※クラフトサケとは、日本酒の伝統的な製造技術をベースにしながらも、果物やハーブ、スパイスといった副原料を入れたり、米を搾らない工程を取り入れたりして自由な味わいを追求した新しいジャンルのお酒です。
9/16から大丸東京店にて異例の2週間イベント開催!

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株式会社
大丸松坂屋百貨店
稲垣貴之さん実は、大丸東京店で日本酒や酒のイベントを行う機会はほとんどありません。1階のイベントスペースはファッション、時計、ジュエリーなど、売上効率が高いブランドが中心。ただ、それではどうしても同質化してしまう。今回は、「百貨店は多様な角度から商品を提案する面白さがある」その姿勢を示す場にもしたいと思っています。自分自身、稲とアガベのお酒を飲み、とてもおいしいという印象を持ちましたし、岡住さんの人となりや取り組みを知るなかで、「これは応援したい」と強く思いました。
今回のイベントでは、稲とアガベ最高級の新商品「ASIAN WISDOM(アジアンウィズダム)」と、国内外のアーティスト・デザイナー、そして男鹿の店舗とコラボレーションした「交酒 花風(こうしゅはなかぜ)」全7種を発売します。
コラボレーション交酒花風(全7種)
左から、男鹿の店舗コラボレーション2種(各720ml 2,750円)おがや/SANABURI FACTORY、アーティスト・デザイナーコラボレーション3種(各720ml 3,300円)SatuCollective®/雪下まゆ/中村弘峰、男鹿の店舗コラボレーション2種(各720ml 2,750円)マッチャイナ/PZ
「交酒花風」は、2024年2月にスタートしたブランドで、稲とアガベを代表するクラフトサケ。唐花草を使用したどぶろくを「花酛(はなもと)」と呼び、それが秋田の農村では古くから伝承されてきた製法であることにも由来しています。「風」はクラフトシリーズのコンセプトである、男鹿の強い風に由来しています。本催事では、男鹿のまちづくりを共にする店舗と、国内外で活躍するアーティスト・デザイナーがラベルを手がけた7種を一堂にそろえます。
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稲とアガベ代表
岡住修兵さん「花風」は、ホップ由来のグレープフルーツやマスカットのような香りが特徴。ざっくり言えば、クラフトビールと日本酒を融合したような酒です。ありがたいことに、日本中、そして世界中で知られるようになり、現在はこの商品を軸に事業を続けることができています。

実は筆者が稲とアガベの酒に初めて出会ったのは、秋田県のアンテナショップの試飲会。「花風」は、日本酒の古酒のような複雑な香りや甘みを感じつつも、果実のような爽やかさもあり、圧倒的に飲みやすい。まさに衝撃でした。その後、なまはげ柴灯まつりで男鹿を訪れ、花風をはじめとする稲とアガベのラインナップを堪能し、すっかりファンに。花風はラベルも可愛く、元々ギフトにもぴったりですが、コラボレーションラベルは贈る喜びをより深く感じられそうです。
>>【今の世の中にこそ“なまはげ”が必要だ】恐ろしくてかっこいい。秋田・なまはげ柴灯まつり現地ルポ
ASIAN WISDOM(アジアンウィズダム)1,000本限定

「アジアの美とは何か」という問いから生まれ、異なる文化を受け入れ、独自の解釈を加えて新しいものへと育てていくアジアの創造性を、一本のお酒に表現。日本の唐花草、韓国の朝鮮五味子、中国の桂花茶、台湾の紅玉紅茶、インドネシアのクローブ。アジアの5つの国と地域を象徴する最高級の素材と、その魅力を引き出してきた人々の知恵を、稲とアガベの酒づくりでひとつに重ねた、稲とアガベ最高級のクラフトサケです。
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稲とアガベ代表
岡住修兵さん味には自信があります。私たちはまだ歴史の浅いジャンルです。だからこそ、まずは味で勝負するしかないと考えています。複雑で、香りにも多様性があり、クラフトサケにしか出せない表現を目指しました。ぜひ、その点を体験していただけたらと思います。

