切れまで(夜は予約のみ)
TEL:049-228-0567
公式ホームページ:https://www.kawagoe.com/imozen/unakko.html
<主なメニュー>
上いも重:3,300 円
いも重:2,500円(写真参考)
特得うな重:5,700円
特上うな重:4,300円
上うな重:3,300円
うな重:2,500円

食べ歩きにもってこいの「菓子屋横丁」

川越市の「菓子屋横丁」には約30の老舗菓子屋が軒を連ねています。横丁に集う職人は昔ながらの伝統の製法を守り続けながら菓子を手作りしているのです。石畳みの通りにはノスタルジックな雰囲気が漂い、食べ歩きにはもってこいでしょう。「菓子屋横丁」にはノスタルジックで甘い香りが漂い、2001年に環境省の「かおり風景100選」に選定されました。

【菓子屋横丁】
住所:埼玉県川越市元町2丁目
「小江戸川越観光協会」公式サイト:https://koedo.or.jp/spot_003/

 
[All Photos by Hitoshi Obayashi]
 


 

PROFILE

大林 等

Hitoshi Obayashi ライター

2012年より数々のWebサイト、雑誌、書籍のメディアにおいてトラベルライターとして活動しております。国内では47の都道府県に全て訪問し、海外の渡航国は67カ国に達しました。この経験をもとに、日本全国、世界各国にあふれるユニークな特徴や魅力をご紹介して参ります。

2012年より数々のWebサイト、雑誌、書籍のメディアにおいてトラベルライターとして活動しております。国内では47の都道府県に全て訪問し、海外の渡航国は67カ国に達しました。この経験をもとに、日本全国、世界各国にあふれるユニークな特徴や魅力をご紹介して参ります。

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