岐阜県高山市。江戸時代の商家町が残る古い町並みは和の情緒にあふれ、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。
フランスの旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では、高山は4回連続で最高評価の「3つ星」を獲得。高山市商工観光部観光課がまとめた「平成26年観光統計」によると、高山市を訪れた外国人観光客数は宿泊ベースで28万人で、前年比24.44%増だそうです。散策マップは10言語も用意されていて、市内のいたるところで多言語併記の案内板が設置。また無料wifiスポットも多く、筆者が旅した印象でも外国人観光客が安心して楽しめるような工夫がたくさん見受けられました。
散策するだけで江戸時代にタイムスリップした気分になる高山市の中心部「さんまち通り」ですが、お酒好きにオススメなのが「酒造めぐり」。
飛騨山脈を源流とする水や良質な米、寒冷な気候に恵まれた高山は古くから地酒作りが盛んで、現在では7軒の酒造があります。どの酒造も試飲できるので風情あふれる街並みを眺めながらほろ酔い気分を楽しめるんですよ。今回は、7つの酒造を全てご紹介しましょう。
原田酒造場

安政2年(1855年)創業の原田酒造場。伝統の技と昔ながらの冬期仕込みにこだわる酒造。

店内には麹から手作りされる高山の地酒「山車」をはじめ、種類豊富な日本酒が並びます。

200円でお猪口を購入すると、10種類以上のお酒を1杯ずつ試飲できます。お猪口と言えども全て試飲するとかなりほろ酔いに・・・。4月~10月は貯蔵蔵を無料で見学できますよ。
[原田酒造場]
二木酒造

創業は元禄8年(1695年)の二木酒造。精白率の高い吟醸酒と大吟醸酒のみを作り続ける酒造です。

一切加熱処理をしない爽やかな口当たりの「氷室」や、お米の旨みを最大限に引き出した「玉の井」、季節限定銘柄など7種類を一杯100~200円で試飲できます。

「玉の井」をいただいてみることに。やわらかな口当たりながらもキリッとした辛口も楽しめました。
[二木酒造]
平瀬酒造店

高山の酒造の中でも、最も古い「平瀬酒造店」。創業は1623年で、現在の当主はなんと15代目だそう!

代表銘柄は飛騨のブランド米「ひだほまれ」を使用した「久寿玉(くすだま)」。お米の旨みを感じる「純米生酒」や、辛口淡麗の「特別本醸造」などお猪口一杯100〜200円で試飲できます。製造方法の違いを味わえるのもうれしいですね。

「特別本醸造 久寿玉」。まろやかな奥深さと心地よい辛口が印象的でした。
[平瀬酒造店]
平田酒造場

明治28年(1895年)創業の平田酒造。「酒は製造というより育てるもの」をコンセプトに掲げ、手造りにこだわる酒造です。

飛騨のブランド米「ひだほまれ」を使用した、代表銘柄「飛騨の華」などを試飲できます。お猪口一杯100〜200円。10年以上も長期熟成された秘蔵古酒「酔扇」はぜひ試してみたい逸品。
[平田酒造場]
舩坂酒造店

創業200年の歴史を持つ「舩坂酒造店」。代表銘柄「深山菊」や「甚五郎」をはじめ、女性でも飲みやすい果実酒も充実。中庭を抜けると「御食事処 味の与平」があり、飛騨牛や地野菜を使ったメニューもいただけますよ。

お猪口サイズの無料試飲もありますが、升に注がれたお酒をいただくことも可能(200円~)。バースペースや中庭の望めるテラス席もあるのでゆっくりと味わえますよ。
[舩坂酒造店]
老田酒造店

創業300年の老田酒造店。飛騨高山の清らかな水で丹念に仕込んだ、超辛口の「鬼ころし」が全国的に有名。

代表銘柄「鬼ころし」をはじめ、すっきりした口当たりの限定酒「夢悠遊(ゆめゆうゆう)」なども試飲可能。大吟醸飲み比べ甘辛セット(500円)もオススメです!
[老田酒造店]
川尻酒造場

天保10年(1839年)創業の川尻酒造場。昔ながらの手造りがこだわりで、おり酒以外は数年の貯蔵期間を置く熟成古酒に特化した酒造です。

代表銘柄「ひだ正宗」などが味わえる利き酒3点セットは500円。まろやかな奥深いおいしさの古酒をじっくりと楽しみたいですね。
[川尻酒造場]
豊かな自然が生み出した、伝統ある高山の地酒。和の情緒あふれる町並みを眺めながら、ほろ酔い気分を楽しんでみませんか?
[All Photos by Nao]

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Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
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