【日本に来る外国人観光客トリビア】広島と栃木だけ異色なワケは?

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Nov 22nd, 2015

日本に遊びに来る外国人観光客の数が伸びているというニュースをいろいろな場面で聞くと思います。

都内はもちろん、京都の観光名所や大阪の繁華街を歩くと本当に外国人旅行者が増えたという印象を受けますし、地方都市の金沢なども北陸新幹線開業に後押しされてか、今まで以上に外国人の観光客が増えている様子が見てとれます。

しかし、ひとくくりに日本に来る外国人観光客といっても、出身国も国籍もさまざま。筆者の暮らす富山県には「台湾の人が多いな~」という印象がありますが、皆さんのお住まいはどうでしょう?

広島・栃木は一味違う!あなたの県に来る外国人旅行者の国籍

そこで今回は観光庁の情報を参考に、各都道府県にどのような外国人観光客が来ているのかをまとめます。ただ、全部を紹介するわけにはいきませんので、他の都道府県とちょっと異なる特徴を持った自治体を中心に紹介していきますね。

1:広島県の観光客はアメリカ人、ヨーロッパ各国の人が群を抜いて多い

広島・栃木は一味違う!あなたの県に来る外国人旅行者の国籍

平成26年の1年間で言えば、“日本全体”の観光客はアジア各国の人が中心(67.2%)で、特に台湾、中国、韓国、香港など東アジアの国の人々が群を抜いて多く訪れているという特徴があります。

実際、資料を見るとどこの都道府県も中国人(香港を含む)、台湾人、韓国人が主要な外国人観光客になっているのですが、広島県は違います。

平成26年間の1年間において、広島に宿泊をした外国人観光客の内訳は1位がアメリカ人(14%)、2位が欧州の人々(13%)、3位がオーストラリア人(10%)になっています。

東アジアからの観光客がトップ3に1つも入っていない都道府県は全国を見渡しても広島だけ。厳島神社などの世界遺産や瀬戸内海国立公園など屈指の観光地を持つ一方で、原爆ドームや平和記念公園など、世界的に知名度の高い施設のある平和の都市・広島だからこその結果かもしれませんね。

2:栃木県はアメリカ人観光客が多い

広島・栃木は一味違う!あなたの県に来る外国人旅行者の国籍

栃木県も一風変わっています。同県は平成26年の1年で15万人ほどの外国人宿泊者を迎え入れたそうですが、その割合で1位はアメリカ人の19%。2位は台湾(18%)、3位は中国(13%)と続いていますが、4位は欧州の8%になっています。

東日本大震災から数年が経過した今でも、風評被害によって客足は完全に回復していないそうですが、栃木県には日光という屈指の観光地があるからかもしれません。

ちなみに、隣接する茨城県と福島県もアメリカ人(それぞれ2位)、欧州の人々(それぞれ4位)が多く観光に訪れています。皆さん、北関東や南東北を周遊しているのかもしれませんね。

3:東京、大阪、北海道、京都など国内の主要観光地は?

広島・栃木は一味違う!あなたの県に来る外国人旅行者の国籍

最後は外国人観光客に大人気のエリア、東京や大阪、北海道、京都に訪れる外国人観光客の国別の割合を見てみましょう。

東京・・・中国(17%)台湾(13%)アメリカ(11%)韓国(8%)欧州(6%)
大阪・・・中国(23%)台湾(19%)韓国(13%)香港(11%)タイ(4%)
北海道・・・台湾(32%)中国(18%)香港(12%)韓国(10%)タイ(8%)
京都・・・台湾(20%)中国(13%)アメリカ(12%)欧州(11%)オーストラリア(7%)

といった結果になっています。大阪・北海道はアジア各国の人々に平均して人気があり、京都は欧米系の人に目立って人気があるのですね。

以上、どのような国から各自治体が外国人観光客を集めているのか、特徴的な部分だけをピックアップしてまとめてみました。

「私の住む町は?」と追加で調べてみたい場合は、観光庁の統計などを見て、どういった国の人が遊びに来ているのか調べてみると面白いかもしれませんね。

[宿泊旅行統計調査(平成26年・年間地(確定値)) – 観光庁]
[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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