湖にできる氷の山脈
長野県にある諏訪湖で、厳しく冷え込む冬になると現れる自然現象をご存知でしょうか。
それが、「御神渡り(おみわたり)」という氷の山脈。
高さは30cm~1.8mにもなります。湖面が全面結氷したうえで、さらに寒い日が数日続くと、氷が厚くなります。昼間と夜の気温差によって氷が膨張と収縮を繰り返すと、轟音と共に氷が割けて、山脈ができるのです。
御神渡りのできる方向は、湖の南岸から北岸にかけて。諏訪大社の上社の男神・建御名方神(タケミナカタノカミ)が、下社の女神・八坂刀売神(ヤサカトメノカミ)のもとへ通った道筋だという伝説もあります。豪快な自然現象を、神様の恋の足跡にたとえる発想がとても素敵ですね。
御神渡りができたかどうかは、諏訪大社の神官がチェックします。これはれっきとした神事で、湖面の状態から、その年の天候や農作物の出来、世の中の吉凶を占います。そして結果は、宮内庁と気象庁にも報告するそうです。
最近では、湖面が結氷しない年も増え、御神渡りが見られる年は減ってきています。今年は果たして、見られるのでしょうか?
―10℃前後の日が続くと、諏訪湖が全面結氷するそうですが、気象庁の観測データを見る限り、まだまだ冷え込みは足りない感じですね。
ちなみに、2015年1月15日に発表された気象庁の1か月予報では、1月17日~2月16日の長野県の気温は平年並みです。う~ん、これは悩ましい・・・。
ただ、これから寒さは本番を迎えます。諏訪湖が全面結氷するかどうか、しばらくは気温のチェックが欠かせません!
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