
日本でもその存在が知られつつあるバスクチーズケーキ。このレシピを開発した、スペインにある「ラ・ビーニャ」のチーズケーキは、マドリッドの新聞『ABC』がスペインのベストチーズケーキトップ10に選出したことや、実際食べた人の口コミから一躍有名になりました。いまではサンセバスチャン名物となっています。
ブエリング航空の機内誌でもお店の情報を見ましたし、今年の6月にはウディ・アレンが来店したそうで、世界中から人々が訪れるというのは本当のようです。
ラ・ビーニャを訪問

バスクチーズケーキ発祥のラ・ビーニャのお店は、バル街として賑わうサンセバスチャン旧市街の北部にあります。San Vicenteという教会が近くです。

サンセバスチャンは通年人で賑わうと言いますが、土曜の夜のせいもあってか、お店の前は人がいっぱい。

店内ももちろん混んでいます。


奥に進むと、ずらりと並ぶチーズケーキに目を奪われます。噂のチーズケーキはこれか!という感慨が沸き起こります。


卵がかなり頻繁に厨房に運び込まれていきます。チーズケーキの仕込みのためでしょう。

見渡すと、みなチーズケーキを手にしています。レストランのコーナーもあるのですが、バルで立ち食いが多いですね。バスクの白ワインであるチャコリやコーヒーとともに楽しんでいます。

バルは外の席も用意されているものなので、外で食べる人もいます。

テイクアウトのオーダーもしばしば。1ポーションが5ユーロ。カットしたものがテイクアウト用の容器にどんどん入れられていきます。1ポーションが2切といくつかの情報サイトで見ていましたが、実際はお皿に1切しかないようです。
ちなみにホール買いもできて、8~10人前の1ホールが45ユーロ、ハーフサイズが25ユーロで販売されています。
バスクチーズケーキを実食

実はこの日は下見のつもりでした。既にいくつもバルをまわっていて、おなかがいっぱいだったのに、なんだかたべれてしまうような気分に!

オーダーすると、「え?1つだけ?」なんていいながら、崩れてしまった分も合わせて2.5~3切分が乗ったお皿を渡されました。美しくないけど、多くて。これを喜んでいいのか、どうか複雑な気分に。
食べてみると、ほんのりあたたかく、昔ながらの硬い焼きプリンの風味。たまご感がしっかり伝わってきます。チーズの香りはあまりしないのですね。そして感触はスフレのようにトロトロ柔らかく。それでいて溶けてしまうような柔らかさでなく、むっちり感もあります。
焦げ目がついたところは、ビターなカラメルソースの味わいでよいアクセントに。甘すぎず、味がしつこくないので、どんどん食べられます。意識を集中して味わって食べるのですが、いくら食べても飽きないのです。

その間も、つぎつぎ、チーズケーキが運ばれてきて。次々カットされていきます。
無事完食。もしかしたら3切分請求だったりして、なんて思いましたが、チーズケーキ分は5ユーロ。食べすぎだったのに、胃もたれもなく、体に優しいチーズケーキでした。

後日、サンセバスチャンのバスターミナルにあるカフェ「De Nortea Sur」で、バスクチーズケーキをテイクアウトしてみました。そこでは、ベリー系のソースをかけてくれました。それがあってもなくても、かなり美味しかったです。
本家本元に比べたら、たまご感は控えめでしたが、もっと大きくて値段は3.5ユーロでした。もしかしたら街のいたるところで絶品チーズケーキが食べられるのかもしれません。お店が閉店の月曜しかサンセバスチャンに滞在しないといった場合などのために覚えておくとよいかもしれません。
[All photos by Shio Narumi]
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Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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