東北三大祭りはハシゴできる!
- 青森ねぶた祭り(8月2日~7日)
- 秋田竿燈(かんとう)まつり(8月3日~6日)
- 仙台七夕まつり(8月6日~8日)
※日程は2025年の場合
実はこの3つ、日程がうまくずれており、2日~3日で“祭りハシゴ”ができるってご存じでしょうか? しかも東北新幹線を活用すれば、お得にハシゴでき、かつ移動も楽なんです! この記事では、2日間で2つの祭りを巡るモデルコースと、プラス1日で三大祭りすべてを制覇する“夢の旅プラン”をご紹介します!
【DAY1|8月6日】青森へ!文化・グルメ・ねぶたに酔いしれる
朝:東京から青森へ、夏の冒険スタート!
東北旅のスタートは、朝イチの新幹線で。東京駅から新青森駅まで約3時間。東北新幹線「はやぶさ」を使えば、乗り換えなしでラクラク到着できます。実はここでハシゴ旅をするために、お得な技があります。それは「乗車券の途中下車制度」です!
実は、JRの「乗車券」は有効期間内なら途中下車OK。たとえば、「東京→仙台→青森」のようなルートで買えば、仙台で途中下車してから青森に向かう…なんて使い方も可能なのです。うまく使えば交通費を節約しながら、自由度の高い移動が可能になります。
そして新幹線などの特急券は区間ごとに買えばOK! (東京→青森間は4日間有効のため、仙台で宿泊し、翌日青森へ……も可能。今回は短い期間で旅する場合のプラン提案です!)
昼:青森の文化とグルメを満喫
新幹線での青森の玄関口・新青森駅に到着。ねぶた祭は新青森駅から車で10分、バスで30分、本数は少ないですが電車で10分ほどの会場で行われます。
そこへ行く前に、新青森駅からアクセス抜群の、青森の文化に触れる観光を楽しむのがおすすめです。おすすめは以下の2つ。
- 青森県立美術館
- 三内丸山遺跡
白を基調とした美しい建物が印象的な現代美術館。奈良美智による巨大な犬のオブジェ「あおもり犬」は、フォトスポットとしても人気です。青森ゆかりの棟方志功をはじめ国内外の現代作家による展示も多く、ねぶたとはまた異なる刺激を与えてくれます。
青森の縄文文化を体験できる史跡。竪穴住居や高床式倉庫などの再現建築を実際に歩いて見ることができ、1万年以上前の人々の暮らしがリアルに感じられます。
どちらも近い位置にあるので、頑張れば両方訪問も可能ですが、ねぶた祭りを堪能するには時間的に1つが現実的です。また、2つの観光地から青森駅へのバスも走っているので、ここから青森駅に向かうこともできます。
所在地 〒038-0021 青森県青森市安田近野185
営業時間 9:30 – 17:00(入館は16:30まで)
休館日 毎月第2、第4月曜日 (この日が祝日の場合は、その翌日)年末年始 ※展示替え等による休館日あり
https://www.aomori-museum.jp
青森駅に着いたら、まずは腹ごしらえ。地元グルメの定番といえば、やっぱり「のっけ丼体験(青森魚菜センター)」です。これは、専用ののっけ丼食事券(12枚つづり2,200円/1枚券190円)を購入し、好きな具材をチケットと引き換えて自分だけの海鮮丼を作るという人気の食体験。ウニ、マグロ、ホタテなど、青森ならではの海の幸を贅沢に味わえます。本当は早めの時間帯の訪問がおすすめ。
新鮮な具材が豊富にそろっているうちに訪れるのがベストです。しかし、筆者は上記の観光との兼ね合いで16時頃に訪問。ギリギリセーフで堪能できました。ねぶた祭りも満喫したい場合、観光とグルメの“時間の戦い”になりますが、青森駅に着いたら真っ先に立ち寄りたいスポットです。
所在地 〒030-0862 青森県青森市古川1丁目11−16
JR青森駅正面出口より徒歩約5分
営業時間 7:00~16:00
定休日 火曜日 ※GW・8月ねぶた祭り開催期間・お盆・年末年始は定休日が変更になる場合あり
https://nokkedon.jp
夜:感動のねぶた祭りを間近で体感!
そして夜にかけて、いよいよ「ねぶた祭り」本番! 巨大な灯りの山車「ねぶた」が夜空を彩り、「ラッセラー、ラッセラー」の掛け声と共に跳人(はねと)が街を踊り歩く姿は圧巻。国内外から観光客が押し寄せる理由も納得です。
青森ねぶた祭りの主役は、何と言っても巨大な灯りの山車「ねぶた」。高さ5m、横幅9mにも及ぶ精巧な大型ねぶたを間近に見たら圧倒されること間違いなし。大型ねぶたは、2025年の場合、8月4日~6日に運行されます。
観覧は、有料観覧席(事前予約)があればベターですが、チケットがない人も安心してください! 無料で路上観覧も可能です! 誰でもねぶたの運行ルートに沿ったところで見ることができます。もし無料観覧をする場合、できれば開始1時間前には場所取りをするのがおすすめ。駅から近いところより、少し離れた交差点付近が穴場です。
一方で筆者は有料観覧席で見ていたものの、角での曲がるターンが見たいと思い、路上へ移動。そんな風に移動しながら見るのも楽しいかもしれません。
- 朗報!チケットは7月19日のAM10時から再販になります!
