1960年代から始まったとされるストリートアート。現在では優れたアートの形として認められ、世界中で高い評価を得ていますが、ロサンゼルスはそんなストリートアート・ムーブメント発端の地ともいわれています。
クラシカルなものからモダンなもの、印象派の作品からパンク、ヒップホップまで、ストリートアートのパイオニアたちが描いた素晴らしい作品が街のあちこちに存在します。
今回は車を使わずにアートを楽しめるコースをご用意しました。
是非この機会に美しいストリートアートに触れてみてください!
“HEART OF LOS ANGELES” – ANTIGIRL
今回ご紹介するウォーキングツアーを始めるのにふさわしいのが、ストリートアートを象徴するような作品が描かれたAngel City Breweryです。
中でもantigirlによる「Heart of Los Angeles」はファンの多い作品で、1970年代に作られ、一世を風靡したシンボル「I ♡ NY」からインスパイアされたといわれています。ハートはantigirlの代名詞となっており、こちらのスポットでは写真撮影をする人が後を絶たないそうです。
Metro Rail Gold LineのLittle Tokyo/Arts Districtの駅から一ブロック南に向かったあたりにあります。
“THE WRINKLES OF THE CITY” – JR
写真提供:R. E. ~, Flickr
Angel City Breweryにはもう一点、JR氏による「The Wrinkles of the City」という有名な作品が描かれています。
ニューヨークから上海、ハバナにベルリンといった場所でもアートワークを展開しているJR氏ですが、2011年に華やかなエンターテイメント業界のリアルな部分を描いた、リンクルシリーズ(シワのシリーズ)に取りかかり始めました。
ストリートアートを制作するのは世界で一番大きなギャラリーをもっているようなもの、というJR氏ですが、数多くある作品の中でも、Angel City Breweryの「The Wrinkles of the City」は大変大きな規模だそうです。
“SIR CASH THE HEWITT HUSKY” – RAMIRO FAUVE, EMILIO PISQUIERA AND AMANDA GELPI
Angel City BreweryからTraction Avenue沿いに南東に1ブロック歩き、Joel Bloom スクエアに向かいましょう。E. 3rd Street とTractionのコーナーに、犬好きであれば思わず手を叩いてしまいたくなる作品が描かれています。
「Sir Cash the Hewitt Husky」はサンタモニカ・フリーウェイの「L.A. Marathon Year 2026」という作品を手掛けた事でも有名なアルゼンチン出身の画家、Raniro Fauve氏とEmilio Pisquiera氏、Amanda Gelpi氏により、2013年に描かれ、動物に敬意を示している作品である、と言われています。
こちらの場所はWeekly Arts District Farmer’s Marketが開催される場所としても知られています。
“I WAS A BOTOX JUNKIE” – TRISTAN EATON
「I was a Botox Junkie」は、Sir Cashから1ブロックほど南東にある、LA在住のアーティストTristan Eatonによる作品です。
Eaton氏は1990年代、まだティーンエイジャーだった頃にストリートアートを描き始めました。ロンドン、デトロイト、ブルックリンを転々とし、2012年にアーティストとしての作品向上のためロサンゼルスに戻り、移り住みました。
コミックやスケート、グラフィティに影響されたEaton氏の作品はファンが多く、New York’s Museum of Modern Artでも永久保存コレクションとして展示されています。2013年に制作された「I was a Botox Junkie」 (私はボトックス中毒者でした)は冒頭でご紹介した「Wrinkles」シリーズ同様、今のLAを象徴している作品として高く評価されています。カラフルで一度目にしたら忘れられない印象的な作品です。
“UNTITLED” – VYAL + RISK
「I was a botox junkie」からTractionを北へ進みます。E.3rd Streetで左へ曲がり、さらにE.4th Place を左へ向かいEighty Twoに向かってください。
バー、そしてアーケードの外壁がVyal and RISKによる、題名のないコラボレーション作品となっています。Vyal One(通称Vyal)はイーストLA出身のアーティストで暗い色調の、ディテールにこった作りのアート、また、シンボルの「目」と「バブル」で知られる人気アーティストです。
RISKはグラフィティーアーティスト界のパイオニア的存在で、貨物列車にアートを描いた事で有名になりました。その後ストリートに進出、ギャラリーにもその絵が飾られる、逸材として人気を集めています。
TRAFFIC SIGNAL BOX – SEPTERHED
TractionとE. Fourth Placeから北西に800メートルほど進み、ロサンゼルスストリートへ向かいます。E. 2nd Streetへ向かうブロックを右に進み、すぐを左へ曲がります。
Double Tree by hilton Los Angeles Downtown の斜めむかいにあるのがご紹介するTraffic signal boxです。ロサンゼルス育ちのアーティスト、Septerherによるこちらの作品は、彼のアートスタイルであるストリートアート、宗教画、アイコンなどの要素が全て盛り込まれた作品として多くの人に愛されています。是非目で見て確かめてください!
“AUDREY HEPBURN” – FREE HUMANITY
少々タイトルが長い、「It’s that wonderful old fashioned idea that others come first and you come second」はストリートアーティストのFree Humanityによる作品です。美しいオードリーヘップバーンがカラフルなハートシェープらしきものが重なった「フィールド」に描かれています。
Septerhedのtraffic boxからロサンゼルスストリートに戻り、南に向かう形で右に曲がります。ロサンゼルスとウィンストンストリートまで4ブロック進みます。一度は見ておきたい作品です。
“UNTITLED” – JR
ストリートアートウォーキングの最後を飾るのは、Spring Tower Lofts ビルディングの壁に描かれたJR氏の作品です。
ウィンストンとロサンゼルスストリートのコーナーからE.5th Streetへ向かってください。右へ曲がり、Spring Streetまで4ブロック進みます。そこで左に曲がり、南に向かって1.5ブロック歩いてください。
ブラジル人女性を描いたJR氏の作品とポルトガルアーティストVhils氏の作品が目に入ります。
今すぐに足を運んでみたい!と思われた方もいらしたのではないでしょうか?
時間のある休日にゆっくりと街を散歩しながらアートを楽しんでくださいね!
[LAガイド]