世界最古の遊園地ともいわれる、コペンハーゲンの「チボリ公園」。童話作家のアンデルセンも愛したというこの場所は、コペンハーゲンっ子の心のふるさとです。
園内を散策するだけでも楽しめる、レトロな魅力たっぷりのチボリ公園に出かけましょう。
ウォールト・ディズニーも参考にしたメルヘン世界「チボリ公園」
コペンハーゲン中央駅から徒歩3分、デンマークの首都のど真ん中にチボリ公園はあります。首都のメイン駅のすぐそばに遊園地があるなんて・・・! それも、チボリ公園が古い歴史をもつ遊園地であり、長きにわたってコペンハーゲンっ子に愛されてきたという証です。
チボリ公園が開業したのは、1843年のこと。当時のデンマーク国王クリスチャン8世の臣下、ゲオー・カーステンセンの発案により生まれました。大した娯楽のなかった時代に、「階級の区別なくみんなが楽しめる場所を」という先進的なアイデアでしたが、それだけに当初は反発も大きかったといいます。
今となっては、年間およそ350万人が来園し、開業以来2億7000万人が訪れている世界に名だたる遊園地。かのウォールト・ディズニーも参考にしたというメルヘン空間には、色とりどりの夢が詰まっています。
歩くだけで世界旅行気分が味わえる園内
遊園地というと、「ジェットコースターなどのアトラクションを利用しないと楽しめないのでは」と思われがちですが、チボリ公園に限ってはそんなことはありません。
そのわけは、歩くだけで世界旅行気分が楽しめること。チボリ公園では、カラフルなヨーロッパの街並みを楽しめるゾーンがあったかと思えば、中国をイメージしたゾーン、中東をイメージしたゾーンにも遭遇します。
モスクをイメージしたような壮大な白い建物は、チボリ公園を代表する建造物のひとつ。こんな光景を見ていると、一瞬「今どこにいるんだっけ?」と思ってしまうかもしれません。
園内を散策するうちにどんどん風景が切り替わっていくので、歩いていて飽きることがありません。日本庭園をイメージしたと思われるゾーンもあるので、ぜひ見つけてみてください。
ほっとする懐かしい風景
チボリ公園に足を踏み入れて感じるのは、「なんだか懐かしい」という感覚。
メリーゴーランドや空中ブランコといった昔ながらの遊具に、射的などのゲーム、どこか手作り感が感じられる園内装飾・・・それらがあいまって、日本から遠く離れたデンマークにいるにもかかわらず、チボリ公園に来るのは初めてにもかかわらず、無性にほっとするような懐かしさを感じるのです。
子ども時代を思い起こさせるノスタルジックな風景というのは、意外と世界共通なのかもしれません。
次は園内のレストラングルメやお土産情報など。
心安らぐ豊かな緑
都会の真ん中にありながら、チボリ公園は驚くほど緑が豊か。なかでも、池の周辺は都会のオアシス的存在で、ただそこに身を置くだけで心癒されます。
スナックから本格レストランまで充実のグルメ
チボリ公園には、多彩なグルメも集結。アイスクリームやチュロス、ワッフルなどのおやつはもちろん、フィッシュ&チップスなどの食べ歩きスナック、さらには上質な空間でゆっくりと食事が楽しめるレストランまで、あらゆるグルメが揃っています。
「遊園地のレストランなんて期待できないんじゃ・・・」と思われるかもしれませんが、チボリ公園のレストランはわざわざ訪れる価値のある本格派。
園内最古のレストラン「GRØFTEN」では、自然光が降り注ぐ開放的な空間で、デンマークの伝統料理を味わうことができます。デンマーク料理のみならず、イタリア料理やアジア料理、メキシコ料理などジャンルも豊富。
無料のライブパフォーマンス
園内のオープン・エア・ステージや、ガラス・ホール・シアターでは、追加料金なしで、コンサートなどのライブパフォーマンスを鑑賞することができます。ジャズ演奏などの大人向けのプログラムもあり、遊園地でありながら、しっとりとしたひとときを過ごすことができますよ。
お土産ショッピング
チボリ公園では、ショッピングの楽しみも見逃せません。チボリ公園のオリジナルグッズを扱うお店から、デンマークのキュートなキャンディー専門店「Bolchekogeriet」、洗練された北欧雑貨を扱う「Illums Bolighus」まで、お土産にぴったりの品々が手に入るショップが揃っています。
チボリ公園のメルヘンな空間でなら、ショッピングもよりいっそう楽しく感じられるはずです。
近代的なテーマパークが増えているからこそ、昔ながらのレトロな雰囲気を残す遊園地は、むしろ新鮮な感動を与えてくれます。
誰もが子どものようなときめきを取り戻せるチボリ公園は、これからも世界中の人々に愛され続けるに違いありません。
[All Photos by Haruna Akamatsu]