
電鍋って知ってますか?実は懐かしい炊飯器です。

「電鍋」というと物々しいのですが、実は昔日本にもあった炊飯器です。台湾に行ったことがある人なら、コンビニエンスストアのホットフードのコーナーで、たくさんの煮タマゴを温めているのを見かけたことがあるかもしれません。
台湾の電鍋は、1960年代に日本の東芝が台湾の電気製品などのメーカー大同と技術提携して販売開始されました。あれからもうすぐ60年。日本では、様々な進化を遂げて、今ではIHジャーが主流ですが、台湾ではあの頃のまま、いまでもこの電鍋が使われています。

今回は、2017年11月に出版された「初めまして電鍋レシピ」(グラフィック社)の著者、口尾麻美さんに電鍋と台湾のお話を伺いました。
一家に一台(以上)という台湾の定番キッチン家電

この電鍋、台湾では一家に一台以上あるといわれている定番のキッチン家電。一度買ったら30年はもつとも言われているようです。
基本的には炊飯器。内窯と外窯の二重構造です。内窯にごはんと分量の水をいれて、外窯に規定の分量の水をいれてスイッチを入れると、外側の水がなくなったタイミングで炊飯が終了します。(タイマーとかじゃないんです!)さらに、保温機能がついている機種もあって、炊飯後は保温になります。上の画像は炊いた「台湾風おこわ、油飯」を保温しているところ。口尾さんの一日だけの「電鍋食堂」での1枚です。

炊飯以外にも、スープを作ったり、蒸し物に使ったりと、様々な使い方がされているようです。どのくらいの時間加熱するとか、どれだけの水を外窯に入れておくとか、家庭のお母さん、おばあさんたちがそれぞれ工夫して調理するとのこと。なにしろ直火を使わないので失敗することはないそうなんです。上は口尾さんおすすめのレシピでもある、「黒ゴマ油いための鶏スープ、麻油鶏」です。
口尾さんと電鍋の出会い。

口尾さんが一日だけオープンした電鍋食堂に出かけました。カラフルな電鍋がいくつも並んで、おいしそうな料理が振舞われています。口尾さんと電鍋の出会い、それにレシピ本出版の背景などが気になったのでお伺いしてみました。
最初は2016年、口尾さんも参加した、台北でのイベントだったそうです。そこで、調理した日本の味噌汁を保温しておく必要が発生したため、参加していた地元のアーティストたちが、急にもかかわらず、自宅から電鍋を持ってきてくれたのが最初の出会いとのこと。
当時、台湾で電鍋のレシピと言っても、日本のレシピ本のようなわかりやすいものもなく、口尾さんは工夫を重ねながら、独自のレシピを作ってきました。
この本にはもちろん、台湾で人気の台湾料理のレシピが載っていますが、それ以外にも、口尾さんのライフワークである様々な国のレシピも載っています。口尾さんが、台湾のお母さんやおばあさんのように工夫して作った、電鍋で作る世界の料理のレシピです。
「煮込み豚肉ごはん、魯肉飯」が大人気!

上は電鍋食堂での1枚。右が口尾さんです。
その電鍋食堂でもおいしくいただいた「煮込み豚肉ごはん、魯肉飯」は、今回のレシピ本の中でも人気の高いレシピ。魯肉飯だけでなく、時間をかけた煮込み料理も、電鍋にかけたまま「放置」できるので、気軽に作れるそうです。スロークッカーのようにも使えると口尾さんは言います。洗濯したり、近所にちょっと買い物に出たりと、忙しい人にピッタリ。

左が魯肉飯、右が麻油鶏。どちらもおいしく煮込まれて、体にやさしい印象です。一緒に飲んだ冬瓜茶は甘くてすっきりした味でした。
これまでにも電鍋を手に入れて日本で使ってみようという人たちは多かったらしく、「待望のレシピ本」ということで、「待っていました」という反応も多かったとのこと。いよいよ、日本でも電鍋がもっともっと盛り上がってきそうです。

赤いヘルメットをかぶっているのが大同電気のマスコット、「大同ぼうや」です
[グラフィック社「はじめまして電鍋レシピ」]
[All photos by Atsushi Ishiguro]

Atsushi Ishiguro ライター&フォトグラファー
旅するフードフォトグラファーです。そして、食生活について考えて、レシピを開発して料理もします。「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のおいしいものを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現し、みなさんと一緒に食べたいというのが、私のビジョンです。
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