【NY恋愛事情】デートがご無沙汰なニューヨーカーたちが出会ったら・・・?

Posted by: 青山 沙羅

掲載日: Jan 15th, 2016

【NY恋愛事情】デートがご無沙汰なニューヨーカーたちが出会ったら・・・?

彼氏(彼女)のいない二人が、ブラインドデート(第3者にセッティングされたデート)をしてみたら、どんな化学反応が起こる? 情報誌 Time Out New Yorkの連載 “The Undateables” から、ニューヨーカーの恋愛&デート事情を覗いてみましょう。

“The Undateables”とは、「デートしていない人たち」の意味。Time Out New York誌が、最近デートがご無沙汰というシングルたちを引き合わせて、どういった進行になるか、毎週異なったカップルのデートを連載しています。

はじめに、彼らのバックグラウンド

●彼らの名前、年齢、居住地区(二人は時に異性、時に同性同士のカップルになる。居住地区は、東京だと中央線、京浜東北線沿いとかでなんとなく感じが分かるように、NYCも住むエリアで生活が推測できる)
●彼らがデートしない理由(仕事優先、別れたばかり、NYに来たばかり、人に対して厳しい性格など)
●こんなデートがしたい(ピクニック、ハイキング、一緒にスポーツ、静かなレストランでワインを1〜2杯いただくなど)

そしてデートした後で、お互いについて

●第一印象
●ビビッと来たか
●きまりが悪かった(イマイチな)瞬間
●別れる時の挨拶(アメリカなので、大概ハグするかキスしている)
●結果(今後があるかどうか)最高ハート5つで評価

これがなかなか興味深くて、はまっているので、あなたにもご紹介しましょう。

エミリーとジョージの場合

 
デート前

Emily 32歳 女性

【職 業】ドッグウォーカー(犬を散歩させる人、アメリカではプロがいて、結構良い稼ぎになる)
【居住地】ブルックリン

George 40歳 男性

【職 業】不動産会社勤務管理職
【居住地】アッパーイースト、マンハッタン(高級住宅地)

【何故デートしてないの?】
Emily 積極的じゃないし、オンラインデートもしないわ。
George  ニューヨークにいる皆は、キャリアアップばかり考えているし、あるいは企業買収が失敗するのを探すのに忙しいのさ。
【こんなデートがしたい】
Emily 自転車でハドソン川沿いを走って、チャイナタウンで飲茶を食べる。
George  メトロポリタン美術館へ行って、ルーフトップバーでカクテルを飲む。

デート後 お互いの印象

【第一印象】
Emily 彼はデートにエキサイトしているように見えたわ。素敵な革ジャンを着ていて、とても寛いでいたわね。友達になれそうな気がしたわ。
George  僕は2分前に着いたんだけど、彼女はその前に着いていたんだ。正直あまり期待してなかったんだけど、彼女は期待以上だった。魅力的で素晴らしかった。
【お互いにビビッと来た?】
Emily 私たちは会話を楽しんだわ。彼のことを知るのも楽しかったし。私は気のある素振りを見せたくなかったけど、実際には苦労したわ。
George  僕は「男はデートでは聞き役が8割で、話すのが2割」と思っているんだ。そこで、彼女にたくさん質問したのさ。彼女に興味を持ったからね。退屈した瞬間なんかなかったよ。
【デートで気まずかった瞬間】
Emily 彼はデートの間、間違いなく彼のママにテキスト(メール)していたわ。ちょっと奇妙よね(彼は40歳)。でも驚かなかったわ。私はこのマザコンに出会ってしまったんだから。なんだか面白いわね。
George 僕のママは、全てを話してしまわないことと僕に教えたよ。だけど、僕は「娘がいる」ことを話したよ。誰かが僕の家族について尋ねた時、娘について話さないのは不正直だと思うんだ。
【デート後】
Emily 食事をした後、彼は私にガムを差し出したのだけど、私は本意を理解していなかったので断ったの。別れの時はただハグしただけ。
George 僕は彼女を駅まで送って行って、頬に軽くキスしたんだ。彼女が僕に名刺をくれたので、彼女に「ありがとう、楽しかったよ」とテキスト(メール)したんだ。
【今後どうする?】
Emily ハート×3 私たちがビビッと来たかどうかは分からないけど、本当に楽しかったわ。まだ言葉にするには早すぎるのかもしれない。彼がまた誘ってくれたら、絶対出かけるわ。
George ハート×4 次のデートは具体的にまだ考えていないけれど、とても楽しかったよ。僕たちはお互いが理解できるから、ただ楽しかったで終わりたくないんだ。きっと僕たちはうまくいくよ。

