話題映画『闇のあとの光』ロケ地、メキシコの楽園「テポストラン」を訪ねて

Posted by: Miho Nagaya

掲載日: Jun 1st, 2014

世界中の話題をさらった映画の舞台となった、メキシコの小さな村

メキシコの映画監督カルロス・レイガダス監督で2012年にカンヌ国際映画祭監督賞を受賞した映画「闇のあとの光」 が2014年5月31日より、日本公開されます。

映画の舞台はメキシコシティから車でわずか1時間あまりの、モレーロス州の村、テポストラン(Tepoztlan)。

レイガダス監督は、このテポストランの大地に魅せられ、5年前から住んでいるのだとか。映画は監督の自宅近隣で撮影され、自然の美しさ、厳かさを背景に、人間の闇、葛藤、そして言葉には表せない不思議な力について、幻想的な映像表現で描いています。

映画の舞台となった、テポストラン内のアマトラン(Amatlan)地区では、アステカ神話の神、ケッツアルコアトルが生まれたという伝説があります。
テポストランは、きっとインスピレーションを与える場所なのでしょう。レイガダス監督のような
映画人をはじめとする多くのアーティストたちが住んでいます。
この記事では、知る人ぞ知るパワーを秘めた村、テポストランの魅力について、紹介していきましょう。

都会から至近距離の大自然、テポストラン

テポストランの山の頂上には、テポステコ(Tepozteco)という紀元前1150〜1350年ごろのピラミッドがあります。自然保護区内にある遺跡のため、遺跡見学も岩をぬって登山する感じです。
この遺跡は風の神Ehécatl (エヘカトゥル)の息子を祀るとされています。

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
© Miho Nagaya

遺跡への道。「うわ、ガチで山登り!」と一瞬ひるみますが、トレッキングのつもりで登ってみてください 。

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
© Miho Nagaya

1時間近くかけてようやく登頂すると、ほっとした笑みがこぼれます。年配の方も元気に登ってますよ!

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
なんと遺跡の上に登ることができます © Miho Nagaya

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遺跡の全景 © Miho Nagaya

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
遺跡の上から眺めたテポストランの風景 © Miho Nagaya

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
可愛らしい建物が並び、道が石畳なのも雰囲気がいい © Miho Nagaya

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
© Miho Nagaya

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
村の背後には、巨岩のような山が視界に入ります © Miho Nagaya

新鮮な空気、深い緑、青い空、美味しい食事を堪能するために、週末にはメキシコシティから多くの人々が訪れます。常春の心地よい気候のため、年末年始のバケーション期間には避寒のために訪れる人も多いです。メキシコシティから日帰りで行けますが、洒落たブティックホテルもたくさんあるので、のんびり滞在することができますよ。

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
自然食やベジタリアン・レストランも多く、週末に出る屋台で売られる雑貨は、ヒッピーぽい雰囲気 © Miho Nagaya

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
民芸品の屋台が並びます © Miho Nagaya

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
ひょうたんを使ったものも © Miho Nagaya

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
野菜など地元の人向けのものを売る屋台も面白い © Miho Nagaya

テポストランで、ぜひ試してほしいのが、村の中心にある食堂市場。
地元の食材による絶品タコスやケサディージャ(トルティージャの間に具を挟んで焼いたもの)を味わえます。

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
食材の市と食堂街が隣接する © Miho Nagaya

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
トルティージャを作っているおばさん © Miho Nagaya

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
地元のきのこや野菜、肉をつかったケサディージャ © Miho Nagaya

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
目をひくような鮮やかなジュースは、すべて天然の新鮮な果物の色 © Miho Nagaya

テポストランは、アイスクリームとシャーベットの中間のようなメキシコの冷菓子、「ニエベ」の名産地として知られます。牛乳、フルーツ、水が上質ゆえの美味しさ!

話題映画「闇のあとの光」ロケ地、メキシコの楽園・テポストランを訪ねて
© Miho Nagaya

昔ながらの製法でニエベを作っている。写真右は、レモンとライムの中間の、リマというフルーツのニエベ

大都会から少し離れただけで、大自然を満喫できるテポストラン。
日本の観光客にはあまり知られていませんが、メキシコシティからアクセスもよく、気軽に田舎の村を楽しめる、とっておきの場所です。

PROFILE

Miho Nagaya

長屋美保 ライター

メキシコシティの路地裏から見た生のラテン文化や社会を追い続けるフリーライター兼なんでも屋。雑誌、WEB、ラテン圏アーティストのCD解説、映画、コンサートのパンフレットなど、メキシコを中心としたラテンアメリカの記事を日本の媒体に執筆するほか、リサーチやスペイン語⇔日本語翻訳も行う。情報サイトAll Aboutのメキシコ公式ガイドでもある。

メキシコシティの路地裏から見た生のラテン文化や社会を追い続けるフリーライター兼なんでも屋。雑誌、WEB、ラテン圏アーティストのCD解説、映画、コンサートのパンフレットなど、メキシコを中心としたラテンアメリカの記事を日本の媒体に執筆するほか、リサーチやスペイン語⇔日本語翻訳も行う。情報サイトAll Aboutのメキシコ公式ガイドでもある。

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