【連載】英国映画ロケ地巡り。歴史ある貴族の館でタイムトラベル!

Posted by: izumin

掲載日: Apr 25th, 2016

英国滞在2日目の観光は、英国中部のダービシャー州にある、英国最古の国立公園「ピークディストリクト」観光へ!

日本人には未だ馴染みの少ない場所でもあるのですが・・・ “1000 Best Houses”にも選ばれている「Haddon Hall(ハドン・ホール)」、ダービシャー観光の中でも人気の高い「チャッツワース・ハウス(Chatsworth House)」、更には、ピークディストリクトの豊かな自然が多彩で、素晴らしい見どころ満載なのです。

【連載】英国映画ロケ地巡り。タイムトラベル感覚を楽しもう

本記事では、以下の4か所ごとの観光地をそれぞれまとめています。

英国陶磁器ブランド「Minton(ミントン)」とのゆかりもある「ハドン・ホール」

【連載】英国映画ロケ地巡り。タイムトラベル感覚を楽しもう

■「Haddon Hall(ハドン・ホール)」とは?
マナーズ卿(ピークディストリクトの貴族)の所有する、歴史深い貴族の館。その歴史は中世英国からと古く、中世より現存する最も素晴らしい邸宅として“1000 Best Houses”にも選ばれている。なお、英国の陶磁器ブランド「Minton(ミントン)」は、この「ハドン・ホール」の壁に掛けられていたタペストリーのモチーフをデザインした「ハドンホール」を1948年に発表したことでも有名。

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英国映画のロケ地としても大変人気があり、映画ファンも多く訪れる。

・映画『ジェーン・エア(Jane Eyre)』(2011年)
>イギリスの小説家「シャーロット・ブロンテ」の長編小説(1847年刊)

・映画『エリザベス(Elizabeth)』(1998年)
>エリザベス1世の前半生を描く歴史映画(主演:女優ケイト・ブランシェット、ゴールデングローブ賞)

・映画『ブーリン家の姉妹(The Other Boleyn Girl)』(2008年)
>主人公ブーリン姉妹には、アン役にナタリー・ポートマン、メアリー役にスカーレット・ヨハンソン

・映画『プライドと偏見(Pride & Prejudice)』(2005年)
>ジェーン・オースティンの小説『高慢と偏見』(英国人女優のキーラ・ナイトレイが主演)

私は8年前に続編『エリザベス・ゴールデン・エイジ』のブログレポを書いていて、この「ハドン・ホール」に訪問することを楽しみにしていました。(映画レポをチェックしたら公開初日に鑑賞し「恋に仕事に生きる女性に是非観て欲しい作品。」とある!)

「ハドン・ホール」はガイドのBev Oatesさんより案内して貰うことに。

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彼女の足元を見てもらうと、深く凹んでいるのが分かりますよね? 実はこの凹み・・・大昔から人々が歩いたことによって自然とできた形跡なのだとか! 日常では小さな扉から出入りをしていたことからも分かるように、昔の人は背丈が低かったことも想像出来ます。

中世のマナーハウスとしての風格漂うこの邸宅に、現在も住んでいる貴族がいるとは・・・!

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とても気さくナチュラルな女性! 本当のお金持ちって、普段は慎ましく過ごしていらっしゃるんですよね。(以前、イタリア・ヴェローナでも貴族邸宅にお邪魔したことがあって、その時にお会いした家主も質素な方でした。)

「ハドン・ホール」の外観はシックながらも、長い歴史を物語ってくれるような深い存在感!

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青空と緑のコントラストの中に佇む「ハドン・ホール」は、まさに荘厳。

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穏やかな時間の流れの中だと小鳥のさえずりがいつも以上心地よく、景色をぼんやりと眺めてしまう。

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「ハドン・ホール」内へ入ると、中世にタイムスリップしたような気持ちに。

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※大昔の家主はウォーキングスペースとして使っていたのだとか! なんて贅沢な!

ステンドグラスの左右にはファミリークラウン(紋章)。左のピーコック! 宿泊していた「ピーコック・アット・ロウズリー」ものと同じですね!!

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ガラスの歪みが特徴的で、このようなガラス窓の前は趣があるので、映画撮影にも最適でしょうね。

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※さぁ、この写真の中にあるピーコックはどこでしょう!?

・・・と、ここで私が興味津々となった楽器を発見!!!!

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ピアノと間違われそうですが、実は小型チェンバロ(スピネット)。1500年代頃のものだとか。私の通っていた、音高と音大にも楽器博物館はありましたが、こんなにも年代物のチェンバロは初めてかも!