注※ ハートは5つが最高。

不動産業管理職、バツイチ(もしくはバツがそれ以上)の娘がいるマザコンのジョージと、ドッグウォーカーのエミリーのデートはうまく行ったみたいですね。仕事も環境も全く異なる二人ですが、二人とも嬉しそうで、エミリーは目が輝いて頬が紅潮しています。ある意味ミズものといえる業界で働いているジョージは、すれていないエミリーが新鮮に映ったようです。二人がこの先うまくいくと良いですね。

[参考記事 2015年10月27日掲載]

レイチェルとダニエルの場合

 
デート前 

Rachel 30歳 女性

【職 業】ソーシャルメディア・マネージャー
【居住地】リッジウッド、クイーンズ

Daniel 32歳 男性

【職 業】金融系ヘッドハンター
【居住地】フラッシング、クイーンズ

【何故デートしてないの?】
Rachel 最近彼と別れたばっかり。友人は皆結婚してしまったし、独身の知り合いがいないの。
Daniel  いつも友人の域を出ない付き合いなんだよね。積極的に出る危険を冒さないのもあるんだけど(NYにいて草食系男子?)
【こんなデートがしたい】
Rachel ダイブバーで飲んで、軽食を食べる。
Daniel  メトロポリタン美術館へ行って、その後どこかで飲む。

デート後 お互いの印象

【第一印象】
Rachel 彼は正直私のタイプじゃないわ。ゲッと思うほどじゃないけど。ビジネスシャツに短めのヘアカット(いかにもビジネスマンって感じ)。こういう言葉でいうのは嫌だけど、「もっとヒップスターっぽい感じ(自由業のようなトレンディなスタイル)が好きなのよ」。
Daniel  彼女は僕のタイプじゃないんだ。本質的にね。だけど、僕は彼女がカッコ良く見えたんだ。司書(図書館で働く人)のように見えたよ。僕は保守的なスタイルの女性とデートする傾向があるのさ。
【お互いにビビッと来た?】
Rachel 私たちは二人とも飲むことが好きなので、気があったわ。彼がひどい女嫌いじゃない限り、私は誰とでも話せるのよ。
Daniel  僕たちはじめからスムーズに行ったね。二人ともノリが良くて、エネルギッシュなので、波長が合ったよ。
【デートで気まずかった瞬間】
Rachel 私は早く着いたら、彼がレストランの周りを歩き回っているのが見えたわ。私は多分彼がデートの相手かしら、いや他の人の相手よねとか考えたわ。その後、彼は私の隣に座ってたわけ。
Daniel 僕たちは、なぜ「デートしない人たち」なのかを話し合ったよ。彼女は最近彼氏と別れたばかりだと言ってたね。彼のことを話しながら、「彼について喋りすぎよね」と言い続けてたよ。
【デート後】
Rachel 正直言うと、他のデートのスケジュールが同じ日に入ったの。でも彼が先約だったので、残したわけ。彼は私に無事に家に着いたか、テキスト(メール)してきたわ。
Daniel 彼女はどこかへ行く用があったし、僕は大きなジョッキにビールが残ってたから、彼女がちょっと先に帰ったんだ。彼女は僕に電話番号をくれて、僕たちまた来週会おうねと話したよ。
【今後どうする?】
Rachel ハート×4 とても楽しかったわ。私たちは同じタイプの人間ではないから、ビビッと来るものはなかったけど。でも、2度目のデートもとてもうまくいったわよ。
Daniel ハート×4 何かロマンティックなことに繋がるかどうかは分からないけど、彼女は素敵な人だよ。僕たちの今後がどうなるかに興味があるんだ。

