佐賀県北部、玄界灘を望む呼子(よぶこ)町。古くから港町として栄えた呼子は「イカは白い」という概念が覆されるようなイカが名物。透明度抜群の「イカの活きづくり」目当てに、県内だけでなく全国からも多くの観光客が訪れるほど。
今回は呼子でしか味わえない、息を呑むほどのみずみずしい絶品イカを食レポ。
イカの町として有名な、佐賀県の呼子
博多から電車とバスに乗って約2時間半の呼子町。佐賀県北部の玄界灘は対馬海流、黒潮育ちのおいしいイカを育てる好漁場として知られ、呼子港には集魚灯をつけた漁船が何隻も停泊しています。
海沿いのいたるところで、イカが天日干しされている風景に出会えます。ゆったりとした時間が流れる港町。
限りなく透明な、イカの活きづくりを堪能できる「河太郎」
呼子を訪れたら、一度は食べておきたいのが鮮度抜群の「イカの活きづくり」。呼子ではじめて「活きづくり」を出したのがこちらの「河太郎」。お昼時などは1時間待つこともあるほどの超人気店です。
海が眺められ開放感たっぷりの店内。客席の隣には大きな生簀があります。
イカがストレスを感じずに泳げるように、生簀の水は海からポンプで海水を汲み取って循環させているのだそう。イカは温度変化に弱く水揚げした瞬間から鮮度が落ちてしまうので、船から直接生簀に放すのだとか。これは呼子湾の地形ときれいな海水だからこそ可能のようで、他の地域ではそう簡単なことではないのだとか。
輝くようにみずみずしく透明な「剣先イカの活きづくり」。まさに息を呑むほどの美しさ! 生簀からイカを取り上げてから、さばくのに1分とかからないという職人さんの技が光ります。超新鮮なだけにゲソがピクピクと動いていました・・・。
お箸で持つとさらに際立つ透け具合。コリコリとした歯ごたえが秀逸で、深い甘みも感じられます。こんなおいしいイカを食べるのは間違いなく初めて。東京のスーパーで売られている、白くてネチョネチョしたお刺身とここまで違うものか! と衝撃を覚えてしまいました。
頭の部分も限りなく透明。
残ったゲソなどは天ぷらか塩焼きにしていただけます。揚げてもプリッとした食感で素材の新鮮さがわかりました。これだけでビールが何杯でもいけそう。
ふっくらと蒸されたイカの焼売。イカの旨味がジュワッとして絶品! 今回いただいた「イカの活きづくり定食」はご飯、吸い物、焼売、小鉢、赤だし、漬物、フルーツがついて2700円(税込)。昼食としては少々お高めではありますが、これだけ超新鮮なイカを味わえるのであれば妥当な値段かと思います。
こちらはデザートにおすすめの「イカスミのソフトクリーム」。見た目ほどクセは全くなく、ほんのりした塩気が絶妙でした。
息を呑むほどの、透明でみずみずしい呼子の「イカの活きづくり」。九州を訪れることがあれば、穏やかな港町と絶品のイカを堪能する旅をしてみてはいかがでしょうか?
[河太郎]
[All photos by Nao]