現在のピアノの原型はおおよそ1700年前後に発明されたので、それ迄はチェンバロが用いられていたのです。(1700年に存命だった作曲家の例:バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディなど。モーツァルトは1756年生まれ。)

白黒の鍵盤の色合いが今のピアノと逆なのは、弾き手の指先を美しく魅せるためと言い伝えられいます。

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実はこのチェンバロの鍵盤を触らせて貰えたんです! 音がちゃんと出てビックリ!!! 約500年前の音を今でも聴けるって素晴らしいことですよね。非常に感動的な瞬間でした。

教会に足を踏み入れたならば、見事な壁面。どうやら、この絵柄も英国陶磁器ブランド「ミントン」の図案! あぁ~震える感動よ・・・再び!

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磁器マニアの友達と一緒に来たならば、相当盛り上がっただろうに!

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バラ戦争を制し、チューダー朝初代のイングランド王となったヘンリー7世。そして、妻エリザベス・オブ・ヨークの浮き彫り。

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厳かで落ち着いた雰囲気に包まれていると、まるでRPG世界のダンジョンに迷い込んだような錯覚に。

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※階段は馬から乗り降りする際に使用したもの
「ハドン・ホール」の美しい庭の様相などは、コチラの動画からも確認出来ます。

Haddon Hall(ハドン・ホール)
住所:Haddon Hall, The Estate Office, Bakewell DE45 1LA, England
TEL:+44 1629 812855

16世紀建築のデヴォンシャー公爵のカントリー・ハウス「チャッツワース・ハウス」

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■「チャッツワース・ハウス(Chatsworth House)」とは?
ダービシャー観光の中でも人気の高い、16世紀建築のデヴォンシャー公爵(Duke of Devonshire)邸宅。イングランドでも有数の優美なカントリー・ハウスとして名高く、東京ドーム約9個分(105エーカー=約42ヘクタール)の庭園散策が可能。 さらには、30もの豪華な部屋やヨーロッパ最大級の絵画コレクションを鑑賞出来る。

庭園の造形は、2016年に生誕300周年を迎えた英国風景式庭園の父「ケイパビリティ・ブラウン(ランスロット・ブラウン)」。

英国映画のロケ地としても大変人気があり、映画ファンも多く訪れる。

・映画『ある公爵夫人の生涯(The Duchess)』(2008年)
>デヴォンシャー公爵夫人ジョージアナの伝記(英国人女優のキーラ・ナイトレイが主演)

・映画『プライドと偏見(Pride & Prejudice)』(2005年)
>ジェーン・オースティンの小説『高慢と偏見』(英国人女優のキーラ・ナイトレイが主演)

・映画『レディ・ジェーン/愛と運命のふたり』(1985年)
>ロンドン塔に幽閉された「九日間のイングランド女王」ジェーン・グレイの話

・映画『レディ・カロライン(Lady Caroline)』(1973年)
>カロラインとは第五代デボンシャー公爵の姪にあたる

冬の間はクローズしているところを、今回は特別に見学させて貰えることになった「チャッツワース・ハウス」。英国の偉大な造園家「ケイパビリティ・ブラウン」による風景式庭園は見事なもので、過去の製作様子図も見せて貰いました。

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現在、「チャッツワース・ハウス」の外壁は一部修復中。(犬が機材で遊んでいるように見えますね!)

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自生しているように見える遠くの木々も、実は計算しながら植えているのだとか。そう言われてみると、木々の配置にデザイン性を感じますね!

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人工的に造られた滝(カスケード) も発見。この水の流れはその先に繋がっていて・・・。

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この貯水池へと辿りつきます。

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この大きな噴水は高い場所にある水源を利用しながらも手動式で動くタイプで、庭園の中でも目立つ存在。どうやら、12人の愛人がいたロマノフ朝第8代ロシア女帝「エカチェリーナ2世」の訪問を意識して造られたらしい。(そういえば、エカチェリーナ2世はウェッジウッドに「緑蛙紋章」の食器をオーダーしてましたね..むむ!やり手!)

昨年、私はロシアでも「ペテルゴフの宮殿(ピョートル宮殿)」の豪華な噴水を観てきたのですが、この時代の権力者とは噴水で優雅な余興を楽しみながらも、“富の象徴”をも表していたことが理解出来ます。(「ヴェルサイユ宮殿」への意識もあったりとか、それぞれの国や貴族ごとに噴水で競い合っていた点が興味深い!)

代々続くデヴォンシャー公だけに、それぞれの代の主ごとに趣味は異なったようで・・・先ほどまでのノーブル系の銅像と比べてしまうと、これまただいぶ印象が・・・。

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※大きな庭園の至る場所に、テーマの異なる造形物が置かれていて、少々統一性に欠ける点がユニーク!