注※ ハートは5つが最高。

お互いにハート4つの高得点。草食系男子? ダニエルは、知的で理路整然としたレイチェルに惹かれたみたいですね。彼女が友人の域で留まらないよう、頑張って積極的に出て欲しいものです。家もご近所のようですし。

[参考記事 2015年11月17日掲載]

ケイトとアレックスの場合

 
デート前 

Kate 24歳 女性

【職 業】デジタル情報マネージャー、アーティスト
【居住地】リッジウッド、クイーンズ

Alex 23歳 男性

【職 業】フォトグラファー
【居住地】クラウンハイツ、ブルックリン

【何故デートしてないの?】
Kate 仕事と個人プロジェクトが忙しくて、デートの時間が作れないのよ。
Alex  最近2年半付き合った彼女と別れたばかり。まだ気持ちの準備が出来ていないんだ。
【こんなデートがしたい】
Kate 一緒にビールを飲む、何か面白いことに出くわさないか街をブラブラする。
Alex  一緒にコーヒーを飲む、アップステート(NYC郊外)へハイキング、ヴィンテージショップで買い物。

デート後 お互いの印象

【第一印象】
Kate 私は特に好みのタイプってないのだけれど、彼って魅力的だったと思うわ。彼の着ていた革ジャン、素敵だったし。穏やかで控えめで良いと思うわ。
Alex  「彼女は殺人鬼には見えないね(笑)」。彼女は素敵だけど、僕の好みじゃないみたいだ。ありきたりでないタイプが好みなんだ。
【お互いにビビッと来た?】
Kate 一般的な話題は避けて、好きな音楽やテレビ、2015年最悪の二日酔い、最もバカをやった旅行の話をしたわ。楽しかったわよ。
Alex  僕たちはお互いの生活について尋ねあったよ。彼女は話しやすいし、話のネタが切れることはなかったよ。でも、何かピンとくるものがなかった気がする。
【デートで気まずかった瞬間】
Kate 私はボディタッチする人間なの。彼に出会った時、立ち上がってハグしたんだけど、彼はちょっとビックリしてたみたいだわ。でも、私に対してのウォームアップが出来たと思うわよ。
Alex  彼女は3ヶ月付き合った彼氏に、「どうやって君と出会ったか思い出せない」と言われたらしいんだ。「僕には決して起こらないことを願ってるよ」と彼女に言ったよ。
【デート後】
Kate 私たちはお互い朝早い予定だったので、駅に向かったわ。彼の駅が近くでなくて、良かったわ。彼が私の電話番号を聞く時間があったし。そしてお互い帰途に着いたの。
Alex  彼女に「次はどこへ行く?」と聞かれたけど、僕はもう付き合いたくなかったんだ。で、明日の朝撮影があるんだと言って、彼女と駅まで歩き、さよならのハグをしたよ。
【今後どうする?】
Kate ハート×4 とっても楽しかったわ。また彼とデートしたいわ。多分彼にテキストすると思うわ。
Alex  ハート×2 多分僕は彼女と付き合うことはないと思うよ。話していて楽しかったけど、残念ながら、期待とは違ってたよ。

注※ ハートは5つが最高。

残念ながら、ケイトはアレックスのタイプじゃなかったみたいですね。二人とも若いので、さっさと次に行きましょう。

[参照記事 2015年12月01日掲載]

この記事の面白いところは、ニューヨーカーの素顔が覗けることです。職種も人種も文化も環境も異なるシングルたちが出会い、どういった化学反応が起きるか。お互いの温度差がありすぎるカップルもいたみたいですけど(苦笑)。

皆が野望を抱いている競争社会のニューヨークで、キャリア優先となり、恋愛に出遅れているニューヨーカーたち。遊ぶ相手はいても、本心をさらけ出して、真剣に付き合う相手を見つけるのは難しいというのは、どこの都市でも共通する問題なのかもしれませんね。

[Time Out New York, The Undateables]
[記事意訳:青山沙羅]

PROFILE

青山 沙羅

sara-aoyama ライター

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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