(C)内閣府
外国の宮殿を思わす美しい姿をもち、絢爛豪華な内装が施された迎賓館を、テレビなどで一度は目にしたことがある人も多いのでは。世界各国の国王や大統領などの賓客を迎え入れる迎賓館・・・ 実は前庭と本館外観は一般の人でも無料で見学できるんです!
外国の宮殿を思わす日本唯一のネオ・バロック様式の壮麗な佇まい
JRの四ツ谷駅から徒歩7分。突然あたりが開け白い優美な姿を現す「迎賓館赤坂離宮」。こんな都会の真ん中に、緑に包まれたヨーロッパにあるような壮大な宮殿が佇んでいるとは。一瞬「ここはどこの国?」と疑ってしまうほどの美しさに満ちています。
この地はかつて、紀州徳川家の江戸中屋敷があった場所。1909(明治42)年に、10年の歳月をかけて皇太子殿下が住まう東宮御所として建設され、1974(昭和49)年に5年余りの改修を経て迎賓館になったのだとか。
(C)tawawa
人の背丈以上もある圧倒的な存在感をもった正門、芝生の前庭を一直線に貫く約220mの石畳みのアプローチ、花崗岩で造られた、日本唯一のネオ・バロック様式の西洋風宮殿建築の本館・・・ 正門や本館は国宝にも指定される重要なもので、この前庭と本館外観の見学は入場無料で楽しむことができます。
次は迎賓館本館内部を紹介します。
王妃が現れそうな華麗で優雅な雰囲気に酔いしれる!
花鳥の間 (C)内閣府
迎賓館本館内部も、もちろん見学可能で1000円。事前予約のほか、当日受付でも見学できます。天井高5mほどの白壁の廊下が巡る館内に足を踏み入れると、まず現れるのが晩餐会などが催される「花鳥の間」。
約130名もの席を設けることができる広々とした部屋の中央には、アントワープから輸入されたフランス製のシャンデリアがまたたきます。その重さはなんと1トン! 天井には36枚の油絵、壁面は30枚の七宝焼きで彩られ、そこに描かれた花や鳥などがこの部屋の名前の所以になったのだとか。シオジ材の飴色に輝く壁面と一体となり、何ともいえない重厚感に満ちた雰囲気を醸し出しています。
1階のエントランスから続く、赤い絨毯が敷き詰められた中央階段を2階の大ホールから見下ろし、その大ホールの正面にあるのが迎賓館で一番格式が高い「朝日の間」。首脳会談などが行われる部屋で、室内はフランス18世紀の古典主義様式でまとめられているのですが、現在改修中で2020年に公開予定。
彩鸞の間 (C)内閣府
調印式や賓客とのテレビインタビューなどに使用される「彩鸞の間(さいらんのま)」は、天井高が約9m。白壁に金箔が施された石膏の浮き彫りに包まれた華麗な装い。“甲冑とライオン”“日本刀とサーベル”など、和と洋を感じるおもしろみある意匠が施されているので注目です!
羽衣の間 (C)内閣府
舞踏会用に設計されたものの、本来の目的では一度も使用されたことがない!? という「羽衣の間」は、迎賓館の中で最も大きな部屋。主にレセプションや会議などに用いられます。水色と白のコントラストが美しい羽衣の天井画で彩られ、高さ3mのシャンデリアがまたたくその装いは舞踏会にぴったり! 楽器や楽譜などがあしらわれた石膏の浮き彫りが往時を偲ばせています。
この迎賓館本館のほかに、“和のおもてなし”に主眼を置いた「和風別館」も見学することが可能。こちらはガイドが付くツアー形式1500円で、事前の予約が必要です。
◆迎賓館赤坂離宮◆
【住所】東京都港区元赤坂2-1-1
【開館時間】10:00~17:00(前庭の見学受付は16:30、本館・主庭の見学受付は16:00)
【定休日】水曜
公開は変動する可能性があるので事前に
公開スケジュールをご確認ください
【料金】前庭入場無料/本館・主庭1000円(事前予約・当日受付)/和風別館1500円(事前予約制)
【アクセス】JRほか「四ツ谷駅」赤坂口より徒歩7分
【HP】
迎賓館赤坂離宮[Photos by shutterstock.com]
TAI WATANABE ライター・エディター・ディレクター
10代のころ、自転車でメキシコ・グアテマラを縦断し多くのことを学ぶ。それをきっかけに情報誌・旅行誌の取材を通じて、中南米・カリブ海を中心に世界各国で豊富な取材を経験。海外を見てきたからこそ日本は大好き! 紙とWEB、ふたつの媒体特性に精通した複眼的視点を持っている。
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