広大な敷地の一角にはファームや巨大な温室もあって、自給自足出来るような環境も整っているようです。

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そして! この野菜などを扱ったランチが食べられるということで、「ファームショップカフェ」へ。

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お手頃なランチメニューも豊富! 私はお肉系で攻めてみました。

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近くに「チャッツワース・エステート・ファームショップ」も併設しているので、お買い物を楽しむことも出来ます。

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オイシイモノ&買い物好きの私は・・・このようなお店にめっぽう弱い(散財してしまうー!)

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「Great Taste」と描かれたシールが貼られている商品を買うと必ず美味しいのだとか!ふむふむ!

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※「Great Taste Awards」で選ばれた商品ということで、味や品質が保証されているそうですよ!

「チャッツワース・ハウス」を訪れたならば、必ず購入しておくべきお土産といえばコチラ

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キーラ・ナイトレイがデヴォンシャー公爵夫人を演じた、映画『ある公爵夫人の生涯(The Duchess)』のイラスト入りのお菓子。英国画家「トマス・ゲインズバラ」の描いた、大きな帽子をかぶったデヴォンシャー公爵夫人の絵は有名ですよね!

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(C) facebook/Chatsworth House

映画『ある公爵夫人の生涯』は私も映画館で観た作品ですが、世継ぎ問題のアレコレが描かれていて、当時の時代背景も学べたと記憶しています。(デヴォンシャー公爵夫人ジョージアナは故ダイアナ元妃の先祖で、元恋人であったチャールズ・グレイは、あの紅茶「アール・グレー」のお方! ※後のイギリス首相)「チャッツワース・ハウス」を象ったチョコレートは、ばらまき用のお土産にもピッタリですね!

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「チャッツワース・ハウス」の建築物自体も気になったけれど、やはりこの絶景がステキだったなぁ。

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なんて呑気なことを考えていた件は訂正でー!!!! 「チャッツワース・ハウス」の中が、これまた凄かったみたい!
https://youtu.be/g2evXTIiHZE
あぁ、いろいろ悔やまれるぅ・・・。いつかまた、再訪しなければ!

Chatsworth House(チャッツワース・ハウス)
住所:Bakewell, Derbyshire DE45 1PP, England
TEL:+44 1246 565300

映画『プライドと偏見』名シーンロケ地! キーラ・ナイトレイが立ち尽くした崖を臨む

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ピークディストリクト観光といえば、その壮大な大自然に癒されたいという方も多いはず。

フットパスの先に見える崖「Stanage Edge(スタニッジ・エッジ)」といえば、映画『プライドと偏見』でキーラ・ナイトレイが崖の上に立っていた名シーンが印象的でした。放牧された羊もたくさんいて、心穏やかな気分になれますよ。(※ナイスビューポイントその1です!)

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Stanage Edge(スタニッジ・エッジ)
住所:Bakewell Rd, Rowsley, Matlock, Debyshire DE4 2E, England
TEL:+44 1629 733518

「モンサル・デール」を望む「モンサル・ヘッド」は目を見張る素晴らしさ!

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あともう1か所、忘れてはならないナイスビューポイントと言えば「Monsal Head(モンサル・ヘッド)」。まるで絵葉書のような眺望が広がっていて、この絶景エリアもおすすめ!!!

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「モンサル・ヘッド」の直ぐ近くには、「Monsal Head Hotel(モンサル・ヘッド・ホテル)」も存在。先ほどの「チャッツワース・ハウス」からは車で20分弱の距離なので、あわせて観光するも良し。

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ベンチに座りながら、絶景をご馳走に寛いでみては如何でしょうか!?

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Monsal Head(モンサル・ヘッド)
住所:Monsal Head, Nr Bakewell Derbyshire, DE45 1NL, England

[Photos by izumin]

PROFILE

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ブロガー歴13年以上。活動範囲は国内のみならず、日本のメディアを代表するブロガーとして世界で活躍中。各国政府観光局及び航空会社との様々なタイアップ企画への参加をはじめ、アンバサダーブロガー、オフィシャルブロガーを複数兼任。独自の視点で写真を編集し、ビジュアル重視の「魅せるブログ」記事を展開している。

ブロガー歴13年以上。活動範囲は国内のみならず、日本のメディアを代表するブロガーとして世界で活躍中。各国政府観光局及び航空会社との様々なタイアップ企画への参加をはじめ、アンバサダーブロガー、オフィシャルブロガーを複数兼任。独自の視点で写真を編集し、ビジュアル重視の「魅せるブログ」記事を展開している。

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