筆者は今回、「ASIAN WISDOM」を20代〜50代の世代の異なる3人といただいたのですが、みなその飲みやすさに驚いていました。凛とした華やかなお酒です。まるで飲む花束のような香りと優雅さは、気持ちを明るくし、会話を弾ませてくれます。お酒が苦手な人や、お茶好きな人にも試してみていただきたい!
原材料:米、米麹、唐花草(日本)、朝鮮五味子(韓国)、桂花茶(中国)、紅玉紅(台湾)、クローブ(インドネシア)
内容量:720ml
販売価格:15,000円(税抜)/本
販売本数:1,000本限定
稲とアガベ POP UP STORE 新たな文化を創造する from AKITA OGA
開催期間:2026年9月16日(水)〜9月29日(火)10:00〜20:00
開催場所:大丸東京店 1階SVPイベントスペース
所在地:〒100-6701 東京都千代田区丸の内1丁目9-1
なぜ「稲とアガベ」はこれほど注目されるのか?

「稲とアガベ」が注目される理由。それはおそらく、岡住さんの語る明確なビジョン、その圧倒的な発想力と実現力ではないでしょうか。人口減少が進む男鹿で、クラフトサケを起点に、産業・観光・文化・雇用を同時に再設計。その数、創業から4年半ほどで、約10拠点。酒蔵でありながら、地域の未来をつくるプロジェクトとして大きな期待が寄せられています。
思わず周りが引き込まれる、応援したくなる、その明確なビジョンと現在地を、岡住さんの語る言葉でお伝えします。
新しい酒のジャンル「クラフトサケ」の可能性
岡住さん:私たちは、「その他の醸造酒」という免許を活用して酒づくりをしています。米と麹に加え、フルーツ、ハーブ、スパイスなど、さまざまな素材を一緒に発酵させながらつくる酒です。創業当初は名前がなかったのですが、「クラフトサケ」という名前をつけて発信を始めた結果、少しずつお酒好きの方々には知られるようになってきたと感じています。
よくリキュールとの違いを聞かれます。リキュールは、できあがった酒にフルーツやハーブを漬け込んでつくるものです。一方、クラフトサケはタンクの中で米、麹、フルーツやハーブなどを一緒に発酵させます。そこが大きな違いです。
これまでに約70種類のお酒をつくってきましたが、そのほとんどが世界初に近い試みです。クラフトサケの面白さは、「無限×無限」のような表現が可能になること。これがクラフトサケの大きな魅力であり、世界進出の鍵にもなると考えています。
実際に、この1年で輸出量は3倍に増えました。現在は11カ国に輸出しています。最近は、日本酒や焼酎がこれまで入らなかった、現地の人が運営する現地料理のレストランにも、稲とアガベの花風が置かれるケースが出てきました。ここに大きな可能性を感じています。
酒を「男鹿の名刺」にする発想
岡住さん:酒には、飲んでおいしいと感じた人が「その場所へ行ってみたい」と思う力があります。その力を借りて、男鹿に人を集めたい。酒は地域の名刺代わりとして、日本中、世界中へ旅立っていく存在です。
お酒を通じて男鹿を知り、来てくれた人たちに、飲食店や宿泊施設など、いろいろな楽しみ方を提供する。実際、私たちの醸造所に併設するレストラン「土と風」は、前年同期比で30〜50%ほど売上を伸ばし続けています。
男鹿は、観光のついでに立ち寄るという場所ではありません。それでも、国内外から多くの方が私たちを目がけて来てくれます。そのほとんどが、どこかで私たちの酒を飲んだ、あるいは見聞きしたことがきっかけです。私たちは「お酒は地域のメディアである」と考えています。
4年半ほどで約10拠点のまちづくり
岡住さん:現在の醸造所を構えたのは、2021年10月。駅前はシャッター街のような状態で、本当に寂しい街でした。このままでは街そのものがなくなってしまうのではないかという危機感がありました。
そこで、酒づくりだけでなく、さまざまなまちづくりを展開してきたことが、稲とアガベの特徴だと思っています。
醸造所をつくり、次にレストランをつくりました。酒粕の二次活用のための食品加工場をつくり、雑貨店を始めました。ラーメン店がなかったのでラーメン店をつくり、宿がなくなったので宿をつくりました。二次会で使える場所がほしいと思い、スナックも始めました。さらに酒粕を活用するクラフトジンの蒸留所をつくり、ホテルをつくり、その中で中華料理店を運営しています。最近はピザ店もオープンしました。
