北海道屈指の人気を誇る駅弁
北海道の東を走る根室本線。車窓には広大な森林やのどかな牧場が広がり、風光明媚な路線として知られています。
数年前に筆者が乗車したのは「ルパン三世ラッピングトレイン」。「ルパン三世」の原作者、モンキー・パンチ氏が根室本線沿線の浜中町出身であることから、地域活性化プロジェクトとして始まったのだそう。
釧路駅から1時間ほどで厚岸(あっけし)駅に到着。この駅で絶大な人気を誇るのが駅前の氏家待合所で作られる駅弁「かきめし」です。予約すればホームまで届けてもらうこともできるんですよ。
全国でも有数の牡蠣の生産地として名高い厚岸。「かきめし」には名産の牡蠣をはじめ、地元産のツブ貝やアサリなどの海の幸、さらにフキやシイタケといった山の幸も堪能できるのが魅力です。
やや濃いめの甘辛さはどこか懐かしさも感じる味わい。牡蠣の濃厚な出汁が染み込んだひじきご飯も絶品。素材の旨味が凝縮した記憶に残る駅弁でした。
新型コロナウイルスの影響で、旅に出るのが難しくなってしまった今日この頃。東京在住の筆者がいま北海道でこの駅弁を味わうのはそう簡単ではなさそう。しかし食したいという気持ちは抑えることができません・・・。
ということで、「かきめし」をゆる〜く再現してみました!
レシピはまったくの自己流です
まずはアサリから。砂抜きしたアサリを日本酒で煮立て、口が開いたら身を殻から外します。再び鍋でアサリの身と醤油、砂糖、みりん、酒蒸しで残った煮汁(各大さじ1)を炊きます。
続いてフキの下処理。塩を振ってまな板にゴロゴロと転がします。こうすると皮がやわらかくなり、味が染み込みやすくなるんですよ。
沸騰したお湯で3分ほど茹でます。
氏家待合所では具材をそれぞれ別々に仕込んでいるようですが、筆者は大雑把な性分のため、フキとシイタケ、牡蠣を一緒に炊いていきます。またツブ貝は入手できなかったので省略することに。ゆるすぎてすみません。
鍋に水200ml、醤油、日本酒、砂糖、みりん(各大さじ2)、生姜のみじん切り(1カケ分)を入れて火にかけます。
沸騰したらシイタケを投入。
次にあらかじめ水洗いした牡蠣を入れます。
最後にフキを投入。蓋をして水気がなくなるまで炊いていきます。煮汁をひじき煮に使用するので、少し取り分けておきます。
炊くこと約10分。しっかりと調味料が染み込みました。
ひじきは別鍋で。ひじきをサラダ油で炒め、火が通ったら牡蠣の煮汁を入れて炊きます。
ご飯に炊いたひじきを混ぜ合わせます。本家ではカキの煮汁でご飯を炊き上げているようですが、今回は手軽さを優先。
気分はまるで北海道!
お弁当箱にひじきご飯と具材を詰めたら完成!
非常にゆる〜い再現となりましたが、なんとかそれっぽくなったでしょうか?普段の料理より大幅に時間がかかってしまったものの、その作業の楽しいこと!もちろんお味は本家にはかないませんが、これはこれで十分美味しい。食べ進めるごとに、車窓から見た北海道の景色が浮かんできましたよ。
何かと家にこもりがちなこのご時世。こんな時は、旅した気分になれる料理を作って、お家時間を楽しんでみるのはいかがでしょうか?
[All photos by Nao]