年間の祝日が日本と比べだいぶ少ないオーストラリア。そんなオージーにとってのゴールデンウィーク的な連休といえば復活祭・イースターや歴史的な祝日・アンザックデーがカレンダーを飾る3月の終わり(または4月上旬)から4月の後半にかけての連休。今回は、活気溢れるパレードが祝日気分を盛り上げる「ANZAC Day(アンザック・デー)」を取り上げます。
アンザック・デーとは?
第一次世界大戦中に協力して戦ったオーストラリアとニュージーランド連合軍(Australian and New Zealand Army Corps/頭文字をとってANZAC)。トルコ軍戦線を突破するため、連合軍が1915年4月25日トルコのガリポリに上陸するも多くの戦死者を出すという悲劇の結果に終わりました。
現在は全ての戦没者を追悼する日として、退役軍人らによるパレードがオーストラリア全土で行われるほかテレビ中継もされる大切な祝日となっています。シドニーやメルボルン、アデレードなどオーストラリア各地にはこの出来事を偲ぶ慰霊碑が建てられています。
アンザック・ビスケット
戦時中、兵士たちの栄養補給にと妻たちが愛情を込めて作った「アンザック・ビスケット」。栄養価の高いオートミールやバターなどを使った腹持ちのよいクッキーです。戦地にいる夫たちに向けて、せっせと焼いては送っていたそうです。このため「兵士のビスケット(Soldier’s Biscuits)」という呼び方をする場合も。
オーストラリアとニュージーランドを代表するビスケットとして、現在ではスーパーやベーカリーなどで1年中手に入れることができます。オートミールとココナッツのサクサクした歯ごたえとほどよい甘さは、コーヒーや紅茶のお供にピッタリ。
おまけ
ニュージーランドでは、アンザック・デーが近づくとポピーをモチーフにした飾りを身に付ける人が目立ちます。 ポピーはアンザック・デーを象徴する花として親しまれているそうです。
戦争はどの国の人にとっても心の痛い出来事です。先人たちが国家のために戦ったという誇りと感謝の気持ちを忘れないためにも、アンザック・デーはオージーやキウイ(ニュージーランド人)にとって重要な祝日であり続けることでしょう。
この時期にオーストラリアやニュージーランドに居合わせることがあれば、パレードを見物してみるといいかもしれません。軍服に身を包んだ凛々しい姿は大変印象的です。