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【新型コロナウイルス:速報】オーストラリアの現状と渡豪に関して政府観光局に聞いた

Posted by: 坂本正敬
掲載日: Feb 28th, 2020.

世界的な旅行者の関心事である新型コロナウイルス。各国の様子を現地からTABIZINEではお伝えしてきました。では日本人に人気の旅行先であるオーストラリアでは、どういった状況になっているのでしょうか。今回はオーストラリア政府観光局の協力で現地の情報をまとめてみました。

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オーストラリアの新型コロナウイルスの状況は?


現在、世界各国で新型コロナウイルス感染症の患者が確認されています。最初の執筆時点(2020年2月21日)では世界全体で76,183件の感染症が確認され、2,244人の尊い命が亡くなっていました。追加の執筆時点(2020年2月26日)では、世界全体で80,410件の感染症が確認され、2,752人が亡くなっています。わずか5日間で、感染症が拡大している様子が分かります。

もちろんオーストラリアも例外ではなく、オーストラリア保健省によると、最初の執筆時点(2020年2月21日)のオーストラリア時間午前6時30分時点の情報で、

<we have confirmed 17 cases of coronavirus (COVID-19) in Australia>(Australian Government Department of Healthの公式ホームページより引用)

と情報が発表されていました。日本語にすると、「オーストラリア保健省は17件の新型コロナウイルス感染症を国内で確認している」との話。さらに追加で執筆した2020年2月26日の段階では、23件(プリンセス・クルーズから帰国した感染症患者8人は別計算で、準州ノーザンテリトリーの州都ダーウィン郊外の施設に収容されている)の感染症が確認されており、内訳は、

8件がクイーンズランド州(州都はブリスベン)
4件がニュー・サウス・ウェールズ州(州都はシドニー)
7件がビクトリア州(州都はメルボルン)
3件が南オーストラリア州(州都はアデレード)
1件が西オーストラリア州(州都はパース)

だと言います。そのうち、15件は回復が確認され、残りの感染症患者の容体も安定しているとの話です。オーストラリアでは、まだ死亡者は確認されていません。

海外からの旅行者に空港では何をしている?

オーストラリア政府観光局によると、感染症の拡大を防ぐために、オーストラリアから中国へ渡航を予定する人たちに渡航禁止が呼び掛けられていると言います。逆に中国から来る旅行者にも、一時的な入国制限を行っているのだとか。

一方で日本からの旅行者を含む、中国以外の国に暮らす外国人旅行者については、変わらず渡航を受け付けているとの話。オーストラリアに就航する国際線は、(中国発着の便を除いて)全て通常通り運航しているみたいですね。

空港での水際対策については、

「Flights arriving direct from Japan to Australia are not subject to these enhanced measures. The usual immigration and quarantine processes only apply.」

との話がオーストラリア政府観光局からありました。日本語にすると、「日本からオーストラリアへの直行便に関しては、(中国からの便で訪れた人たちに対する)特別な検査は行っていません。通常通りの入国審査と検疫が行われるだけ」との話です。

それでも、体調不良を訴える人の場合は例外で、

「Regarding our usual immigration and quarantine…if someone arrives and presents that they are unwell with cold or flu like symptoms – they are likely to be pulled aside to answer some questions and/or be tested.」

との言葉がありました。要約すると、もしも風邪やインフルエンザのような症状を訴える人が居た場合は、別の場所に移動して、質疑や検査が行われるとの話です。

日本人の旅行者はオーストラリアで何をすればいい?

