機上の時間は非日常への大切なプロローグ
成田を離陸して約40分、KLMオランダ航空862便が水平飛行を始めた頃に、機内サービスが始まります。鈍いジェット音の心地良さにウトウトと眠りに入ったころ、ワゴンで揺られるワインボトルの音や、どこからともなく漂うアルコールや甘いフルーツの香りに誘われて目を覚まします。
「機内食をいただこう!」
機内に乗ってからのランチはもっともテンションが上がる瞬間でしょう。日常から非日常へ飛び立つ、大切な助走のひとときなのです。
まずはドリンク。お好みはあるでしょうが、やはり、オランダの顔ハイネケンビールは外せませんね。通常の缶ビールは350mlですが、機内でサーブされるハイネケンは250mlのお手頃サイズ! 日本で見たことのないサイズなので、ちょっと感動。これがちょうどよい量で、ビールだけでお腹が膨れることもありません。スナックは塩アーモンド。プリッツェルが出ると、日本人にはちょっとしょっぱ過ぎかなという印象です。そして、なんとプラスチックコップにはチューリップがデザインされています! 機内の中から、オランダの風が吹いてきました。
エコノミー機内食はいまひとつ、そんなイメージを覆すKLMのメイン料理
往時フライトのメイン料理は魚をオーダー。まずはフレッシュサラダと、白ワインによく合うクリームチーズとクラッカーが2種。エコノミーで、前菜でワインを飲もうとすると、あっという間に終わってしまうのですけど、2種類クラッカーを用意するところは嬉しい限りです。魚はカラッと揚がったサワラに、揚げオクラ。サフランライスには枝豆とちょっとだけパプリカも乗っています。ヘルシーな生春巻きも素敵なわき役。
エコノミーとはいえ、バランスの取れたメニュー構成でした。正直な感想を言いますと、日系エアラインの食事にも負けない日本人好みのテイストです! 嬉しかったのは、トレーの上にオランダの伝統陶器デルフト焼をイメージした紙シートが敷かれていてオシャレだったこと! あまりにも素敵なので、汚れないように食事前に取り出して持ち帰りました。
低脂肪・低塩分食も事前にオーダーできます
機内では約12時間、動かず座りっぱなしの状態が続きます。時々、後方のギャラリーなどで、スクワットをしている人もたまに見かけますよね。でも、ちょっと勇気いるかも。座りっぱなしになる機内で、カロリーオーバーを気にされている方もいらっしゃるでしょう。そんな人は、事前に公式ホームページのミールリクエストページを見てみましょう。低脂肪食、低塩分食、無グルテン食、ビーガン他、細かなリクエストができるのを、ご存知ですか?
ミールリクエストをしておくと、機内でミールサービスが始まる時間に、誰よりも先に個別に届けてくれます。次から試してみてはいかがでしょう?
ビジネスクラスの新機内食サービス「Anytime for you-お好きな時に」
最後に、2018年からスタートしているワールドビジネスクラス機内食の「Anytime for you-お好きな時に」サービスについてご紹介しましょう。こちらは、通常ミールのほか、好きな時に、その時の気分で、いつでも好みのアラカルト料理が豊富なチョイスからいただけます。これって、世界初、凄いことなのです。
成田発、関西発のアムステルダム行き便では、夏期、冬期合わせて料理が8種、デザート2種を用意。メニューは日本人の好みに合わせて考案されたそうです。たとえば、アラカルト料理は、一番人気のチーズバーガー、食べ応え十分の生ハム入りサラダ、シーザーチキンサラダ、和風弁当、照り焼き風味豆腐、生麩や野菜がたっぷり入った丼物、トンカツ。すべてにフルーツサラダ、チーズケーキなどプチデザートが添えられています。
デザートは、バニラソースを添えたチョコレートムース、オレンジクリームのヌガームースなど。メニューは年に2回、夏期スケジュールと冬期スケジュールで変ります。
ちなみに、ワールドビジネスクラスの通常メニューは、和食はホテルオークラ・アムステルダム内の日本料理店、山里の日本人シェフが、洋食は3つ星シェフ・ジョニーボアーがそれぞれ考案しているそう。
KLMオランダ航空は日本の成田と関空からオランダ首都アムステルダムへ唯一の直行便を運航しているエアライン。直行便のみならず、アムステルダム・スキポール空港を経由するヨーロッパ主要都市への豊富な乗継ぎ便も人気です。
スキポール空港は素敵なチューリップ柄やオランダモチーフの雑貨、食のお土産も豊富に揃う大人気の空港です。コンパクトながら、欲しいものがたくさん見つかるはずですから、余裕をもってチェックインしましょう。死ぬほど楽しい空港ですよ!
KLMの機内食と空港散策、存分に楽しんでみませんか?
取材協力・写真(一部)提供
KLMオランダ航空