城下町の情緒が残る、但馬の小京都「出石町」の名物そば

Posted by: 北川菜々子

掲載日: Mar 3rd, 2016

兵庫県にある但馬の小京都、出石町は城下町として栄えた小さな街です。

「古事記」「日本書紀」にも名前が登場する歴史のある古い町。室町時代に、山名時氏(やまなときうじ)が但馬地方を制圧し、江戸時代には仙石家の城下町として発展しました。

現在もその街並が保存され、城下町の情緒が感じられます。写真と共に出石町の街を散歩してみましょう。

出石町のシンボル 辰鼓楼(しんころう)

城下町の情緒の残る 但馬の小京都、出石町
(C) Nanako Kitagawa

辰鼓楼は明治時代の時計台。以前城下町の人々は寺院の鐘で時刻を知っていましたが、明治時代にこれにかわるものとして辰鼓楼が造られました。当初は最上階から鐘を鳴らしていましたが、明治14年に医師、池口忠恕氏が現在の大時計を寄贈し、それ以来、時を刻み続けています。出石町の街を見守りつづけている、シンボル的な存在です。

街を見渡す出石城跡

城下町の情緒の残る 但馬の小京都、出石町
(C) Nanako Kitagawa

出石城は街を見渡す少し高台の位置に立っていました。明治時代になり、廃城令で取り壊されてしまいましたが、堀や石垣などが現存し、城の一部が復元されました。

残念ながら出石城の栄華の面影を見ることはできません。城主は何を思いここから町を見ていたのでしょうか。古い街並を見ながら、昔の出石の風景を思い描きます。

近畿最古の芝居小屋 出石永楽館

城下町の情緒の残る 但馬の小京都、出石町
(C) Nanako Kitagawa

出石永楽館は、明治34年に開館した近畿で一番古い芝居小屋。一度閉館されたものが、平成20年に大修理を終え再開されました。こじんまりとした情緒ある芝居小屋で、舞台とお客さんの距離が近いのが印象的です。

[出石永楽館]

様々な表情を見せる酒蔵 出石酒造

城下町の情緒の残る 但馬の小京都、出石町
(C) Nanako Kitagawa

赤黄色の土壁が素朴な酒蔵が出石町にあります。出石酒造の人によると、この赤黄色の土壁は天候によって色が変わるそうです。まるで建物が生きているように、様々な表情を見せてくれる不思議な建築物です。この酒蔵では美味しい地酒「楽々鶴」を試飲することもできますよ。

名物 出石そば

城下町の情緒の残る 但馬の小京都、出石町
(C) Nanako Kitagawa

城下町の情緒の残る 但馬の小京都、出石町
(C) Nanako Kitagawa

出石町に来たのなら、そばを食べましょう。出石町には約50軒ものそば屋があります。出石焼の小皿に盛りつけ、5枚一組を一人前として食べます。薬味は、卵、とろろ、ねぎ、大根おろし、わさび。出石のそばは口当たりが良く、つるつると何皿も簡単に食べてしまうことができます。

今回出石そばをいただいたのがこちらのお店、「但馬国 左京」。ミシュランガイド 兵庫 2016 特別版にも掲載されている出石そばの名店です。

[但馬国 左京]

出石町は徒歩で簡単に観光できるほど小さな町。昔の城下町の雰囲気を味わうことができますよ。

[但馬の小京都 城下町出石]

PROFILE

北川菜々子

Nanako Kitagawa ライター

2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。

2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。

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