どの国も訪れる季節によってその印象がかなり変わるもの。それは日本を訪れる外国人観光客にとっても同じことです。
住み慣れた私たち日本人にとっては当たり前のことでも、外国人が驚く日本の夏事情とは何でしょうか? 筆者が実際に耳にした声を集めてみました。
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金魚すくい
夏祭りといえば「金魚すくい」。日本人には馴染み深く、子供の頃夢中になって挑戦した思い出のある方も多いのではないでしょうか。ですが、海外では非常に珍しく「日本の夏祭りを紹介されているテレビで金魚すくいを見てから、ずっと挑戦してみたかったの」という声もよく耳にします。
一方で「生き物で遊ぶなんて、残酷。金魚がかわいそう」という、ちょっと考えさせられる声も。みなさんはどう思いますか?
また古くから日本には、夏に金魚を愛でて涼を感じるという習慣がありますが、「魚を見て涼しさを感じるってどういうこと?」と不思議がる声も挙がりました。このような声を耳にするたび、説明してもなかなか伝わらない、このような日本人独特の感性を大切にしてゆきたいなと感じます。
幻想的な夏祭り
幻想的な灯りで彩られる日本の夏祭り。日本独特の風情を感じられる、特別な世界観が広がる空間でもあります。
「幻想的な美しさに心奪われた」という声から「夏祭りの屋台が楽しすぎる! 食べ物のおいしさにもびっくり」という意見も。夏の日本に行くなら夏祭りに行ってみたいと楽しみにしている観光客も多いようです。
花火が最高に美しい
海外でも花火は珍しくありませんが「日本の夏の花火大会の規模や美しさに驚いた」という声がちらほら挙がりました。特に「夜なのにまるで昼間のように辺りが明るくなるフィナーレに感激した!」と興奮気味に体験談を話してくれた方の意見が印象的でした。
確かに海外の花火大会は「あれ? これで終わりなの?」と感じてしまうものもしばしば。それと比べると、日本の花火大会のフィナーレは心に響く迫力があります。
“クール”なレストランがある
「日本でとっても“クール”なレストランに行ってきたよ! 川の上に建つレストランに!」とキラキラと目を輝かせて話す友人。最初は「変わったレストランがあるんだなあ。行ってみたいな」と彼女の話に耳を傾けていたら、どうやらき「川床」の話をしているのだということが判明。
京都の夏の風物詩である川床。特に貴船の川床は、川のすぐ上に川床が設けられており、手を伸ばせば水に触れられる程の距離が魅力的。緑豊かな自然の中で京料理を楽しめるなんて、最高に贅沢な時間ですよね。
夏なのに働いている
よく「日本人は働き者」と言われますが、日本の夏休み事情を知って驚いたという声をよく耳にします。それは夏休みの期間が短いということ。たいていの方は5日、短いと2〜3日、長くても1週間くらいという方がほとんどなのではないでしょうか。
特にヨーロッパでは「夏休みは2週間から3週間」という人が多く、筆者が住むクロアチアでも同じこと。筆者が住む首都のザグレブは夏のバカンス期間になると、働くビジネスマンの姿を見かけることが激減するばかりか、みんなこぞって吸い寄せられるように海沿いの町へ休暇に出かけてしまうので、町中がガランとした雰囲気に包まれるほどです。
そんな国から日本にやって来た人たちは「夏なのに東京は働くビジネスマンの姿で溢れている・・・!」と驚き、さらに日本人の夏休みの短さに衝撃を受けてしまったそうです。
勤勉なのは素晴らしいことだとは思いますが、もう少し日本の社会もみんなが長期休暇を楽しめる風潮になるといいですね。
夏なのにスーツを着ている人がたくさんいる
「日本人は夏なのに働いている!」と驚く声と一緒によく挙がったのが「日本には夏なのにスーツを着ている人がたくさんいる」という意見。日本では仕事着といえばやはりスーツですよね。ですが、もちろん国や職業によってさまざまではありますが、そもそも海外では夏に限らず、普段からあまりビジネスシーンでもスーツを着用しないという人が多い国もたくさんあるのです。
「日本の夏はただでさえ暑いというのに、そんな暑さの中で長袖のシャツ、ジャケットのスーツを着て働く日本人の姿に脱帽。夏はもっぱらTシャツにズボン姿が定番の僕には、とても真似できそうにない」というのはロシア人男性の声。
最近は日本でもクールビズで「ノーネクタイ・ノージャケット」がかなり浸透してきたようですが、それでもまだまだ日本では「ネクタイをきっちり締めて、夏でも長袖のシャツ、ジャケットを着るのが礼儀」とされる傾向がありますよね。
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湿度が高い
夏が暑いのは当たり前ですが、日本の夏は暑さに加えて湿気が多い事に驚く外国人が多いようです。あまり湿度が高くないヨーロッパなどでは、夏でも日陰に入れば比較的涼しく快適に過ごすことができます。ですが、湿度が高い日本は日陰に入っても全身にまとわりつくような蒸し暑さが感じられますよね。
はじめての日本の夏を体験したクロアチア人からは「空港から出た瞬間、ムッとした空気が全身を包み込み、一瞬息が詰まるような感覚に陥った。日本の暑さに慣れるまでかなり時間がかかったよ」という感想を耳にしました。
確かにヨーロッパの夏に慣れてしまうと、久しぶりに夏の日本に帰国すると、湿度が多い日本の夏はとても辛く感じます。
すいかに塩をかける
最後にもうひとつ。筆者が毎夏のようにクロアチア人にビックリされるスイカの食べ方があります。別にすいかにお醤油をかけたり、煮込んでるわけでもありませんよ!
クロアチア人がびっくり仰天するすいかの食べ方・・・それはすいかに塩をかけるという食べ方。ある日何気なく「久しぶりに塩をかけてみよう」と、塩をひとつまみパラリとすいかにかけたのです。すると、それを見たクロアチア人たちはびっくり仰天!「キミは一体何をしているんだ?!」と大騒ぎ。あまりに驚く彼らの様子にこっちがびっくりしてしまったのですが、それからというものクロアチアの人たちの反応がおもしろくて、夏になるとよくすいかに塩をかけています。
ちなみに、「日本では1玉1000円もするの?!」とすいかの値段の高さに驚く人や「日本では黄色いすいかや、四角いすいかが売っているって本当?!」という声も。すいかに塩をかけて食べたり、黄色いすいかが売っている国は日本以外にもあるのかな・・・と、最近すいかを食べる毎に、ちょっと気になっています。
以上いかがでしたでしょうか?
私たちにとっては当たり前の日本の夏の光景も、海外から見れば特別なことが他にもたくさんあるはずです。そんな「当たり前だけど実は特別な日本の夏」を感じながら過ごすと、いつもより夏が楽しく感じられるかもしれませんね。
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