星のや東京は、大手町駅至近、東京の中心地に位置します。青森ひばの一枚板が印象的な玄関から中に入ると、マスクを着用したスタッフがお出迎えしてくれます。
足を踏み入れると、星のや東京の象徴ともいえる玄関を目にし、素敵・・・と口にせずにはいられません。向かって左側にある、壁を覆うような栗と竹でできた装飾は、実は宿泊客の履物を収納するボックスなんだそう。見た目の美しさと機能性を兼ね備えた造りになっています。
星のや東京 3密回避の滞在
人との接触を極力減らす「チェックインは客室で」
1階にて検温を済ませたら、そのまま客室へと案内されます。ほかの宿泊客との接触機会を減らすことができるのは、安心感がありますね。客室に案内されると、すぐさまチェックインを済ませ、海外渡航歴などのヒアリングシートへ記入を行います(代表者のみ)。
新型コロナの感染拡大前は、客室の設備などについて時間をかけて説明をしていましたが、現在は、宿泊客とスタッフも長時間の接触を避けるため、口頭での説明は必要最低限に。スタッフは、5分程度で客室を退室するように努めているそうです。もちろん、詳しい説明を希望する場合には、その旨スタッフに申し出ると対応してもらえますよ。
夕朝食は他の宿泊客との接触が控えられる「部屋食」が安心
星のや東京では、夕朝食ともに、客室内で食事することが可能です。特にこのコロナ禍においては、他の人との接触を極力減らしたいもの。接触を気にすることなく、ゆっくりとお部屋で食事できるのはありがたいです。
スタッフがワゴンで客室まで食事を運んでくれます。目の前で、布巾を消毒液で濡らし、テーブルをしっかりと拭いてくれ、その後食事を丁寧に配置。
食事の入った重箱は、スタッフがあえて蓋を開けずに置くのみ。食事の説明はせず、その代わりに献立が書かれた案内が置かれます。ここでも、接触を極力減らそうという配慮がうかがえます。
木箱のお重で運ばれる「星のや東京御膳」。蓋を開けるときのワクワク感も楽しい。蓋を開けるとふわっとお料理の良い香りがして、食欲を刺激されます。
翌朝の朝食も、夕食と同様にお部屋で楽しめます。
洋朝食と和朝食、好きなほうが選べますよ。
プライベートな空間で誰にも邪魔されず、ゆっくりと食事を楽しむというのもまたいいものです。
星のや東京では、地下1階にダイニングがあり、そこで夕食をとることも可能。ダイニングには個室が6室と半個室が4室あるので、安心して食事ができます。
地下のダイニングはまるで美術館に迷い込んだかのような雰囲気。まさに非日常を味わえる空間で、ゆっくりと食事を楽しめそうです。
3密を回避して温泉に浸かる
星のや東京は、東京の真ん中にありながら、温泉にも浸かれるという貴重な日本旅館です。地下1,500メートルから掘り上げた温泉は黄金色で、舐めるとしょっぱくミネラルが豊富。
洗い場は8ヶ所ありますが、密を避けるために現在は半分に減らしています。
脱衣所も設置してあった脱衣かごを間引き、半分ほどの数にした状態で、温泉入口に移動させてあります。
星のや東京では、6月末から7月には、大浴場の混雑度がスマホで分かる「3密の見える化」サービスが始まる予定。混雑を避けてお風呂に入れるのは助かりますね。
チェックイン後の15:00~翌日の11:30まで通しでお風呂に入れるので、時間を気にせず入りたいときに入れるのもありがたいですね。タオル、メイク落としからスキンケアまでアメニティも全て揃っているので、客室から持参しなくてよいのも助かります。
お風呂は、内風呂に浸かったまま、露天風呂に移動できるような造りになっており、露天風呂は吹き抜けのような形状。
(C)星のや東京
東京の夜空を眺めながら入る温泉。東京の真ん中でこのように温泉に浸かっているのが、不思議な気分になってきます。
(C)星のや東京
チェックアウト時も飛沫が飛ばないよう配慮
チェックアウトの時間は翌日12時まで、2階で行います。エレベーターを降りると、正面にスタッフがお出迎え。カウンターは赤、背景は和の情緒あふれる素敵な空間です。
