世界中の話題をさらった映画の舞台となった、メキシコの小さな村
メキシコの映画監督カルロス・レイガダス監督で2012年にカンヌ国際映画祭監督賞を受賞した映画「闇のあとの光」 が2014年5月31日より、日本公開されます。
映画の舞台はメキシコシティから車でわずか1時間あまりの、モレーロス州の村、テポストラン(Tepoztlan)。
レイガダス監督は、このテポストランの大地に魅せられ、5年前から住んでいるのだとか。映画は監督の自宅近隣で撮影され、自然の美しさ、厳かさを背景に、人間の闇、葛藤、そして言葉には表せない不思議な力について、幻想的な映像表現で描いています。
映画の舞台となった、テポストラン内のアマトラン(Amatlan)地区では、アステカ神話の神、ケッツアルコアトルが生まれたという伝説があります。
テポストランは、きっとインスピレーションを与える場所なのでしょう。レイガダス監督のような
映画人をはじめとする多くのアーティストたちが住んでいます。
この記事では、知る人ぞ知るパワーを秘めた村、テポストランの魅力について、紹介していきましょう。
都会から至近距離の大自然、テポストラン
テポストランの山の頂上には、テポステコ(Tepozteco)という紀元前1150〜1350年ごろのピラミッドがあります。自然保護区内にある遺跡のため、遺跡見学も岩をぬって登山する感じです。
この遺跡は風の神Ehécatl (エヘカトゥル)の息子を祀るとされています。
遺跡への道。「うわ、ガチで山登り!」と一瞬ひるみますが、トレッキングのつもりで登ってみてください 。
1時間近くかけてようやく登頂すると、ほっとした笑みがこぼれます。年配の方も元気に登ってますよ!
なんと遺跡の上に登ることができます © Miho Nagaya
遺跡の上から眺めたテポストランの風景 © Miho Nagaya
可愛らしい建物が並び、道が石畳なのも雰囲気がいい © Miho Nagaya
村の背後には、巨岩のような山が視界に入ります © Miho Nagaya
新鮮な空気、深い緑、青い空、美味しい食事を堪能するために、週末にはメキシコシティから多くの人々が訪れます。常春の心地よい気候のため、年末年始のバケーション期間には避寒のために訪れる人も多いです。メキシコシティから日帰りで行けますが、洒落たブティックホテルもたくさんあるので、のんびり滞在することができますよ。
自然食やベジタリアン・レストランも多く、週末に出る屋台で売られる雑貨は、ヒッピーぽい雰囲気 © Miho Nagaya
野菜など地元の人向けのものを売る屋台も面白い © Miho Nagaya
テポストランで、ぜひ試してほしいのが、村の中心にある食堂市場。
地元の食材による絶品タコスやケサディージャ(トルティージャの間に具を挟んで焼いたもの)を味わえます。
トルティージャを作っているおばさん © Miho Nagaya
地元のきのこや野菜、肉をつかったケサディージャ © Miho Nagaya
目をひくような鮮やかなジュースは、すべて天然の新鮮な果物の色 © Miho Nagaya
テポストランは、アイスクリームとシャーベットの中間のようなメキシコの冷菓子、「ニエベ」の名産地として知られます。牛乳、フルーツ、水が上質ゆえの美味しさ!
昔ながらの製法でニエベを作っている。写真右は、レモンとライムの中間の、リマというフルーツのニエベ
大都会から少し離れただけで、大自然を満喫できるテポストラン。
日本の観光客にはあまり知られていませんが、メキシコシティからアクセスもよく、気軽に田舎の村を楽しめる、とっておきの場所です。