他にも、ねぶたが運行する前の待機場所である青い海公園には、祭りで登場するねぶたたちがずらっと並び圧巻なので、お祭り前にこちらへ訪れることもおすすめです。
〒030-0803 青森県青森市安方2丁目1
宿泊:浅虫温泉で癒やしの一夜を
祭りの興奮を余韻に、宿泊は浅虫温泉へ。青森駅から電車で約30分。海沿いの情緒ある温泉街です。実は、青森駅周辺の宿はねぶた祭りで値段が高騰、そして7月から予約しようとすると満室がほとんど。
だからこそ、浅虫温泉は穴場の宿泊地としておすすめです。祭り後の疲れをじんわりと癒やしてくれます。宿によっては朝食に「ほたての味噌貝焼き」など郷土料理が並ぶことも。
営業時間 〒039-3501 青森県青森市浅虫蛍谷
【DAY2|8月7日】仙台へ!優美な七夕の世界へ
朝:青森から仙台へ、七夕を目指す移動日
朝は早めにチェックアウトし、再び新幹線で移動です! 新青森→仙台まで約3.5時間。午前中に移動すれば、ちょうどお昼に仙台へ到着します。もし、仙台だけでなく、途中下車するなら、盛岡や一ノ関も立ち寄りスポット。奥州牛や盛岡冷麺など、駅ナカで楽しめるご当地グルメも多く、ちょっとした“寄り道旅”も叶います。
昼:仙台駅で牛タンランチ!行列回避の裏技とは?
仙台といえば、やっぱり「牛タン」が有名。街にある名店を狙いたいですが、実は駅ビル「エスパル」や「牛たん通り」にも老舗の名店がずらりと並んでいるのです。
平日や早めの時間帯(11時台)を狙えば、意外と行列を避けてスムーズに入れることも。利久・喜助・善治郎などのお店では、定番の“牛タン定食”はもちろん、炭火焼きや味噌ダレなど味のバリエーションも豊富なので、しっかり腹ごしらえをしたら、街へ繰り出しましょう!
〒980-0021 宮城県仙台市青葉区中央1丁目1−1 JR仙台駅 3階
営業時間 11:00~21:30
https://www.livit.jregroup.ne.jp/detail/435
午後:幻想的な七夕飾りに癒やされる午後の散歩
仙台七夕まつりのメイン会場は、仙台駅から徒歩圏内に広がるアーケード街エリア(クリスロード・一番町通りなど)。この期間中、商店街ごとに大きな笹飾りが競い合うように並びます。
それぞれの飾りには、地元の小学生が願いを込めた短冊や、企業のテーマデザインが施されており、どれも個性的。最も美しい作品には「優秀賞」などの表彰もあり、それを探しながら歩くのも楽しいひとときです。おすすめのフォトスポットは以下。
- 写真映えポイント
- クリスロードアーケードの天井越しの光+七夕飾り
- 夕暮れ時のライトアップは幻想的な雰囲気
筆者が体験して感じたのは、とにかく歩きまわって好みの飾りを見つけることが楽しい! 地元の皆さんが手作りで作り上げた精巧な飾りにうっとりしたり、ユーモアあふれるデザインにくすっと笑ったり、「とにかく歩くこと!」がおすすめです。
〒980-0021 宮城県仙台市青葉区中央2丁目
夜:駅ナカグルメで旅の締めを!
帰りの新幹線までの時間は、仙台駅周辺で“最後の東北グルメ”を味わってみましょう。牛タン以外にも駅ビルにはグルメがたくさん!
- ずんだシェイク(ずんだ茶寮):枝豆の甘さがクセになる飲むスイーツ
- 寿司通り(駅3F):三陸沖の新鮮ネタが手頃に味わえる人気店が並ぶ
- お土産屋も充実:萩の月、牛タンジャーキー、笹かまなど定番土産もチェック!
仙台発の新幹線は本数が多く、夜9時過ぎの便でも東京には当日中に戻ることができます。そして、レストランが混雑していても時間が読める駅ビル内のグルメは非常に助かるので、弾丸旅なら締めも駅ナカグルメがおすすめ!
所在地 〒980-0021 宮城県仙台市青葉区中央1丁目1−1
+1日で三大祭り制覇!秋田の竿燈まつりを加えるルート
もし、「せっかくだから三大祭りをすべて見たい!」という方には、初日に秋田を組み込む3日間のルートがおすすめ。
- 東北3大祭り 3日間モデルコース
- 8/5 秋田入り → 秋田竿燈まつり観覧(夜)
- 8/6 青森へ → ねぶた祭り(夜)
- 8/7 仙台へ → 七夕まつり(昼~夜)
秋田竿燈まつりは、約50kgの提灯を肩や腰、額にのせてバランスを取る“技と気迫”の祭りとも言われます。提灯が夜空にゆらめく様子は幻想的で、他の2つの祭りとはまた違った感動があります!
東北の三大祭りは、それぞれの個性が際立ち、どこも「行ってよかった」と心から感じられる場所ばかり。旅の計画次第で、2日間で2カ所、3日間で全制覇が夢ではなくなります。祭りをめぐるだけでなく、温泉やグルメ、文化体験も含めて、東北の夏は一生に一度の記憶になるはず。今年の夏、ちょっと足をのばして“夢の三大祭りハシゴ旅”、あなたも挑戦してみませんか?
©︎Keiko Morota