自宅キッチンから世界のビールへ

ブルックリンのウイリアムズバーグ地区にある、テイスティングルーム
ビール好きな人に絶対おすすめなのが、ニューヨーク発のブルックリンブルワリー。今ではアメリカはもちろん、スウェーデン、フィンランド、はたまた日本でも全国で飲めるほど広まりました。その本店が、ここブルックリンのウイリアムズバーグ地区にあります。
歴史のはじまりは創業者の自宅キッチンから。中東での特派員人生を終えたAP通信の元ジャーナリト、スティーブ・ヒンディさんが趣味でビール作りをはじめました。1985年のことです。その2年後、ビジネスパートナーのトム・ポッターさんと共に創業し、翌年販売を開始。96年にブルワリー(ビール醸造所)を今の場所に移して以来、ブルックリナイツ(地元の人々)に愛され続けてきました。
創業者のスティーブは振り返ります。「当時はバドワイザーなどメジャーなビール会社がアメリカのビール業界を牛耳っていて、『クラフトビール』なんていう名前や定義も存在しなかった。人々に話しても『クラフト? 何それ』という反応でした」。
共同創業者2人の不眠不休の努力により、クラフトビールとして人々に認知され、愛され、地元のビールから今や世界のビールにまで大成長したのです。
*2020年2月1日、東京・日本橋兜町の歴史的建造ビルのK5地下に、世界初となる
旗艦店B(ビー)がオープンしました。ビールを使ったオリジナルカクテル「Framboise & Basil」(980円)など、Bだけの限定メニューもあります。機会があれば、ぜひこちらにも足を運んでみてください!
ただビールを飲むだけの所ではないワケ

ブルックリンブルワリーのビール製造は、ラガータイプの「ブルックリンラガー」からスタートしましたが、今では各種ラガーのほか、さまざまなエールビール(IPAやブラウンエールなど)、ノンアルコールビール(厳密にはアルコール含有率0.5%未満)もそろっています。
(*一番上の写真、Brooklyn Bel Air Sour(7ドル)は、日本では東京のBでも飲めます。価格はレギュラーサイズ880円より)
「うちはただビールを提供する場所ではありません」と言うのは、ヴァイスプレジデント・オブ・ホスピタリティーのダン・ラファリンさん。「ここでの『体験』や『思い出』も大切にしています。良い体験をしていただき、また自宅やレストランやバーでうちのBマークを見た時に『あぁ、ブルックリンブルワリーでの時間は楽しかったなぁ』と思い出していただくことが、私たちの喜びです」。
ブルワリー内にあるテイスティングルームにカウチやローテーブルなどが置かれているのは、ビールを飲みながら自宅や友人のリビングルームのようにくつろいで欲しいから。
「才能ある素晴らしい人々との繋がりも大切にしています」とダンさんは続けます。テイスティングルームにあるミューロー(壁画)は地元アーティストによる作品で、現在の絵を描いたのは、ブルックリン在住の日本人画家、中山誠弥(まさや)さん。「環境に優しく差別のない世界の実現に向けたブルワリーとの共有フィロソフィーを表現したもの」と、中山さんはここで手がけた作品について説明してくれました。
(*東京のBのミューローも中山さんが手がけました。お店に行くことがあればチェックしてみてください)
ブルワリーツアー(工場見学)も定期開催中

ブルワリーツアー(参加費18ドル)も定期的に開催されていて、列ができるほどの人気です。ツアーに参加すると奥の工場内を見学できるほか、ブルックリンブルワリーの歴史、ビールの素材、なぜこのビールが人々にこれほど愛されてきたのかなどについて、4種のビールを味わいながら楽しく学べます。予約はオンラインにて。
また入り口近くにロゴ入りのTシャツやステッカー、ビアグラスなどオリジナルグッズ販売も。旅の思い出やお土産などとしておすすめです。

[All photos by Kasumi Abe]
All images and text are copyrighted.
a.kasumi ライター・編集者
雑誌、ウェブ、ラジオを通して、グルメから社会問題まで、幅広くアメリカ&NY情報を発信中。著書に『NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ』がある。日本の出版社勤務を経て、NYに移住したのは2002年のこと。アメリカ(出版社時代)でも街ネタ取材でNY中を駆け回った後、14年に独立。物書きとしては、今では信じられないがメジャーミュージシャンのインタビュー含む音楽評論が原点。
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