前にTABIZINEでオーストラリアの山火事について、オーストラリア政府観光局の協力の下で、『「恵みの雨」で収束へ!オーストラリアの山火事は“一般の観光客”にとって本当に危険なのか?』という情報を発信しました。

この際に、オーストラリア人はまち中に山火事の煙が流れ込んできてもマスクをしないという話を聞きました。新型コロナウイルスに関しては、どうなのでしょうか。

「From time to time people do wear face masks in the major cities but only when they have a cold or flu symptoms to avoid transmission to others.」

日本語にすると、大都市ではマスクを着用している人も居るものの、風邪やインフルエンザの症状が出て、他の人に感染の恐れがある場合だけ着用する人がほとんどみたいです。言い換えれば、マスクの着用をする人は少数派という話ですね。

日本の厚生労働省によれば、新型コロナウイルス感染症の感染経路は、今のところ2つ考えられると言います。

飛まつ感染
接触感染

いずれも唾液と一緒にウイルスが放出され、その飛まつを吸い込む、あるいは唾液のついた何かに触れた手で自分の鼻や口を触って感染するといった形が、心配されています。

感染源に暮らす中国人の入国が制限されているオーストラリア。さらに、2020年2月25日12時現在で、139件の感染症患者が確認されている日本ほどの感染拡大は見られないオーストラリアではありますが(だからこそ)、旅行中は自らが率先して人ごみでマスクを着用し、こまめに石けんやアルコール消毒液を使った手洗いとうがい心がけたいです。

世界保健機関によれば、

<using a mask alone is not guaranteed to stop infections and should be combined with other prevention measures including hand and respiratory hygiene and avoiding close contact – at least 1 metre (3 feet) distance between yourself and other people.>(世界保健機関のホームページより引用)

と言われています。日本語で要約すれば、マスクだけでは不十分で、心配な場合は1メートル以上離れて他人と話すと安心なのだとか。普通の会話の距離を保ち、大勢の人が身を寄せ合うような集まりには参加しない方が無難と言えそうですね。

新型コロナウイルスのQ&A

新型コロナウイルス感染症で死亡した患者の割合は、最初の執筆時点(2020年2月21日)では、中国本土に暮らす人を除いた人類全体の0.7%でした。追加で執筆した段階(2020年2月26日)では、1.4%まで上がっています。

この割合を多いと考えるか、少ないと考えるかは評価が分かれる点だと言えそうですが、その数値は変化しています。この変化を冷静に考えるために、日本の厚生労働省や世界保健機関(国連)の情報を基に、新型コロナウイルス感染症の基本的な情報をあらためて整理してみました。

Q.重症化する人はどんな人たち?

A.まだはっきりとは分かっていません。しかし、

高齢者
糖尿病や高血圧、心臓病などの病気がある人

は感染症患者になると、重症化するリスクが高まると考えられています。

Q.中国から届いた荷物や手紙、輸入食品からも感染する?

A.今のところ、積み荷などが原因で新型コロナウイルス感染症になった患者は存在していないと言われています。

Q.治療方法はあるの?

A.今の段階ではありません。対症療法(患者の症状にその時その時で対応しながら回復を待つ)を行う方法が一般的です。

Q.オーストラリアから帰国後、体調不良が続いたら?

A.各都道府県に設置された「帰国者・接触者相談センター」に連絡を入れてください。保健所や指定の病院に、相談センターが置かれています。

Q.新型コロナウイルス感染症を疑いたい症状は?

A.風邪に似た症状がある、37.5℃以上の発熱が4日以上続く、だるい、息苦しいなどが挙げられます。世界保健機関によれば、「a runny nose(鼻水), sore throat(のどの痛み), cough(せき), and fever(発熱)」などが疑わしい症状と言われています。

Q.病原体を保持しながら、まだ発症していない人(潜伏期間中の人)からも感染してしまうの?

A.今のところ、病原体を保持しながら症状が出ていない(潜伏期間中の)人からの感染については、はっきりと分かっていません。

[参考]
Coronavirus (COVID-19) health alert – Australian Government Department of Health
新型コロナウイルスについて – オーストラリア政府観光局
新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け) – 厚生労働省
Q&A on coronaviruses – World Health Organization
新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年2月25日版) – 厚生労働省

[All photos by Shutterstock.com]

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。


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