「ミシュランガイド香港・マカオ」2016年度版に「ストリートフード」部門が新設!
香港は、広東料理はもちろん、世界中のあらゆる料理を楽しむことができる、世界有数の「美食の都」。美味しい料理を食べることを目的に、香港に足繁く通う人もたくさんいます。でも、世界中の美味しいもの好きをひきつける理由は、ゴージャスな料理だけじゃありません。香港は、地元の人たちが日常的に食している「ストリートフード」の充実にも目をみはるものがあります。
広東語では「街頭小食店」と表される「ストリートフード」は、学生たちのおやつとして、ビジネスマンが気軽に食べられる軽食として、香港の人々にとってなくてはならない存在。2016年度版の「ミシュランガイド香港・マカオ」には、世界初の新カテゴリーとして、HK$10~20(140~280円)で楽しめる「ストリートフード」部門が新設されたほどです!
「ミシュランガイド香港・マカオ」2016年度版には、23店のストリートフードが掲載されました。で、いったいどんなものが食べられるの? そんな疑問に答えるべく、ミシュランガイドが認めた、香港の「ストリートフード」のなかから、特におすすめの4つをご紹介しましょう。
香港人のソウルフード「腸粉」(チョウフン)の人気店
ミシュランが認めた「ストリートフード」のひとつが、深水埗にある「合益泰小食」。香港人のソウルフードともいわれる「腸粉(チョウフン)」の人気店です。腸粉とは、米粉を水で溶かし、薄く延ばして蒸した後、丸めて棒状のヌードルにしたもの。見た目が腸に似ているため、こんな名前がついたのだそうです。
香港に「腸粉」を提供する店は星の数ほどありますが、店のまわりには常に行列ができています。こちらは、お好みでチリソースや白ゴマのソース、醤油ベースと一緒にいただくのが特徴。つるんとした食感と自分自身でアレンジできるソースの味わいが癖になり、ついつい食べ進めてしまいます。
住所:深水埗桂林街121號地下
外はかりっ、中はふわっ。やさしい甘みの「鶏蛋仔」(ガイダンジャイ)
ベビーカステラが連なったようなルックスが印象的な「鶏蛋仔」(ガイダンジャイ)も、香港では定番のおやつ。なかでも「ミシュランストリートフード」に掲載された、人気店が、香港島の住宅街・北角に位置する「北角鶏蛋仔」です。
「鶏蛋仔」は、卵、砂糖、小麦粉の3種類を主な材料とし、たこ焼き器のような機械に流し込んで焼きあげる、いたってシンプルなスイーツ。店の周辺にはほのかに甘い香りが漂い、つい引き寄せられてしまいます。かなりのボリューム感ですが、素朴なやさしい甘さと軽やかな食感が後をひき、気付けば完食してしまっているかも!?
住所:北角英皇道492號
素朴でどこか懐かしい、広東風菓子の人気店「坤記糕品」
「坤記糕品」は、「合益泰小食」と同じく、深水埗にある伝統的な広東風菓子の人気店。イチオシの「砵仔糕」(ブッチャイゴウ)は、小豆入りのういろうに似た食感のお菓子。砂糖(ブランシュガーか白砂糖)や上新粉を小鉢に入れ、蒸したもので、竹串を刺していただきます。
ほかにも店頭には、どこか懐かしさを感じるお菓子がずらり。おみやげには、中華風蒸しケーキ「蛋糕」 (ダンゴウ) もおすすめです。
住所:深水埗福華街115-117號
豆腐のおいしさ、奥深さが実感できる豆腐専門店
1893年から続く豆腐の老舗として知られる、「公和荳品廠」では、揚げ豆腐や魚介入りの豆腐など、自家製の豆腐を使ったメニューを多数展開。なかでも同店の看板メニューであり、女性を中心に絶大な人気を博すのが、豆乳やジンジャーシロップとあわせた「豆腐花」(ダウフーファー)。お好みで、アイス(凍)とホット(熱)を選ぶことができます。大豆の甘味がしっかり感じられる、ほんわかやさしい味わいに、旅の疲れも吹き飛びます。
余裕があれば、できたての「豆乳」も合わせていただきたいところ。そのまま食べても良し、テーブルに置いてある黄色い砂糖をかけても美味しくいただけます。店主の娘さんが日本語が堪能で、店内に日本語のメニューがあるのも心強いです。
住所:深水埗北河街118號地下
いずれも鮮烈な個性を放つ4軒、きっと家の近所にあったら通いつめてしまうはず。やはり香港フードは奥が深い! 今回、ご紹介した店を定点観測するとともに、新たなストリートフード店の開拓にも励みたいところです。・・・なんだかお腹がすいてきました。
[All photos by Kelly]
[取材協力:香港政府観光局]