世界各地に就航する「中国東方航空」
筆者が中国東方航空を利用したのは、HISが催行する南イタリアツアーへ参加したとき。目的地のローマへは、羽田から上海へ飛び、トランジットを挟んで向かうというルートでした。
当航空会社は上海に拠点を置いており、世界各地へアクセスする場合はいちど上海を経由してから向かうことがほとんどです。
ベストな乗り換え時間が快適
ローマへ向かう際、トランジットでの待ち時間は往路と復路ともに2時間前後。急ぐことも待ち過ぎることもないベストなスケジュールで、とても気分よく過ごせました。
羽田空港で搭乗手続きを済ませてしまえば、上海では荷物を引き取る必要は無く、お土産などを物色することもできます。
ツアー参加者の間でも話題になった充実の機内食
中国東方航空を利用したツアー参加者一行の間で、最も話題になったのが充実した機内食。
肉がたっぷりと入ったメイン料理のほかに、サラダ、果物、デザート、加えて温かいロールパンも配られ、マーガリンを塗って食べればボリュームのあるセット料理のよう。
ちょっとしたピーナッツの小袋も付いており、飛行中に小腹が空いてもつまむことができてよかったです。
筆者が搭乗した路線での機内食の提供回数は、往路の上海⇒ローマ間で到着前の軽食を含めて3回、復路で2回。長時間のフライトでも空腹を感じることなく、過ごすことができます。
往路の3回目はあまりお目にかかれない、サバのような魚系のペーストを塗ったロールパンと飲み物も。味はともかくとしても満足感は十分!
ちなみにドリンクの選択肢も豊富で、コーラ類を含め、シュウィップスの炭酸水、アップル・オレンジ・パイナップルのジュースといったソフトドリンク。
ビールやワインなどのアルコール類も搭載されており、優雅にお酒を嗜むこともできます。夜間の機内で客室乗務員が定期的に水を配るなどのうれしい配慮もありました。
丁寧な客室乗務員のサービス
中国のエアラインと聞くと、不愛想な客室乗務員というイメージを持つ人が多いかもしれません。実際にひと昔前はそうでしたが、今回の中国東方航空の乗務員は笑顔で、とても丁寧なサービスが行き届いていました。
たった一回の応対の印象次第で、航空会社のイメージは大きく左右されるもの。しっかりとしたサービスが徹底されているという点はとても好印象です。
飛行中の過ごし方
機内エンターテインメント(IFE)は、英語と中国語のみ。日本語をはじめほかの言語の用意はなかったので、ツアー参加者のほとんどは利用しなかったとのこと。
また、Wi-Fiこそは有効であるものの全区間で利用できなかったので、事前にスマホやタブレットなどでダウンロードしておくのがいいかもしれません。
長時間のフライトでも快適な座席
上海からローマへの往復フライトに使われた「エアバスA350-900」は新しい機材で、清潔感があります。座席のヘッドレストの両側が前方に倒せる仕様になっているため、ネックピローが無くても頭頂部が固定されて楽な姿勢が取れました。
ブランケットと柔らかい枕が一つずつ座席に用意されており、睡眠時も快適に過ごすことができます。ブランケットはビニールに包装されているので、清潔なのは高得点でした。
清潔な状態をキープするトイレ
長時間フライトにおいて、大切なのがトイレの清潔さです。手洗いの設備は、エアバスやボーイングへ納入する航空機装備品メーカーのものですので、さほど違いはありません。つまり、どのように清潔に保つのかが各エアラインの力量になるわけです。
中国東方航空では、「竹西堂・洗手液」と書かれたロゴ入り小さなボトルの液体石鹼が備えられているほか、一通り見渡した感じでは十分に清潔でした。
実際に、フライト中には男性客室乗務員が清掃の為に個室に入る姿を複数回目にしており、長時間の飛行中もしっかり清潔になるように保たれていることがわかりました。また、個室内の手すりに飛行機の形をした紙が挟まれており、疲労がたまりやすいフライト中に少し和みました。
ヨーロッパへ迅速にアクセスできる航路
中国東方航空など中国系のエアラインは「評判が良くない」という印象を持たれることもありますが、欧州行きの場合、ツアー料金が抑えられる点が大きなメリットです。
また中国系のエアラインはロシア上空を通過できるため、日系を含め他社の経由便フライトに比べて飛行時間を短縮することができ、おおよそ中東系のエアラインよりも5~6時間は節約できます。
一度は利用してみたいエアライン「中国東方航空」
いかがでしたでしょうか? 上記で紹介してきたことを踏まえた上で、料金や経由地の利便性を考慮すると、当航空会社は「意外にあり」と感じました。
今回は添乗員も入れて総勢18名のツアーでしたが、手荷物のトラブルも無く、安心かつ快適でヨーロッパ旅行の選択肢として検討してみる価値があると思います。
辛口な口コミもあり思い込みが先に立つ場合が多く見受けられるようにも思いますが、実際に利用してみると、コストパフォーマンスに優れた不満の少ないエアラインだということを体感できるはずです。
[Photo by 北島幸司]