1300年の都、奈良。「古都」といえば京都を思い浮かべる人が多いですが、いま奈良を一人でふらっと訪れる「奈良女子」が増加中なのだとか。女子旅にぴったりの「ならまち」の魅力をご紹介します。
いま「奈良女子」が増加中
筆者が奈良で宿泊したゲストハウスの女将さんによると、近年奈良を一人で旅する「奈良女子」が増えているのだとか。お隣の京都と比べ観光客が少なく、静かな日常の雰囲気が残る奈良は、気負わない女性の一人旅にぴったりなのです。
華やかな京都もいいですが、素朴な情緒あふれる奈良は、ほっこり、気ままな旅を叶えてくれますよ。
奈良の女子旅なら、風情漂う「ならまち」
「ならまち」とは、世界遺産・元興寺の旧境内を中心に広がる門前町。「ならまち」という呼び名は通称のため、地図にはありません。江戸時代末期から明治にかけての商家や町屋が並ぶ光景は、情緒満点。
歴史ある格子の街並みに、古民家を改装したおしゃれなカフェや雑貨ショップが点在し、宝探し気分で歩きたくなる街です。1キロメートル四方と、コンパクトなエリアなので、徒歩での散策にぴったり。古都の風情を感じながら、のんびりと歩いてみましょう。
建物細部の観察が楽しい「ならまち」歩き
文化財指定の建物に現在も人が暮らす、ならまち。通りを歩けば、美しい格子やユニークな瓦、透かし彫りなどで彩られた個性豊かな家々が目に飛び込んできます。
街並み全体を眺めるだけでなく、建物の細部にも目を向けるのが、ならまち散策を2倍楽しむポイント。
おや、ネパールで見たような・・・と思ったら、本当にネパールの伝統的な飾り窓でした。1970年の大阪万博のネパール館で使用されていたもので、日本とネパールの友好の証として、元興寺に寄贈されたのだとか。
建物の細部を観察しながら歩けば、きっとたくさんの発見があるはずです。
ならまち格子の家
格子や土間、箱階段など、江戸時代末期の町屋を忠実に再現した博物館。入場は無料で、誰でも気軽に、奈良の伝統的な町屋の暮らしに触れられます。
町屋の特徴は間口が狭く、奥行きが深いこと。間口の広さに応じてかけられていた税金を安く抑えるため、また「表通りに面した家を建てたい」という人の願いをできるだけ叶えるためでもあったといいます。
当時の暮らしぶりが伝わる館内は風情たっぷり。町屋の暮らしの知恵に触れてみてください。
奈良町資料館
赤い「身代わり申(さる)」のぬいぐるみが目を引く奈良町資料館。ならまちでは、家の中に災いが入ってこないように、これらの申を軒先につるす風習があります。災いを代わりに受けてくれるために、「身代わり申」と呼ばれているのです。
奈良町資料館内部では、身代わり申の販売や、江戸時代のユニークな絵看板の展示を行っているほか、「庚申さん」と親しまれる、災いや病魔を退ける神通力をもつという青面金剛を祀っています。
古民家カフェ「カナカナ」
ならまち周辺で、特に人気のあるカフェのひとつが「カナカナ」。町屋を改装した店内には、座敷とテーブル席があり、田舎のおばあちゃんの家に来たような気分でほっこりくつろげます。
イチオシは、一日中いただける定食メニュー「カナカナごはん」。週替わりのお惣菜5、6品にデザートやドリンクも付くボリュームたっぷりのヘルシーご飯です。
ならまち工房
Ⅰ~Ⅲまで、趣の異なる3つの棟からなるショップ&ギャラリー、「ならまち工房」。手づくりのアクセサリーや布小物、とんぼ玉といった、個性豊かなアーティストたちのショップが並び、見ているだけでも心が躍ります。
ここでしか買えない、味わい深い奈良みやげをゲットしてみては。
気負わず、自然体でほっこりと。街も人もどこかのんびりとしている奈良は、女性の一人旅にも優しい街。ちょっと奈良まで、気軽に出かけてみませんか。
住所:奈良市公納堂町13
電話:0742-22-3214
営業時間:11:00~20:00(12~2月は~19:30)※月曜定休
[All Photos by Haruna Akamatsu]