
パワースポットとして知られる長野の山奥にある戸隠神社。日本の神話をベースにしたおみくじは、独自のスタイルでひかれることもあり、特別な思いでそのメッセージを受け取る参拝者が続出です。
パワースポットとして知られる戸隠神社

戸隠神社は2000年以上の歴史を誇る由緒正しい神社です。日本の聖地が並ぶレイラインにあり、立春と立冬には参道に沿って陽の光が上がっていくのを見ることができるという神秘的なところ。
戸隠神社と一口にいっても広大で、奥社(おくしゃ)、中社(ちゅうしゃ)、 宝光社(ほうこうしゃ)、九頭龍社(くずりゅうしゃ)、火之御子社(ひのみこしゃ)が点在しています。メインの奥社は、開運、心願成就、五穀豊熟、スポーツ必勝のご利益があるとされています。中社は学業成就・商売繁盛・開運・厄除・家内安全。気になる縁結びは、九頭龍社、火之御子社が担当しています。
奥社までの参道は約2km。クマスギの並木に囲まれて砂利道を進むのですが、厳かで清々しい雰囲気です。筆者が数年前戸隠神社を訪れた際、奥社まで時間をかけて歩くだけに、おみくじへの期待がますます高まったのを思い出します。
受付で年齢を伝える、“自分ではひかない”おみくじ

おみくじは、奥社、中社、宝光社でひくことができます。窓口で年齢と性別を伝えると、奥の神職の方が年齢と性別を入れた祝詞をあげながら、ひいてくれます。そしてしばらく待つと「〇〇歳女性の方~」というように窓口で呼ばれて受け取るしくみ。ちょっと照れますよね。1回300円です。
おみくじには、「平」「平吉」といった珍しいタイプも含まれています。神社としては、「吉」より悪いなど定めていなくて、内容で見て欲しいとのこと。
日本神話を題材とした戸隠神社独自の80本のおみくじ

さて、このおみくじがちょっと難解です。特に古文を習って久しい世代には・・・。おみくじは、古事記、日本書紀がテーマになっていて、第1番から第80番まであります。後半の番号をひくほど成熟しているという情報の真偽を神社の方に直接問い合わせてみたところ、必ずしも遅い番号が良いわけではないそうです。神話ではだんだん神様が増えて内容が細かくなっていくので、おみくじも遅い番号ほど後の神話が題材になっているだけとのこと。
ネットには、色々なおみくじの画像があります。第80番をみつけました。白橿原宮兆(かしはらのみやのうらかた)とあり、「白橿原宮初国知食天皇乃御世波萬代」と漢字の和歌が記されています。大吉です。この神話から導き出される意味について、次の文章が続きます。
「是は末の子に生ても惣領の役をつとむべし。上たる人はよく国家を治め下たる者は其家を治め廃れたるを起し、絶えたるを継ぎ行末ますます栄え、労して功あるの兆なり。猶も子孫繁盛して目出度き事の数々限あるべからず。」
原文には、ふりがながついています。意訳は、「末っ子であっても長子の役割を果たしなさい。生まれながらのリーダータイプで、治めるレベルはそれぞれあるが、国でも家でも、盛り返し、栄えさせるだろう。苦労しても報われるだろう。子孫繁盛し、めでたいことが際限なくある」となるでしょう。
これには、項目別の内容が続きます。方角、嫁とりむことりや旅立などについて書かれ、最後「萬事吉兆と知るべきなり」で締められています。めでたいですね。項目の中で、該当するものだけ参考にしましょう。信じるべき神様が書かれていることも興味深いです。「此は天津神地津神(あまつくにつかみ)を尊とみまつるべし」といった具合に記載されています。
ドキリとするおみくじ内容

ほかに気になる文章のものがありました。75番吉は、「是はこれまでさまざま難渋の事有りといへども・人の助を得て吉にむかふの兆なり。一旦は住所をさるほどの事ありといへども・帰るべきの時あり・縁談ととのひ・失物出づべし・何事もおもひの外幸あり。身に過たる宝など手に入る事あるべし」とあります。
「これまで様々な困難があったけれども、人の助けを借りて、よくなっていくだろう。一度は住所を変えるほどの事があるかもしれないが、戻るときが来るだろう。縁談はととのい、なくしたものは出てきて、何事も予想以上のラッキーがある。すばらしすぎるものが手に入ることがあるだろう」という意味だと思われます。引っ越すほどのことというのにドキリとしますが、その後続く項目別のところで、信心すべきは海の神となっていて、「失物は海川の中にあるべし」というのも見逃せません。面白いですよね。
神社の方によると、戸隠神社のおみくじの基本姿勢は、何事も慎重に進めなさい、だそう。おみくじは、神社に結ばず、持ち帰って日々の指針にするようにと言われています。参考にする期間はひいてから1年間とのことですが、筆者がひいたときは将来人並み以上に幸せになるとあったのがうれしくて一生信じたいです(笑)。
ちょっと並びますが、占ってもらう価値ありですよ。

Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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