近づくまでまるで気づきませんでしたが、飛沫防止用のアクリル板が設置されています。置かれていることを主張しすぎないアクリル板にも、訪れるお客さまに対し、距離を感じさせない配慮やもてなしの心を感じます。
館内、客室はもちろん、2階、温泉の入口など、至るところに消毒用アルコールが置かれているのも印象的でした。
スマホなどのガジェットはオフに。お部屋で非日常を満喫して過ごす
コロナ禍において、「マイクロツーリズム」という言葉を耳にするようになり、近場の国内旅行を楽しむ人が今後しばらくは増えそうですよね。星のや東京は東京の大手町というビジネス街にありながら、足を踏み入れればそこが東京の真ん中だということを忘れてしまうような、非日常を楽しめる空間です。せっかくなので、スマホやPCなどは全てオフにし、非日常空間を存分に味わうことをおすすめします。
滞在中、ほぼここで寛ぎながら過ごしました。横になることもできて、気が付くと意識が遠のくほどリラックスしてしまいました。
客室のベッドは、布団ほど低くなくベッドほど高くない、絶妙な高さになっているそう。あまりにも寝心地がよくて、布団に入ってからはあっという間に眠りについてしまいました。
星のや東京の外観を見ればわかるのですが、周りは江戸小紋の格子に囲まれています。日が差すと、お部屋の障子に江戸小紋の格子が浮かび上がり、和を感じられる趣のある雰囲気に。
障子を開けると周りは高層ビルに囲まれ、東京の真ん中にいることを実感するとともに、一気に現実に引き戻されます(笑)。筆者は星のや東京での非日常空間を存分に味わうために、滞在中は客室内の障子は閉めて過ごしていました。なんと言っても、この非日常感を味わえるのが醍醐味だからです。
お菓子や飲み物を楽しみながら思いのまま過ごせる、「お茶の間ラウンジ」
滞在中、小腹がすいたりのどが渇いたら、「お茶の間ラウンジ」でお菓子や飲み物を楽しめます。お茶の間ラウンジは、客室のある各階にあり、いつでも自由に利用できます。ある程度広さも確保されたスペースなので、宿泊客同士配慮して使用すれば密になることはないでしょう。コンセントもあってwifi完備なので、ちょっとした仕事もここでできます。
お茶と一緒に好きなお菓子をつまめます。冷蔵庫にはドリンク、冷凍庫には一口サイズのアイスクリームもあるので、お風呂上がりのクールダウンにうれしいです。
星のや東京では、お茶の間ラウンジを気軽に利用してほしいという思いから、客室のドアにオートロックをかけずに、行き来ができるタブがドアについています。ちょっとしたことですが、こういうのって滞在の快適度がぐっと上がりますよね。
カップやお皿、食事に使われているカトラリーも素敵で、使われているものひとつひとつにも、星のやのこだわりを感じます。
夕食前後に日本酒を嗜む「SAKEラウンジ」
お茶の間ラウンジのほかに、2階にもラウンジがあります。
チェックインを済ませた後には、お迎えのお茶と季節ごとのお菓子が楽しめるので、ぜひ足を運んでみてください。
17時からは「SAKEラウンジ」ということで、季節に合わせて用意された日本酒とおつまみが楽しめます。この日は日本酒2種類を、おつまみの野菜チップスと4種の塩でいただきました。
まだ外が明るい時間からお酒を楽しめるという、なんだか贅沢な「SAKEラウンジ」。21時まで日本酒が楽しめるので、食事の後に楽しむのもよし。ほろ酔い気分で、ぜひゆったり過ごしてみては。
星のや東京では1階で靴を脱いでから、スリッパを履くこともなく、まるで自宅にいるかのようにリラックスして過ごせます。館内では、段差がほとんどなくストレスフリー。
エレベーターの中までもが畳になっていて、畳って本当に心地よいなぁ・・・と再認識させられます。マスクをしていても香る畳の香りに癒され、非日常の世界にどっぷり浸かる。日本のいろいろなものの良さを、改めて感じさせてくれる空間でもあります。
この夏は、東京にいながらにして、非日常を味わってリフレッシュしてみませんか。
[Photos by Chika]