(c) HIG Traffic Systems
テキストアプリや、動画サイト。歩きながらついつい見てしまいませんか? 世界的なスマートフォンの普及で、「スマホを見ながらふらふら歩いている人」を指す「スマホ・ゾンビ」などという言葉まで生まれてしまいました。欧州オランダでも歩きスマホは他人事ではなく、2016年夏の「ポケモンGO!」の大流行もあり、一気に社会問題化。
そんなスマホばかり見て横断歩道の信号に注意を払わない歩行者たちが交通事故に巻き込まれないよう、とあるオランダの自治体と企業が立ち上がりました!
うつむき加減でも見える足元の信号機
(c) HIG Traffic Systems
これは、オランダ中部の街ボーデグラヴェン(Bodegraven)にある交差点の画像。画像左側に自転車用の信号があるのが自転車大国オランダならではですが、他にも普通と異なる点があることにお気づきですか?
そう、実はこの横断歩道には、通常の信号と連動した線状のLEDライトが歩道に埋め込まれているのです。
(c) HIG Traffic Systems
歩行者がいる風景はこういう具合になります。これなら、スマホを見ながらうつむき加減で歩いてきても、しっかり視界に信号が入ってきますね!
この歩きスマホ対策用信号「+Lichtlijn」(オランダ語で“光の線”)を開発したのは、信号機をはじめとする交通に関する事業を行っているオランダ企業「HIG Traffic Systems」。非常に画期的な発明に見えるのですが、オランダ交通安全協会(VVN)は「根本的な解決にはならない」「歩きスマホを助長している」とあまり前向きではない様子です。そのため、現在はHIGの企業拠点であるボーデグラヴェンの小学校が集中する場所(画像の場所)でのテスト運用なのだとか。
「行政は先取り対策が必要」とテスト導入
(c) HIG Traffic Systems
ちなみにこの「+Lichtlijn」の長所は、その取り付けの簡単さ。細いLEDライトなので大規模な工事が必要ないのだそう。
ボーデグラヴェンの町会議員は「携帯ゲームやテキスト・アプリは信号機への注意を奪ってしまいます。行政側がこの傾向を逆転できる可能性が低いので、私たちは先取りした対策をとっていきたいと考えています」というコメントをしています。今回のテスト結果が良い結果を残し、この歩きスマホ対策信号機が広く普及していけばいいですね。
[HIG Traffic Systems]
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