阿寺渓谷 熊ヶ淵
阿寺渓谷とは?──衝撃の“阿寺ブルー”!
阿寺渓谷(狸ヶ淵)
見つけました。長野の山の中で、“宝石を溶かしたような青”に心奪われる川を。以前からSNSで見て気になっていた阿寺渓谷。東京から車で約4時間。ちょっと遠くて怯むけれど、わざわざ行く価値がありすぎるほどある、神秘の絶景スポットです。
渓谷入り口から終点のキャンプ場までの約6kmのウォーキングコースに景勝地が点在。キャンプ場入り口には、湧き水の「美顔水」も!おいしかった! >>阿寺渓谷エリアマップ
筆者が訪れたのは2026年のゴールデンウィーク。人気上昇中とはいえ、混んではいなくて、他の観光客とすれ違うことはあるけれど、“自分たちだけのとっておきの場所”だと感じられるくらい、ひっそりとした秘境感も存分に味わえました。
写真映えスポットから、服装・過ごし方・駐車場・アクセスなどの注意点まで現地からお伝えします!
長野・木曽の山あいにひっそりと佇む

木曽の山間の道に入ると、車窓から見える緑が一気に雄大になります。道沿いには、奈良井宿や福島宿など、「まんが日本昔ばなし」の世界のような宿場町が点在。この道の奥に阿寺渓谷があるんだ! と胸が高鳴ります。
阿寺渓谷入り口の河原

阿寺渓谷入り口の河原は、夏は川遊びする人も多いスポット(ただし、阿寺川は水遊びのために整備された場所ではありません)。筆者が訪れたゴールデンウィークは春季車両進入規制中だったため、入り口より奥に車で入ることはできませんでした。
本当は、電動アシスト自転車のレンタルをしたかったのですが、11:30に現地に到着したときはすべてレンタル済み。付近にある有料駐車場を利用し、規制期間中のみ運行するシャトルバスで渓谷内に向かいました。
第1駐車場(フォレスパ木曽) ⇔ 島木赤彦歌碑駐車場(阿寺渓谷内)を運行するシャトルバス。往復1,500円/席、片道800円/席。子ども料金なし。
▶︎2026GWシャトルバス時刻表
【行き】P1駐車場 8:30/9:00/9:30/10:00/10:30/11:00/11:30/12:15/12:45/13:15/13:45/14:15/14:45/15:15/15:45/16:15
【帰り】赤彦駐車場 9:00/9:30/10:00/10:30/11:00/11:30/12:00/12:45/13:15/13:45/14:15/14:45/15:15/15:45/16:15/16:45
夏季ハイシーズンやシルバーウィークなども車両進入規制あり。詳細については、大桑村観光協会Xで随時更新しています。
「狸ヶ淵」の阿寺ブルーに洗礼を受ける

赤彦歌碑駐車場の手前の、「狸ヶ淵」で降りるのがおすすめと聞いたので、筆者は「狸ヶ淵」で下車。

木々の隙間から見える“青”に早くも興奮!


川底の石までしっかり見える透明度! 噂通りのエメラルドグリーンの美しさに、「すごい!」の声とシャッターが止まりません。この日は曇りだったのですが、無加工のスマホ撮影でこの色、です! この先まだまだ景勝地が続くというのに、この場所だけで15分ほど長居してしまいました。

この淵は、狐や狸が「化身」の出来映えを鏡の代わりに水面に映して見たという話から名付けられたそうです。

ここからは徒歩でゴールのキャンプ場まで向かいます!
「亀石」亀の頭によく似た形の岩
険しく美しい断崖絶壁「犬帰りの淵」


「犬帰りの淵」は、欄干越しに淵を撮るのもおすすめです。里に住む猟師たちは、しばしば犬を連れてこの谷に入ったといいます。しかし、この淵まで来ると、犬が断崖絶壁の険しさに恐れをなし、渡ることができず引き返したと語り継がれているそうです。
うねる流れが迫力!「樽ヶ沢の滝」

橋の真下から沢水が螺旋状に滝壺へと流れ落ちる「樽ヶ沢の滝」。樽をひっくり返したようなうねりが迫力!
島木赤彦歌碑(シャトルバス乗降場・駐車場・トイレ)
島木赤彦歌碑
シャトルバス乗り場

島木赤彦歌碑のある駐車場には、渓谷内唯一のトイレもあり(キャンプ場内は除く)。熊出没注意の看板にちょっとドキドキ。
遊歩道は急な階段もあり!1時間ほどかかる
赤彦吊り橋(遊歩道入口)
赤彦歌碑からウナリ島までは、道路を行けば約10分、遊歩道なら約1時間。せっかくなので、遊歩道にチャレンジします!


