
九龍の長沙灣に出かける!
このお店の名前は「坤記竹昇麵」です。この「竹昇麺」は、長い竹を使って、その中央部分に麺を置いて、竹の端に乗って体重をかけて練るという、昔ながらの製麺方法で作るしっかりコシのある麺。テレビなどで見たことがある人も多いかと思います。

長沙灣は、香港島のセントラルからMTRで30分足らず。九龍半島側にあります。香港島のオフィス街、九龍側の港湾地区の産業地区のいずれにもアクセスが良い住宅街です。とはいえ土地が狭い香港ですから、長沙灣の駅を降りて地上に出ると、高層の住宅ビルが立ち並んでいて、狭い空がちょっと窮屈に感じられます。日本で想像する住宅街の様子とは、ずいぶん異なります。

高層住宅ビルを抜けると、昔ながらの建物が並ぶ商店街があります。比較的古いビルに、様々な色彩のお店の看板と、いかにも香港らしい風情です。この辺りは観光地ではないので歩いているのはほぼ地元の人ばかり。気ぜわしさはありますが、なんとなくのんびりしているようにも感じられます。
ミシュラン店なのにかなり地元感たっぷり

その商店街の黄色い看板が目印の坤記竹昇麵。間口は4mほどで、街の食堂と言った外観です。よく見るとミシュランのキャラクター「ミシュラン マン」のイラストも描かれていました。
実はこのお店、2010年創業と新しいながらも、シュラン香港の常連店。ビブグルマンに7年連続で選ばれているんです。
ミシュラン ビブグルマン:「3,500円(サービス料、席料含む)以下で特におすすめの食事を提供している」
香港ミシュランに掲載されているビブグルマンの数は65店。香港には16,000以上の飲食店があると言いますから、なかなかの実力です。
四寶雲吞麺のバランスの良さが絶品

「四寶雲吞麺」(38香港ドル、約530円)をいただきました。「四寶」4つの宝の雲吞とは、魚卵と貝柱に海老の雲吞、蟹の卵の雲吞、豚肉の雲吞に、水餃子の4つ。そこに緑鮮やかな菜の花。黄ニラがパラパラとかけられていました。
スープはシンプルでスッキリしていますが、魚、海老、豚骨、羅漢果、甘草でとられていて旨味がたっぷり。竹で打った麺はしこしこと腰があってつるっとした口当たりで、スープによく合います。入り口脇に長い竹で麺を打つ空間があるので、運が良ければ、長い竹を使って麺を打つ様子を見ることができます。
麺の食べ歩きならおやつ感覚でもいいかも

このお店に入ったのは午後3時ごろ。昼時には混み合うお店ですが、この時間の空いている店内にはフランス語を話す観光客らしいお客さんや、お昼時を逃した地元の人がいいるだけで、落ち着いた雰囲気でした。
香港の麺料理は、あっさりしたスープに麺の量もあまり多くないので、ちょっと小腹を満たすのにもいいと思います。それに、こんなに手の込んだ麺、スープ、ワンタンをこの値段で楽しめるなら、ちょっと離れた場所にあるお店にも、出かける価値があると思いました。
[All photos by Atsushi Ishiguro]
Atsushi Ishiguro ライター&フォトグラファー
旅するフードフォトグラファーです。そして、食生活について考えて、レシピを開発して料理もします。「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のおいしいものを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現し、みなさんと一緒に食べたいというのが、私のビジョンです。
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