私たちが目指しているのは、循環型の酒づくりです。醸造所で生まれる副産物である酒粕を、蒸留所でジンやスピリッツにします。さらに酒粕を発酵・改質し、肥料にする開発も進めています。うまくいけば、酒粕が肥料となって農家さんへ戻り、米になり、再び酒づくりにつながる。
昔は酒粕を売った利益だけで、従業員の年末賞与をまかなえるほどでした。しかし今は、酒粕を二束三文で売るか、最悪の場合は産業廃棄物として捨てることもあります。もし酒粕を1キロ100円で買い取り、商売にできれば、秋田県の日本酒業界に年間4,000万円ほど還元できます。食品加工場は、そうしたことを実現したくてつくりました。
このような循環型の酒づくりを、徹底的に価値へ変えていくことが、稲とアガベの大きな特徴だと思っています。
創業から4年半ほどで約10拠点をつくってきたこと。そして、そのすべてが歩ける範囲にあること。歩ける範囲の景色が一気に変わったことで、地域の人たちの意識も変わってきました。旅館や飲食店を復活させる流れも生まれています。
男鹿を「酒の聖地」に!
ただ、今つくっているのはほとんどがコンテンツです。コンテンツは移り変わりが早い。私たちの取り組みが打ち上げ花火で終わってしまう可能性もあります。だからこそ、コンテンツだけでなく、文化の柱をつくらなければ、男鹿は本当の意味で未来に残っていかないと思っています。
私が目指しているのは、男鹿を「酒の街」にすることです。当初から「男鹿サケシティ構想」と呼んでいます。私たちの醸造所が大きくなることだけを目指しているわけではありません。私たち以外の酒づくりのプレイヤーが集まり、切磋琢磨している状況をつくりたいと思っています。
そのために、日本酒特区の新設を目指し、5年間チャレンジを続けてきました。目指しているのは、どぶろく特区の日本酒版です。これが認められれば、男鹿では新たに日本酒をつくれる可能性が広がります。そうなれば、私のように酒づくりをしたい若者たちが、男鹿に集まってくれるのではないかと思っています。
酒づくりの意欲がある若者が男鹿に集まり、私たちが酒づくりのノウハウを伝える。資金調達をサポートし、空き物件を活用して、小さな醸造所が生まれていく。3軒、5軒、10軒と集まり、その状態が30年続けば、それは文化になり得ると思います。
新興の酒蔵ばかりが集まっている街は、日本中、世界中を探してもほとんどないはずです。そんな酒の街になれば、男鹿は100年先、200年先にも残る可能性が高まると思っています。
最近、大きなニュースがありました。地方創生に関する内閣官房の事業で、「稲とアガベの酒づくりを中心とした男鹿のまちづくり」が認定されました。担当官からも、男鹿が目指す特区申請を後押しする趣旨のコメントをいただいています。
最終的には、男鹿を酒の聖地にしたい。ワインでいうブルゴーニュ、ウイスキーでいうスコットランドのように、世界中の人が聖地として認め、一生に一度は行ってみたいと思う街にしたいです。
なぜ狂気的と言われるのか?
岡住さん:私たちは外部資本を大きく入れず、主に融資によって、これまでに8億円以上を投じてまちづくりを行ってきました。短期間でここまでのまちづくりを、ほぼ融資だけで行った例は、なかなかないのではないかと思っています。
「生まれ故郷でもない街で、採算が合うかわからないゴーストタウンに8億円を投じるなんて、頭がおかしい」と言われることもあります。
ただ理由は単純です。男鹿市役所の職員の方がとてもよい方で、私が「ここで事業をやりたい」と言ったときに、親身になってくださった。そして、実際に男鹿で事業を始めてみると、街が弱っていた。街が弱れば、事業も続けられない。私たち自身も不安になる。だから、この街を盛り上げなければならない。その思いで、できることから始めました。
気づけば仲間が増え、10拠点ほどをつくるところまで来ました。もし自分が亡くなった後、この街がなくなっていたら、死んでも死にきれないと思います。一方で、私たちがやったことを、後世の人たちが楽しそうに使い、豊かに暮らしてくれていたら、私は天国でとてもおいしい酒が飲めると思います。それを成し遂げた仲間と、みんなで乾杯したい。それが私のビジョンです。
