子どものころはよくイギリスのネッシーの話を耳にした気がしますが、最近ご無沙汰だった方も多いかもしれません。ネッシーが目撃されたという最初の記録は、西暦565年のこと。なんと1500年もの間、ネッシーのミステリーが人々の間で話題であり続けているのですね。
DNA分析プロジェクト
長年のネッシー論争に決着をつけるべく、昨年2018年より、ネス湖から採取した水のDNA分析が行われているのをご存知でしょうか。
水中の生物の皮膚、うろこ、羽、毛、そして排泄物は水中に残ります。ネス湖の300か所から水のサンプルを取り、DNAを抽出。そこから出てきたDNA情報を現存の生物のデータと照らし合わせて、ネス湖にどんな生物がいるのか、いたのかを解析する一大プロジェクトです。
ニュージーランド・オタゴ大学で遺伝子科学を研究するニール・ジェメル教授が率いる国際チームには、英国、デンマーク、米国、オーストラリア、フランス、スイスの科学者が参加しています。
当初、調査結果は2019年1月に公表される予定とされていました。しかし、その時期が来ても公表はされず。今年2019年の1月末時点にドイツのニュースサイトに掲載された情報によれば、ジュメル氏があと4か月ほどかかる予測とコメントしています。
2019年5月27日時点では発表されていませんが、もうそろそろでしょうか。
最近の目撃情報
2019年に入ってからも、いくつかネッシーらしきものを見たという目撃証言があります。
「水上にL字型の黒い物体をみた」というものや、「水中で何か大きなものが動いて、50mの竜巻をみた」というものなど。
2018年には「ラグビーボール大の頭で4フィート(約1.2メートル)の首を持つグレーの生き物をみた」など15件の目撃証言があったので、今年もきっとそれくらいはあるのでしょう。
画像はあってもとても小さいことが多いですが、どの目撃証言もしっかりタブロイド紙で取り上げられています。
また、ネッシーに関してグーグルで検索される件数は、毎月20万件に上るとのこと。ネッシーへの関心はまだ衰えていないということです。
このまま謎となるのでは?
2018年の9月、ネッシーによる経済効果が報道されました。公認会計士であるガリー・キャンベル氏によると、少な目に見積もって年間4070万ポンド(約56.5億円)だそうです。これは、ネス湖周辺の観光アトラクションを訪れた人数、宿泊施設やレストランなどで使われた額から分析されたもの。
ネッシーの知名度があってこそ、スコットランドの首都エジンバラのはるか北まで人々がやってきます。
筆者もエジンバラからのバスツアーに参加して、冬の夕暮れどきにネス湖を訪れたことがあります。時間帯のせいもあってか、少しどんよりとした雰囲気の湖には、何かいても、いなくても、どちらもありそうな雰囲気でした。
これでネッシーは存在しないとなったら、観光業に大きな影響があるでしょう。個人的には、それもあってこのまま謎が解明されないのではないかという気がしています。
『【世界の謎特集】国内外のミステリースポット、心霊スポット、不思議現象まで!』『【現地ルポ】ネッシーに出会えなくても訪れたい。静寂さえも美しい、神秘的なネス湖』もお見逃しなく!
参考
[産経新聞]
[grenzwissenschaft-aktuell.de]
[Express]
[Mirror]
[ONLINEジャーニー]
[Daily Mail]
Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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