進化し続ける東京屈指の大都会、渋谷。喧騒渦巻くこの街に、別世界という言葉が似合う老舗の喫茶店があります。今回は忙しい毎日に疲れてしまった時、いつもの自分にリセットできそうな「名曲喫茶ライオン」をご紹介しましょう。
大都会渋谷に佇む、非日常の世界
渋谷駅から歩くこと約10分。ネオン輝く大人の歓楽街、道玄坂に創業昭和元年の老舗「名曲喫茶ライオン」は佇みます。現在の建物は東京大空襲により全焼した後、昭和25年に初代と同様のデザインで再建されたのだそう。
重厚な扉を開けるとそこはタイムスリップしたような不思議な空間。青白い蛍光灯で照らされた店内には昭和を彷彿させるレトロな椅子やテーブルが並び、クラシックが大音量で流れています。
音楽とひとり時間に浸れる席づくり
正面には巨大なスピーカーと音響設備が鎮座。1階席は、ボックス席以外の全ての椅子がスピーカーに向かって配されています。ほとんどのお客さんが一人で来ていて、話し声もほとんど聞こえません。まさに五感でじっくりと音楽に浸ることができる特別な場所。
ドリンクとともに配布されるプログラム。毎日15時と19時には、定時コンサートが開かれ決められた曲が流れます。それ以外の時間はお客さんからのリクエストを受け付けており、持込のCDやレコードをかけてもらうことも可能。
音響設備の前には5千枚を超えるレコードやCDのコレクションが並びます。現在はクラシックのみですが、開店当時には歌謡曲も流れていたのだそう。
次は2階へ上がってみましょう。
古き良き時代をいまに伝える店内
2階席へはこちらのドアから。ノスタルジックな案内板に思わず目を奪われてしまいます。
階段を上ってみます。歩く度にギシギシときしむのですが、不思議とこの音が心地いい。
2階席は昭和モダンなシャンデリアが吊るされ、クラシカルな雰囲気。1階席と同じように席はスピーカー側を向いています。
吹き抜けの下には大きなスピーカー。三代目店主の石原圭子さんのお話によると、音は上へと上がっていくので音響的には2階の最前列席が最も優れているのだそう。
変遷する時代を超えた、名曲喫茶ライオン
お店の歴史がわかる貴重な写真を見せていただけました。戦時中も「名曲喫茶ライオン」は営業していたようですが、西洋の音楽を流しているとあって国から注意を受けることも多々あり、国旗を掲揚していた時期があったのだそう。
歴代のプログラム。イラストや内容は初代店主、山寺弥之助さんが制作されたものなのだとか。石原さんによると、山寺さんは感性の塊のような方で、専門的に学んだわけでもないのに、お店のデザインや音響機材の設計まで全てご自身で考えられたようです。
また錦鯉に熱中しすぎて自邸の庭に池を手作りするなど、とにかく好奇心旺盛でバイタリティに溢れていたのだそう。
昭和初期のプログラムにはコーヒー1杯が70円という表記。また当時はお店の周りに3つもの映画館があったのだそう。めまぐるしく変化する時代の流れを感じます。
都会の喧騒や忙しい毎日に疲れてしまった時、素の自分に取り戻すことができる「名曲喫茶ライオン」。古き良き時代を感じる空間で、最高のクラシックと安らぎに浸ってみてはいかがでしょうか?
[名曲喫茶ライオン]
[All Photos by Nao]
※許可をいただいて撮影しております。
Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
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