2016年4月現在パリ・リヨン駅で日本の駅弁が販売されています。フランスではBentoという日本語が一般的になりつつあり、日本の弁当文化に興味を持っているフランス人も少なくありません。フランスではどういった駅弁が販売されているのでしょうか? 現地からレポートします。
なぜパリ・リヨン駅で駅弁の販売を?
JR東日本グループとレストランエンタプライズ(NRE)は日本の駅弁文化を海外の人にも知って頂くため、パリ・リヨン駅で駅弁売店「駅弁 EKIBEN」をオープンさせました。2016年3月1日から4月30日までの期間限定のショップ(好評のため2016年5月末まで期間延長)。以前台湾やシンガポールで駅弁のイベントをおこなったことはあるそうですが、じっくり期間を定めて駅弁の販売を海外でおこなったのは今回が初めてとのことです。
担当者の方にお話をお伺いしたところ、パリ、リヨン駅は南仏やリヨン方面の新幹線TGVの起点あり、フランス最大級の発着駅という理由でこの駅が選ばれたのだそうです。日本でいうと東京駅のようなイメージでしょうか。
またフランスはガストロノミーの中心地。駅弁という日本の文化を広めるのには最適の場所でもあります。
一番人気は幕之内弁当
肝心の駅弁はどういったものが販売されているのでしょう。パリに駅弁のお店がオープンしたと聞いた時には、フレンチ風な駅弁かと想像しました。実際お店に伺って、びっくり。日本の駅でみかける和風のお弁当です。
一番人気だという幕之内弁当を早速頂いてみました。サーモンの塩焼きや野菜の煮物、てんぷらなど和食のおかずが詰まっています。特に炊き込み御飯は日本の懐かしい味。フランスで作られたものにもかかわらず、日本の駅弁を食べているようです。
「駅弁 EKIBEN」では、他にパリ・リヨン弁当、日本のおもてなし弁当、おにぎり弁当、助六寿司が販売されています。
工夫されたパリの駅弁
リヨン駅で販売されている駅弁は生鮮材料はフランス産のもの、調味料などは日本のものを使って、バランスよく日仏を融合。駅弁の特徴である、「地域性」が意識されています。
味付けはフランス人に合うように薄味です。フランス人はごはんとおかずを一緒に食べる文化はなく、日本のおかずだとフランス人には濃く感じるそうです。逆に白ごはんだけだと味的に物足りないので、ふりかけをかけたりして工夫をしているとのことです。
現在駅弁を買いに来る客層は7割方がフランス人だそうです。一度買って「美味しかったから」とリピーターのフランス人のお客さんもいるとのこと。日本の駅弁がこうしてフランスで受け入れられているのは日本人として純粋に嬉しく思いました。和風の弁当でなくても、この素晴らしい日本の駅弁文化がフランスで発展し、旅の食事のひとつの楽しみ方に加わればいいですね。
[〜駅弁文化の魅力を伝える~
フランス国鉄初の日本の駅弁売店がパリ・リヨン駅に期間限定オープン]
[フランス国鉄 初の日本の駅弁売店の開業時期について フランス国鉄 初の日本の駅弁売店の開業時期について ]
[All photos by Nanako Kitagawa]