> > > > 【連載】海外の嘘のような本当の話/第5回「水族館から脱走して海へ帰ったタコ」

,, | 豆知識,オセアニア・南太平洋,スライドショー,ニュージーランド

【連載】海外の嘘のような本当の話/第5回「水族館から脱走して海へ帰ったタコ」

ライター: 倉田直子
更新日: Jun 15th, 2017

オランダ在住、TABIZINEライターの倉田直子です。子どものころから、日本の常識では考えられないような、外国の面白いハナシが大好きでした! この連載で、筆者が直接または間接的に見聞きした「まさかそんなことがあるなんて!?」というお話を、みなさんとシェアしていきたいと思います。

■あわせて読みたい 【連載】海外の嘘のような本当の話
第1回「オランダではキスマークが切手の代わりになる!?」
第2回「イギリスには狼男や吸血鬼に襲われた時のための保険がある!?」
第3回「王様と自動車整備工、二足のわらじを履く部族王」
第4回「イスラム圏では、披露宴は男女別々に行う!?」


筆者が中学生の時、おもむろに友人から「実はタコは、ものすごく頭いいんだって! 脳のどこかの神経が一本つながれば、人間を超えて地球の支配者になれるらしいよ!」と言われて戦慄したことがあります。

今にして思えば「地球の支配者」はただの都市伝説なのですが、少なくとも「タコは頭がいい」という部分は本当のようです。今回は、そんな賢いタコが繰り広げた痛快脱走劇をご紹介したいと思います。

というわけで今回は、ニュージーランドのお話。


好奇心旺盛な人気者インキー君

タコの脱走劇の舞台となったのは、ニュージーランド北島東岸ホークス湾に面した街ネーピアの国立水族館(National Aquarium of New Zealand)。

【連載】海外の嘘のような本当の話/ニュージーランドの水族館からタコが大脱走!
(C) facebook/National Aquarium of New Zealand

今年の年初に水族館の職員が出勤してきたとことろ、2014年に地元の漁師から水族館に寄贈されたタコのインキー君(Inky)の水槽が空になっていたというのです。

【連載】海外の嘘のような本当の話/ニュージーランドの水族館からタコが大脱走!
(C) facebook/National Aquarium of New Zealand

こちらが、水族館の人気者だったというインキー君の脱走前の姿。見かけは普通のタコですが、「とても好奇心の強い子だったよ」と水族館のヤレル館長(Rob Yarrell)は語っています。

そもそも前述のように、タコは非常に頭のいい生き物。道具を使ったり、寝る前に巣の戸締りをしたりと、人間に似た傾向がいくつもあるといいます。そればかりではなく、人間同様に個体の性格がはっきり表れるそうで、このインキー君は館長が語るように非常に好奇心が強い性格だったのだとか。

【連載】海外の嘘のような本当の話/ニュージーランドの水族館からタコが大脱走!
(C) facebook/National Aquarium of New Zealand

そんな性格で頭が良かったら、確かに狭い水槽は退屈だったのかもしれませんね。では一体、インキー君は何処へ、そしてどうやって逃げ出したのでしょうか。

まるで映画のよう?インキー君の脱走劇

【連載】海外の嘘のような本当の話/ニュージーランドの水族館からタコが大脱走!
(C) facebook/National Aquarium of New Zealand

インキー君の脱走は、水族館が閉館されている夜中に行われたので、誰も目撃者はいません。ですのでこれはあくまでも水族館側の推測ですが、上の画像が示すようにまず水槽をよじ登って水槽カバーの隙間から身を滑り出させ、床に伝いおりたようです。

なんでもタコはコインくらいの隙間があれば体を滑り込ませられる軟体動物なのだとか(こちらのリンク先の動画で、タコが船のデッキにある数センチの隙間から脱走する様子が見られます)。そしてインキー君が元々いた水槽から数メートルの場所にある排水口に滑り込み、外に出たと考えられています。

この排水口は50mほどあるパイプにつながっているそうですが、そのパイプの先は・・・なんとホークス湾! つまり海に直接つながっているのです! 他にも水槽の上部にある排水口に吸い込まれて床下のパイプを経由したという説もありますが、どちらにしても海につながっていることには変わりはありません。まるで映画の「ファインディング・ニモ」や「ショーシャンクの空に」を思わせる脱走劇ですね。

【連載】海外の嘘のような本当の話/ニュージーランドの水族館からタコが大脱走!

それにしてもインキー君、排水口(床上でも水槽上部でも)の先が海だということをどうやって知ったのでしょう。それとも、どこかはわからないけれど、持ち前の好奇心で飛び込んでみたのでしょうか。どちらにしても、注意深く周囲を観察していたのでしょうね。水族館側は、インキーがいなくなったことを残念に思いつつも、「捜索はしない」と話しています。きっと今頃は、広い海をのびのびと泳ぎ回っていることでしょう。




[Photo by Shutterstock.com]
[The great escape: Inky the octopus legs it to freedom from aquarium]
[Inky’s Daring Escape Shows How Smart Octopuses Are]
[The octopus’ ‘human-like’ intelligence]
[Article: Octopi Have a Brain in Every Tentacle]

倉田直子

Naoko Kurata ライター
オランダ在住ライター。元バックパッカーの旅行愛好家。2004年に映画ライターとしてデビュー。2008年、北アフリカのリビアへ移住後に海外在住ライターとして活動スタート。2011年から4年間のUKスコットランド生活を経て、2015年夏にオランダへ再移住。著書「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間」
https://www.amazon.co.jp/dp/B0758JCDTM/


,, | オセアニア・南太平洋,ニュージーランド,豆知識,豆知識