パリッとした表面にもちっとした食感、そば粉の香りが口いっぱいに広がるブルターニュの郷土料理そば粉のガレット。日本でもそば粉のガレット専門のレストランが年々オープンされているので、名前は聞いたことがあるという読者もいらっしゃるのではないでしょうか。フランスのそば粉のクレープ、ガレットは一体どんなものでしょう。現地からレポートします。
そば粉のガレット発祥地ブルターニュ
ブルターニュはフランスの北西部の半島に位置し、海に囲まれた地域です。険しくも美しい自然がそこにはあります。ブルターニュには独自の言語ブルトン語を現在も継承し続け、他の地方と違った独自のアイデンティティを築いていることでも有名です。ブルターニュは海の豊富な食材に恵まれているガストロノミーな地域でもあります。内陸では酪農業もさかんで、フランスを代表するバター、ボルディエはここブルターニュで生産されています。
そば粉のガレットとは
そば粉は日本特有の穀物のように思うかたもいると思いますが、フランスでは黒い小麦粉と呼ばれ主にクレープに使用されます。遠い昔、アジアからそば粉が伝わり、何世紀にも渡りブルターニュではそば粉が主食として食べられていたそうです。
そば粉のガレットはそば粉、牛乳、水、塩を混ぜ、1時間ほど寝かしたものをクレープのように薄くのばし、バターでこんがりと焼いたものです。その上にチーズ、ハム、卵をのせます。これはガレットコンプレといわれる一番シンプルで王道なガレットです。家庭ではこのそば粉のガレットを作るのは容易ではないので、すでに出来上がったガレットを購入して、トッピングは自由に行なうのが一般的です。
ガレットのお供にシードル
そば粉のガレットには必ずりんごの発泡酒シードルをお供に食べます。りんごの生産地であるブルターニュ地方ではワインとは違う独自のアルコールが作られました。それがシードルです。シードルは他のアルコールとは違い甘く飲みやすいお酒で、塩気のあるそば粉のガレットや海鮮料理によく合います。
パリと東京でガレットを食べるなら
ブルターニュ地方に行けば、クレープリー(クレープのレストラン)がどこの街にもあり美味しいガレットを食べることができるのですが、なかなかブルターニュまで容易には行けませんね。おすすめしたいのは、ブルターニュのカンカルという街が発祥のクレープレストラン、BREIZH CAFE/ブレッツカフェ。こちらのクレープーリーではブルターニュの良い食材を使い、独創的なガレットを提供しています。日本にも店舗がありますので、ぜひそちらに足を運んでみて下さいね。ガレットは和気あいあいと食べる料理ですので、数人でシードル片手に楽しみながら食べてみましょう。
[BREIZH CAFE/ブレッツカフェ]
[Le Bretagne]
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