途中、沢を眺めたり、熊よけの鈴を鳴らしたり。こんな感じなら1時間かからないんじゃ? と思っていたら……


結構な急勾配の階段が続きます。小さな子ども連れの家族に会いましたが、途中からお父さんが抱っこして降りていました。
「六段の滝」下の河原はおすすめ休憩スポット

急階段の下で待っていたのは、「六段の滝」。この滝自体は小さな景勝地、という印象なのですが、見逃せないのが、この滝の下にある河原。

一休みしたくなる座り心地のよさそうな岩がたくさんあり、滝と沢の音に癒やされます。ここでお弁当を食べたり、読書をしたりするもいいなあと思いました。
誰かが葉っぱと枝と石で作ったニッコリマーク



中八丁吊り橋(遊歩道出口)
その先は、しばらく森林浴を楽しみながら歩き、また急勾配の階段を降ります。筆者らはウナリ島までは行かずにて吊り橋を渡って道路に合流したので、所要時間は30分くらいでした。
吸い込まれそう!思わず声が出た「熊ヶ淵」

筆者が一番感動した“青”は、「熊ヶ淵」のターコイズブルー。本当につい吸い込まれて飛び込んでしまいそうな、神秘的な淵でした。このあたりは熊の出没が多く、時には子連れの熊が水浴びを楽しむ様子が見られたといいます。そんなところから「熊ヶ淵」の名がつきました。
「牛ヶ淵」

橋が奥に見える「牛ヶ淵」は、この渓谷一の深淵。牛の姿に似ているところに由来するそうです。ここも河原に降りると、内側から輝くような緑と沢の流れのコントラストが美しく、いつまでも眺めていたくなるおすすめスポット。

阿寺渓谷キャンプ場入り口の湧き水「美顔水」
吉報の滝
壊れた橋と迫力の岩
そして牛ヶ淵からさらに歩くこと20分強。吉報の滝や壊れた橋などを見て進んだ先にあるのが、終点となる”阿寺渓谷キャンプ場。


そこにあるのが、渓谷内で一番きれいで冷たい湧き水だという「美顔水」。信州の名水・秘水にも選定されています。
江戸時代、阿寺山を管理するため遠く尾張藩より派遣された役人達の奥方が、この冷水を朝夕使ったところ、見違えるほど色白の美人になって帰って来るので、「美顔水」と呼ばれるようになったと言われる。

この湧き水はペットボトルなどに汲んでもOK。キャンプ場なので、飲み物を冷やす用の水舟もあります。ウォーキングした後だというのもありますが、冷たくて体にスッと馴染むおいしさでした!
目を見張る清らかさの小川
阿寺渓谷ベストシーズン&ベストタイムは?

阿寺渓谷のベストシーズンは、阿寺ブルー目当てなら春〜夏(5月〜9月)にかけての晴れの日、特に午前中がおすすめ。紅葉目当てなら10月下旬〜11月上旬が目安です。
服装&持ち物
「スニーカー+パンツスタイル」など動きやすい服装推奨。そこまで本格的な山登りスタイルでなくても大丈夫ですが、乾きやすい素材のものが安心です。川の水に足を浸したい場合は、膝まで捲りやすい服とタオル必須です。日焼け止め、虫よけスプレーも忘れずに。
注意事項
渓谷内は圏外のため携帯電話で助けを呼ぶことができません。浅く見えても足がつかないほど深い場所、見た目以上に急流な場所もあります。阿寺渓谷は、晴れた日でも川の水温が低く非常に冷たいです。
※参考 7月平均水温13℃ 8月平均水温16℃ (計測時間:12時)
阿寺渓谷での禁止事項(違反した場合は5万円以下の過料)
- バーベキュー等(火を使って食品を調理する行為)
- 花火
- 焚き火(直火又は焚き火台等を使って火を焚く行為)
- ごみ、ふん尿、鳥獣の死体その他汚物又は廃物を捨て、又は放置すること
※阿寺渓谷キャンプ場の宿泊者が、キャンプ場の敷地内で許可のもと行う行為は除外。
阿寺渓谷への行き方(アクセス)・駐車場・レンタサイクル
筆者は、東京の高井戸ICから約4時間かかりました(休憩・渋滞含む)。鉄道の場合、東京駅から特急あずさで「塩尻駅」へ行き、JR中央本線に乗り換えて「野尻駅」へ。約4時間半かかります。高速バス(バスタ新宿 ⇔ 木曽福島駅)もありますが、2026年5月現在はバスタ新宿発16:35-木曽福島駅前着20:50の便のみで、日帰りでの利用は難しそうでした。
⚫︎車利用の場合 約4時間
中央道 中津川ICから約45分
中央道 塩尻ICから約90分
★国道19号「阿寺渓谷入口」信号から車で約3分
⚫︎鉄道利用の場合 約4時間半
JR野尻駅下車 徒歩約20分、タクシー約7分
駐車場
レンタサイクル
⚫︎料金:電動アシスト自転車:1,000円/hと1,500円/h(自転車の種類によって異なります)
⚫︎レンタル場所:木曽川左岸側 第2駐車場(60台)地図
>>レンタサイクル「阿寺ブルー」
日帰りもできるけれど1泊するのもいい!
片道4時間ほどなので、日帰りも不可能ではありませんが、1泊するのもおすすめ。阿寺渓谷キャンプ場はもちろん、第1駐車場には「フォレスパ木曽 あてら荘」という温泉宿もあります。
筆者は阿寺渓谷から車で30分ほどの福島宿に1泊し、翌日奈良井宿観光も楽しみ、かなり満足度の高い旅になりました!
中山道沿いに約1kmにわたって江戸時代の伝統的な町家が立ち並ぶ、日本最長の宿場町「奈良井宿」。日本のありのままの美が感じられる
漆器や、奈良井や木曽ゆかりの民芸品、お土産ものなどを扱うWABI×SABI 奈良井宿店。みたらし・よもぎ・しょうゆの3種の団子がうまい! 1本税込180円
※執筆時点の情報です。最新情報は公式サイトを参照してください。
©Aya Yamaguchi


