読書の秋。通勤電車の中で、公園やベンチで、芝生に寝転がって、おいしいお茶やお酒を片手に、本が読みたくなる季節です。
読書のひとときは、極上の心の旅を味わえる、ぜいたくな時間。そこで今回は、TABIZINEの旅好きライターが選ぶ「人生に旅心をくれる」とっておきの7冊をご紹介します。
ペルセポリス
「同世代のイランの女性の日常を知って、驚きと感動を覚えました。作者、マルジャン・サトラピの自伝的漫画。宗教や政治不安を抱えるイスラム社会を舞台に、たくましく成長する少女の姿が描かれています。自分が知っている世界は小さなものなんだなーと思い、広い世界に出ていきたくなった一冊です。」(内野チエ)
よい匂いのする一夜
「日本を代表する文豪 池波正太郎氏が、高い美意識、優れた感受性で向き合った珠玉の名宿、名店。一期一会の旅をするには、「心尽くし」を受け止められる「粋な大人」であること。余韻を楽しむ旅をしたい、大人のあなたに読んで欲しい名エッセイ。」(青山沙羅)
サヨナライツカ
「婚約者がいる駐在員の主人公が謎の日本人女性と甘い蜜月を過ごし、そして別れ、25年後の再会までが描かれた小説。互いに惹かれすぎた2人の苦悩と情熱の描写に心引き寄せられました。舞台となったバンコクの異国情緒あふれる香りが散りばめられ、旅心もくすぐられる一冊。舞台となったマンダリンオリエンタルホテルにはいつか訪れてみたいものです。」(Nao)
電車でぐるっとよくばり台湾
「屋台グルメから絶景スポット、地元の人との触れ合いエピソードまで、台湾の魅力を独自の切り口で綴った1冊です。読み終わる頃には、台湾行きのチケットを購入せずにはいられないかも!? 著者のとまこさんは、旅行代理店の勤務を経て旅作家としてデビュー。可愛いイラストにエッセイ、バックパッカー目線で書かれた旅行ガイドは、実用的かつ読む楽しさもあります。」(sweetsholic)
羊をめぐる冒険
「紀行文ではなく小説ですが、読むたびに旅先のワクワクと心もとなさを同時に胸にかき起こしてくれる一冊です。北海道に住んでいたころを思い出させてくれる一冊でもあります。」(坂本正敬)
八十日間世界一周
「『十五少年漂流記』でも有名なフランスの小説家ジュール・ヴェルヌの作品です。19世紀のロンドンが舞台で、英国紳士フォッグ氏が仲間に“80日間で世界一周ができる”と全財産をかけ世界一周の旅に。おかしな相棒と共に様々な困難を驚きのアイデアで乗り越えていく姿は、100年以上経った今でも、読む人を魅了して止みません。忙しくて中々旅に行けない! という人も、これを読めば、きっと主人公と共に世界中に冒険に出かけるような素敵な旅心が持てると思います。」(FUTA)
じょうずなワニのつかまえ方
「“クマにダンスを教えるには” “ガミガミ女を水につける方法” “クルミのピクルスの作り方” “レオナルド・ダ・ビンチの秘密を読み取る方法”など、いつ役にたつかわからないけれど、知っていると世の中が面白く感じられる豆知識の数々。フォント見本帳として作られた同著は、古き良き自由な感覚のデザインが詰まっていて、眺めているだけでワクワクします。現在は絶版となっていますが、新版も発行されています。」(山口彩)
読書のいいところは、すきま時間でも、自分の部屋でも、いつでもすぐに旅立てるところ。さあ、今夜はどこまで出かけましょうか。
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