初めて訪れる外国で道に迷うと、心細くなりますよね。特にそれが、周囲に人気のない田舎道だったりすると「もう二度と戻れないのでは」なんていう考えが頭をよぎったりするのではないでしょうか。そんな不安な状況に陥った人が、まるで山の神様のお遣いのような存在に助けられて話題を呼んでいます。
スイスで出会った美しい猫
それは2013年、アメリカ在住ハンガリー人の男性（ネット上の通称sc4s2cgさん）が23歳の時の出来事です。春の休暇を利用して故郷に里帰りした際、バックパッカーとして約1か月の欧州旅行に出たその男性は、4月にスイスに立ち寄りました。中部のギンメルヴァルト（Gimmelwald）という、アイガー、メンヒ、ユングフラウなど有名なアルプス山脈の山々にもほど近い場所でハイキングに出かけた彼は、ちょっとしたトラブルに見舞われます。実は、通ろうと思っていた道が積雪で閉ざされ、帰り道が分からなくなってしまったのです。そしてハイキングと地図のにらめっこに疲れ、ベンチに腰を下ろした彼の前に、とある客人が現れました。
(c) sc4s2cg
それが、この猫。アルプス山脈を背景に佇む凛とした姿は、神々しくすらあります。
このハチワレ（頭の部分の柄が「八の字模様」になっている猫を指す言葉）猫ちゃんは、ベンチに座り込む男性の周囲をウロウロと歩き回り、まるで「付いてこい」とでも言うように彼をじっと見つめたのだとか。
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そして彼がハチワレ猫に従って歩き始めてからも、ちゃんと付いてきているか気にするそぶりを見せるのです。そんな人懐っこい猫に語りかけながら歩いて行った彼は、いつの間にか宿につながる道へと辿り着いたのだとか。
見知らぬ猫に助けられるという、まるでおとぎ話のような体験をしたこの男性。素敵な思い出になるように、猫の写真と映像を記念に残しました。けれど、本当の驚きはそれから3年後に訪れたのです。
掲示板サイトに猫の目撃情報が！
スイスで猫と出会ってから3年後の2016年8月に、男性は何気なくReddit（レディット）という掲示板サイトに猫の画像を助けてもらったエピソードと共に投稿しました。するとなんと、「自分もその猫に出会った」という掲示板読者が何人も現れたのです！ そのうちのおひとりが掲示板にアップした画像は猫のポーズまで同じで、「カメラを向けると、この角度を取るのがお気に入りなのかな」なんて微笑ましく感じられます。
そして更に掲示板には、ギンメルヴァルトのとある宿で飼っている猫ではないかという情報も寄せられていました。しかし、挙げられた名前を頼りに筆者もその宿のホームページを見てみましたが、黒猫の写真は見つかったもののハチワレ猫の姿を見つけることはできませんでした。少し残念に思う反面、そうやって謎な部分が残っていたほうがロマンがありますよね。
【Macska követ】
こちらの動画で、ハチワレ猫が男性を道案内している様子がご覧になれます。外国で道に迷うなんて心細いですが、もしこんなに可愛い猫が道案内してくれるなら、どんな場所でも安心して出かけられそうですね。
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[Photo by Sutterstock.com]
[This Cat Guided A Lost Man Down A Mountain In Switzerland]
[The cat that guided me down the mountain when I got lost in Gimmelwald, Switzerland]
PROFILE
Naoko Kurata ライター
オランダ在住ライター。元バックパッカーの旅行愛好家。2004年に映画ライターとしてデビュー。2008年、北アフリカのリビアへ移住後に海外在住ライターとして活動スタート。2011年から4年間のUKスコットランド生活を経て、2015年夏にオランダへ再移住。著書「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間」
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