古くから温泉は「健康」にとって価値あるものとされてきました。戦で体に傷を負った武士たちも温泉で治療していたという逸話が語り継がれてきたほど。
ならば、「旅の目的」としてだけではなく、温泉をもっと身近なツールとして取り入れることができれば、健康的な体づくりに役立つのかも?そんなときに有効なのが「温泉資格」です。
入浴法や温泉分析書をマスター
新潟県・赤倉温泉で発足した「温泉ソムリエ」。温泉の基礎知識を持ち、入浴法のアドバイスができる人を認定する制度です。「温泉ソムリエ認定セミナー(半日)」または「温泉ソムリエ認定ツアー(1泊2日)」に参加し、一定の講習を修了すれば取得することができます。
講習の内容は「温泉の基礎知識」「入浴法の基礎知識」「温泉分析書の読み方」「入浴体験」などなど。コースによっては補講を経て、めでたく温泉ソムリエ認定証が発行されます。平成26年4月1日の時点で、温泉ソムリエ認定者数は6319名にものぼり、芸能人やレポーターも多く取得している人気資格です。
「温泉ソムリエ検定」合格や「温泉分析マスターセミナー」の受講など、様々な条件をプラスでクリアすることで、称号を「星付き温泉ソムリエ」にステップアップさせることもできます。
東京でも定期的に「温泉ソムリエ認定セミナー(半日)」が開催されていますので、東京近郊にお住まいの方は気軽に参加できますよ!
医学の観点から温泉療法を学ぶ
もう少し「温泉を健康にどう活用させるか」という部分にフォーカスしたのが「温泉保養士(バルネオセラピスト)」です。温泉医学、予防医学を学ぶことで、温泉を健康に活かすための知識、技術を習得します。
(社)日本温泉保養士協会が実施する養成講習会にて「温泉の基礎」「温泉分析書の解読法」「温泉療法」「入浴事故防止」「現代型湯治システム」など、11課程を3日間で修得し、試験に合格すると温泉保養士(バルネオセラピスト)として認定されます。
講習会は年に一回となり、受講定員も100名と制限があります。今年は6月13日(金)~15日(日)、神奈川県横浜市にある「かながわ労働プラザ」で開講予定です。
生活習慣病の予防にも役立つ!
温泉の正しい使い方を指導し、安全管理や応急処置にも対応、さらには各人の身体測定に基づいた健康アドバイスもできるのが「温泉入浴指導員」です。温泉療法のみならず、気候療法、物理療法など、さまざまな自然環境の活用を複合的に学ぶことができます。受講期間は8日間と少し長め。
こちらも年に一回の開催で受講定員は30名。今年は10月8日(水)〜15日(水)、東京都・品川区五反田 「ゆうぽうと」にて開講予定です。
その他、群馬県・草津温泉発の「温泉観光士」、岡山県・湯原温泉郷発の「温泉指南役」、山形県最上地方の4つの温泉地(赤倉、瀬見、草薙、肘折)発の「スパリエマスター」及び「スパリエ・インストラクター」制度、静岡県・熱海温泉郷発の「温シェルジェ」など、地域に密着した資格もあります。
日本は温泉の宝庫!資格を取得し、知識を増やしていくことは、健康な体づくりに役立つだけでなく、国内旅行を何倍にも楽しくさせる手段一つと言えそうです。