
クリスタルガラスのオブジェと季節の花々に彩られた庭園

「ガラスの森美術館」が佇むのは緑豊かな箱根仙石原の一角。敷地内にはヴェネチアをイメージした庭園や、ヨーロッパ貴族の別荘をイメージした建物が並び、中世を想わせる雰囲気が漂います。ガラスのシャンデリアなどのアート作品も点在。

庭園の見どころのひとつが橋に配された、高さ約9m、全長約10mの「光の回廊」。約16万粒のクリスタルガラスが施されたアーチは光や風を受けてキラキラと煌めき、幻想的な風景を魅せてくれます。

訪れた日はあいにくの雨模様で輝きは弱めでしたが、近くに寄ってみると七色の光が放たれているのを実感。儚くも可憐に眩く小さな粒を前にすれば、心に優しさがもたらされることでしょう。

箱根ガラスの森美術館は2つの美術館から構成。メインとなる「ヴェネチアン・グラス美術館」には、15世紀から18世紀にかけてヨーロッパ貴族を熱狂させたヴェネチアン・グラス約100点が展示されています。
エントランスを抜けてまず心を奪われるのが、ヴェネチアの名所、ドゥカーレ宮殿の天井画を模した絢爛豪華なホール。煌びやかなシャンデリアがあしらわれた回廊は圧巻の一言です。
貴重なヴェネチアン・グラスの名品を所蔵

古代ローマ時代のローマン・グラスが起源とされるヴェネチアン・グラス。13世紀〜17世紀にかけて多彩な技法やデザインが生み出されます。イタリア・ルネサンス繁栄を背景に、ヨーロッパ市場の90%をヴェネチアのガラス産業が占有していた時代もあったのだとか。
艶やかな赤色の「ドルフィン形脚赤色コンポート」は脚の独特なフォルムが印象的。華麗な輝きに満ち、ため息の出る美しさを湛えます。

ダイヤモンドの尖端で唐草模様と紋章が掘り込まれた「ヴァンジェリスティ家 紋章文コンポート」は16世紀末~17世紀初頭に製作されたもの。ヴェネチアの名産品、レースのデザインが取り込まれているのだそう。
ガラスの無限の可能性を体現した、現代ヴェネチアン・グラス

「現代ガラス美術館」では19世紀以降のモダンスタイルのヴェネチアン・グラスが展示されています。中でも注目すべきは、糸のような細い脚が杯を支えている「風にそよぐグラス」。そよ風にさえ揺れ動く繊細な造りながら、120年以上にわたって壊れずに立ち続けていることにも驚きです。

ヴェネチアン・グラスの伝統や技法に影響を受けた、アメリカ人アーティストの作品も。イタリア語で“斑点のある”という意味を持つ「マキア」はカラフルな色彩と流動的な形が特徴。まるで呼吸しているかのような、エネルギッシュな躍動感にあふれます。
イタリア香るミュージアムカフェ

園内にあるカフェレストラン「ラ・カンツォーネ」は鑑賞後の余韻をゆったり楽しみたい時に最適。一面のガラス窓からは庭園や箱根の山々を一望でき、開放感もひとしおです。

イタリア産ジェラートやナポリ伝統の焼き菓子、旬素材を使ったパスタ、リゾットなどを提供。「24時間熟成生ハムのパニーニ」(1,430円・税込)は旨味濃厚な生ハムともっちりと香ばしいパン、みずみずしいルッコラが絶妙な相性を醸しています。アートで潤された心を華やかに彩ってくれる味わい。
さらに世界各国のガラス製品をそろえるミュージアムショップ、手作りジャムやメープルシロップなどを販売するショップも併設。お土産探しにもピッタリです。中世を思わせる雰囲気のなかでヴェネチアン・グラスの輝きと美しさを堪能してみてはいかがでしょうか。
[All photos by Nao]
Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
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