旅の目的は「たったひとつ」で良い
旅の目的は「たったひとつ」が潔いと思いませんか。
あれもこれもと盛りだくさんは、大人には野暮というもの。情報が氾濫している現代だからこそ、余計なものは削ぎ落として、自分の「たったひとつ」を選び取るのが粋。旅の荷物はシンプルに、期待だけを詰めて。
私たちがまだ訪れたことのない、未知の場所や絶景。
笑顔で迎えてくれる、あたたかい地元のひと。
生産地ならではの、新鮮で美味しいもの。
珠玉のように散らばる日本各地の魅力を発信する「ONESTORY(ワンストーリー)」。「ONE=1ヵ所」を求めて日本を旅するメディアから、私たちの「たったひとつ」が見つかりそうです。
シンプルに美味しいごはんが食べたい
日本のごはん。凝り過ぎない、肩肘張らない、難しくない、美味しいもの。晩秋はお腹が空きます。何か美味しいものが食べたいですね。
日本のごはんがいいな。
凝り過ぎない、
肩肘張らない、
難しくない、
ホッとするもの。
地元の人々の毎週木曜日のお楽しみは、「厨ファミリア」のランチ。島根県津和野の地元食材を使った「モク曜日の昼餉」に、「津和野にこんな美味しい食材が育っていたなんて!」と感動。
3人で立ち上げた「地域交流の場」
島根県津和野の「厨ファミリア」は2016年7月にオープン。
きっかけは、「地域の人と交流できる場が欲しい」「空き家を改修して自分たちが集まれる場をつくりたい」という津和野高校の生徒の声。閉館したユースホステルを高校生12人や町民と一緒に改修。
同校の高校魅力化コーディネイター・中村純二氏がその想いを温め、「リノベーションプロジェクト(リノプロ)」を始動。「たべるを」という食のブランドでレストラン監修などを行う國方(くにかた)あや氏、実家が津和野町で150年続く種苗店で、「タネの図書館」の企画を実施する俵志保氏の3人で「厨ファミリア」を立ち上げました。
週替わりのシェフ
週替わりで地域の人がシェフとしてキッチンに立ち、地元食材を使った「モク曜日の昼餉」を提供。
ある時は「新米を美味しく食べる昼餉」、イギリス人夫妻のイングランド料理、シェフの年代も国籍も職業も様々。献立も魅力的で、豆腐グラタン、若鶏の和風ソース、胡桃とレーズンのパン、鰹のカルパッチョなどに、ビュッフェ式のサラダとスープつきなど。 20食が毎回売り切れてしまうのも納得ですね。
誰もがキッチンに立ち、誰もが集うことができる
ある日の昼餉「雑穀プレートビュッフェ」。高きび味噌ジャガやコーンご飯など魅力的な料理。気取ったご馳走でなく、土地の新鮮な食材を使った、ホッとするごはん。こういうものが食べたかったなあと嬉しくなります。
厨ファミリアから、2019年7月「Some more」へ
高津川天然稚鮎のオイル煮などを盛り合わせた『たべるを定食』
厨ファミリアの活動は3年を経て、様々な形で町内へ派生し、若者が新たな拠点(カフェ、バー、映画館)を生み出していきました。2019年7月から運営は立ち上げメンバーの一人「たべるを」の國方(くにかた)あや氏が引継ぎ、「Some more」へ名称が変わっています。
現在は「たべるを」のコンセプトに沿って、食を中心に愉しく美味しく、美しいを大切にする活動がスタート。コミュニティーキッチンとしての機能から、子供から大人までの学びの多様性を模索されています。ゲストシェフの取り組みは、希望者がいる場合に開店。例えば、Iターンして農業をしている男性によるアメリカ南部料理。自然農野菜料理や、隣の農家のおばちゃんのビュッフェなど、食を通じて地域住人、移住者、旅行者、学生、子供、大人の接点が生まれます。
もっと美味しく、もっと愉しく
11月12日(火)ゲストシェフランチ 中湯さんのビュッフェ
(C)Some more
11月19日(火)内谷さんの魚教室
7月の魚教室 鯖(さば) 鯵(あじ) 飛魚(とびうお)
10月の魚教室 かわはぎ
(C)Some more
11月20日(水)ゲストシェフランチ 前田さんの自然農ごはん&ツワノ自然農塾
(C)Some more
サツマイモ掘る
春蒔き人参収穫
秋蒔き人参の間引き
蒟蒻芋掘る
蚕豆、グリーンピース、コブタカナ、小松菜、ライ麦の種蒔き
種採り用の胡瓜の収穫
(C)Some more
間引き蕪と無花果のサラダ(10月開催自然農ごはん)
(C)Some more
さつまいもきんとん(10月開催自然農ごはん)
新米おにぎり、オクラ海苔和え、間引き蕪と無花果のサラダ、ジャガイモ味噌汁、薩摩芋金団。
11月28日(木)パンとスープの日 番外編「たべるを」
(C)Some more
some more 開放日 10:00~16:00
11月1日(金)、6日(水)、8日(金)、22日(金)、27日(水)
柚子胡椒つくり、大豆でコチュジャンつくり、ツクネ芋掘って銀杏がんもづくり!玉葱の皮で染めてみようか!などをやろうかなと計画してます。
過去開催例(9月の開放日 中秋の名月)
(C)Some more
お団子を供え、蒟蒻を作り、鯛めしを炊きました。
いずれも魅力的なイベントで、「食」への愛情と愉しさが感じられます。私たちも、きちんと食と向かい合いたくなりますね。
今回のたったひとつは、畑、食卓、食べる人、作る人を繋げる開かれた厨房「Some more」。私たちが旅へ向かわずにいられないのは、日常で求められない「たったひとつ」に出逢うためなのです。
注意:記事掲載の情報は、2019年11月2日現在のものであり、価格やメニューは変更する場合があります。詳細につきましては、直接主催団体へお問い合わせください。
ONESTORY(ワンストーリー)
余白があるから面白い。第一歩は町民シェフのランチから。[厨ファミリア/島根県津和野町]
Some more
住所:〒699-5613 島根県津和野町鷲原819
Facebook:https://www.facebook.com/Some-more-1079127505628047/